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セオ・ウォルコットから観る無意識的能力の引き出し方

ゲームモデルとプレー原則

 ゲームモデルとは試合を行う上での頭なの中の地図のことである。監督が選手にチームに共通する戦術的地図を与えることで、無意識的能力を引き出すことができる。共通の地図があるので、頭の中にある地図をもとに試合中選手が状況を認識して、状況に応じた解決策を見つけ出し、プレーすることができる。どの試合においてもどんな選手が出場しようと選手全員にプレーの迷いがなく適切なプレーができる。ポジションやシステムの変更があってもこの共通の地図があることで、選手がチームとして大きく間違ったプレーをすることがない。

 ゲームモデルをチームに落とし込むために必要なのが、プレー原則。選手がゲームモデルを理解してプレーするためにわかりやすく示した行動規範のことである。
具体的に理解したい方には林舞輝さんの【「サッカー」とは何か 戦術的ピリオダイゼーションvsバルセロナ構造主義、欧州最先端をリードする二大トレーニング理論】という本をぜひ読んでいただきたい。

輝きを放つセオ・ウォルコット

 今シーズン注目してほしい選手がいる。かつてアーセナルに在籍していたセオ・ウォルコットだ。若いころから期待されていただけに、アーセナル在籍時では彼に対する評価は厳しかった。ただ、約15年ぶりに古巣に戻ってきた彼が再び輝きを取り戻している。いや、私には以前よりも輝いて見える。得意の裏への抜け出しや、相手ディフェンス間orサイドで張ってボールを引き出してのチャンスメイク。守備でも自分より後ろにいる選手のコースを消しながらのハイプレス。加えて、自陣に戻ってまでの献身的な守備。彼がラルフ・ハーゼンヒュットル監督のゲームモデルやプレー原則(行動規範)、ゲームプランを理解して実行できているからだと思う。

今シーズン注目しているチーム

 個人的に注目しているチームが3つある。サウサンプトン、サッスオーロ、レバンテだ。3チームとも毎年CLやELに出場するほどの強豪チームではない。また、各チームともビックネームの選手がいない。その中でもチームとしてうまくプレーできているのはなぜか。この3チームを中心に、ゲーム分析や個人のプレー分析に焦点を当ててこれから記事を発信していきます。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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