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6月26〜27日 東京にて

夜行バスが消灯する前に日記を書く。

東京へ。

どこまでも深く遠く続く雲の海とそれを太陽がさんさんと照らす光景は、ちょっと天国みたいだった。雲って層になっているんだね。空にも地平線はあるのね、知らなかった。わたあめの海みたい。

Silica Gelという韓国でさいきんブイブイ言わせまくっている最高インディーズバンドのチケットを奇跡的にとれた。前座betcover!!。
とても自信があったのに二次抽選で即完だったので、終わった…と思っていたけど 空きが出たのに滑り込んだ。

成田空港遠すぎ。
ネカフェでいっぱいねた。
快活CLUBに愛を感じる
しぶやの選挙ポスターさいあく。怒りを感じる…悲しい。「大麻を解禁して渋谷を"シャブ谷区"にする」 …ぇ。目を疑った。本当にありえないこと。

地下に降りる形のなんかかっこいい会場。顔面ピアスだらけのいかちい店員のにいちゃん。
ハイネケンを買う。
ほとんどSilica Gel目当てのガチファンなのかも。韓国語が飛び交う、男女比半々ぐらい。
ちゃんとしたライブハウスに来たのははじめてだし、友だちとちゃんとしたライブを見るのもはじめてでたのしみだ。

会場のうしろのほうでそわそわしながらアルコールを体へと流し入れる。
定刻がすぎて、急にはじまる。
突如あらわれる柳瀬二郎のすがた、後ろだけど意外と見えるな。
さいしょはバーチャルセックスかなと思ってたけど、火祭りの踊りだった。

バスドラムの音が僕の心臓を蹴る。下腹部に響く。床をつたって足の裏に振動が伝わる。
生命!!!!!!!!!

聴くにつれて、音が自分の中へ自然に侵入してくる。やがて自分のテンポが、わからなくなる。忘れることができる。だけど肉体の重さはある。今そこにある嬉しさと興奮に包まれる。魂が置いてけぼりになんない。

火祭りの踊り→壁→バーチャルセックス→狐→幽霊→あいどる→フラメンコ→不滅の国→炎天の日→超人 だったらしい。

時折見える柳瀬二郎は、すげー顔してた。
曲から曲へと移り変わるやり方が凄まじくて、圧倒されてた。
隣の女の子は一生インスタを開いて画面を高速フリックしてる、betcover!!興味ないんだろうな。(笑)
Silica Gelギャル(シリカ・ギャル)の多さにビビる。
完全に冷え切ってて、超人の「やめて」パートでは失笑していてすこしおもしろかった。
やりたい放題でよかった。"Silica Gelの前座"感はなかったけど、Silica Gel本人たちたっての希望だったらしい。いいね。
終わってから、Silica Gelとbetcover!!てびみょうにファン層被ってないかもねという話をした。

畳み掛けられるような怒涛の短時間であった。こ〜〜〜んなアレンジ激しいんだ。
50分もなかったみたいだけど、短めの映画を見たほどの長さに感じた。
あいどる あたりで音のデカさや高揚感に慣れてきて、心地よくなってきた。目を閉じてみたら夢かと思った。なんて気持ちいんだ…
吹き荒れるサックスの音が脳みその回路をなぞる。
音源化してほしい内容だった…。スマホ撮影してる客とか、ノってない客を見ると集中できない、一度最前列で見てみたい けど後ろでたまに遠くに姿が見えたり、目瞑って聴くのすごく良かった。

最後、超人 すっげー長く感じた。怒涛のドラム、混ぜ合わさる音、やがて"ノイズ"になった。
明と暗とが激しく入れ替わる照明、棒立ちのメンバーたち 呆然とする客。だーれもスマホ撮影してなくて、よかった。
この終わる瞬間が一番イカしてたな。

もっかい聞きて〜。なんかやたらギターの旋律がメタリックで、アレンジもプログレじみてて いろんな味がした。
もっともっと進化してほしいし、ジジイになった柳瀬二郎の音楽が聴きたい。


生ぬるくなった苦麦汁を飲み干す。


次の演者まで待機する、シリカギャルが数名前へとねばって移動する。すごいね。
スタッフが楽器のセッティングを終える。

暗くなって、シルエットが見えた瞬間、場が湧きまくる。betcover!!まじでややアウェイだったみたいでウケる

もうこの規模感と距離でSilica Gelを見れることはないんだろうな。
見れてよかった、なんかもう、ほぼ完璧といえるんじゃないかってぐらいには素晴らしいパフォーマンスでした。
こんなバンド、他にない。知らないだけではないと思う、間違いなく最高のバンドだった…
現役のバンドの中でも、かなり好き。言語違う、何言ってっか調べないとわかんないんだけど そんなこと関係なしに脳内に直でわからされる痺れる音楽だった。
推し の文脈で追いかけて一生動画撮ってるファンたちにはちょっとムカつくし邪魔なんだけど まあその気持ちもわかる。
一瞬一瞬がなんか、何かすごいエネルギーが常にほとばしっていて ギター背負ってる彼なんかハードオフのベルトしていかにも音楽オタクそうなメガネなんだけど、あの酔いしれて音と一緒になっている感じ なんていうかSEXYだって思った。本能でギター弾いてる、としか思えない、最上級すぎるギターソロだった。指死にそう。
本人たちが一番気持ちよさそうでよかった。
人気の曲を序盤に結構やってて後半持つの?とか思ってたが想像を何度も超えてくるアレンジだった。天才ってこういうこと?
どうやってあれを生み出せる人生になったんだろ。
ボーカルが青白い顔してんだけど 歌めっちゃうまくてまあ、これは女の子夢中になるのもわかる。

坂本龍一の"音楽図鑑"を嬉しそうに掲げてはけてった。オタク〜〜。

両者共にとても良かった。想像よりさらに。
音源の完成度も流石なんだけどライブ、すげーわ…、Silica Gel、日本でもバレたらフェスとかで呼ばれそう。顔ファンはつかないでほしい。
本当にbetcover!!一部しか盛り上がってなくてよかった。ほんとに日本人少なかったと思う。

もっと音楽のライブ、いきたいけど、ほんとにライブ行きたい人たちはだいたいもういない、かなしい。

池袋でつけ麺を食べる。
友だちの家に向かう。

狭いアパート。
疲労困憊
汚れたぬいぐるみ。洗いたい。
パンツを忘れた。コンビニのパンツが増えた。

あの子が、別のアカウントで長めの文章が書かれたリンクを貼っているのを見つける。去年の冬頃の文章もあった。読んだ。
そのあと改めてアカウントを見たらリンクの投稿は消してた。
けど全部読んじゃった。
しにたい人が作る作品とか、書く文章を好きになっちゃうな、むかしから。
勝手に、友だちになってみたくなった。そう思った、だけ 消したツイートまでも覚えていたりアーカイブを記録したくなる自分がちょっとキモいけど。好きな人間のことは結構過去のことまで遡ってしまうほう。
やぱ、ひとの日記とか、あんまり人に大っぴらに堂々見せる感じではない書き物が好き。
たまに友だちが日記を送ってくれてうれしい。しかもそういった友だちがひとりじゃなくて、友だちが昔より増えたなあと思う。うれしい。
人生がだんだんマシになる。


ヤクザかなんか、怖い形相した恰幅のいい男が友だちにいやがらせをしてきたので、中指を立てながら「4ね」と言って追い払う夢をみる。

ダブルベッドで3人、熟睡できた。

トムヤムクンヌードル

上野へ。


上野公園にくると東京に住みたくなるけど、たぶん2ヶ月ぐらいで発狂する。
だけど再来年ぐらいにはやっぱり東京(じゃなくて住むのは神奈川)にはきたいねという話をした。

ビデオカメラでいくつかの映像を撮った。帰ったらSDのデータを移す。

なんでデ・キリコを見る前に"下町ハイボールフェス"の現場通らないといけないんだ。

上野の公園にはいろんなひとがいるね。
日傘さしててヒマそうなおばさんが、よくわからない展示でもみにきてるかんじ。
木陰の原っぱで、横向きにねむる肌の焼けたおぢさんがいた。大変気持ちよさそうで、たぶん酩酊した後にねむってんだろなって感じの無防備さ。あそこだけ絵画っぽかった。

ヒトラーみたいなヒゲを生やしたおぢさんが、迫真に何やらデカい声で訴えている。何かと思ったら、前半は正しく聞き取れている自信はないけれど、後半は絶対にこう言っていて、「身体を鍛えんなら!!!、キンタマも鍛えろ!!!!」「キンタマはぁ…キンタマもちゃんと、鍛えろ!!!」
キンタマを鍛えることの重要性を強調するように何度も繰り返していたので間違いない。本当に真剣だった、あのおぢさんは。よかった。

デ・キリコめっちゃよかったな。
平凡そうなマダムが、ふ〜〜〜ん?って言いながら見てたり、わかものが肖像を見てやたら上手いと感動しながら褒めていたのもよかった。
不器用な肖像とか、古典の研究はかわいかった。
ダヴィデの手があるやつ、入浴シリーズが好き。
やはり哲学的な絵や、シュルレアリスムは好きなのだなあ 前に行ったシュルレアリスムと日本が良すぎたから今更図録を買いたい。もっと調べてみるべきな気がする。
僕はばかだから、美術館で見た絵のことはすぐに忘れてしまいがち。
美術館で過ごす時間が好き。世界を見る目が再定義される感じ。
よい音楽とか絵とかに夢中になっているときたまに、アリス症候群的なのになるの僕だけかな。


バスが新宿発だから、新宿へ。
ルミネとかで時間潰す。タワレコ。レコードたかい。

やることがなくなって駅出たら、女が数名でミッシェルの世界の終わりなんかをカバーしてて、だれも見向きしてなくて、どこか歌声が癪に触ってしまって一気に嫌な気持ちになってしまった。PMSかもしれない。疲労も合わさって友人に当たってしまう。こういう瞬間の重なりの中にいるとき、内心かなりパニックなのだがいつも悪い選択をしてしまう気がする。成長したい。

30分歩いて行きたかった場所へ。とみたえみさんの写真展。黒井ひとみのファンなので…。劇場でこの展覧会のフライヤーを何枚かもらっていたので気になっていた。諦めていたけれどこられてよかった。掲載許可済み。
番狂せ、にははじめてきたけど ママがやさしい感じで居心地が良かった。またゆっくり過ごしにきたい。
キンミヤのラッシー割り美味しい。感想ノートがあって嬉しい。



夜行バス。
そろそろ眠る
東京にいるのに中古のロリィタ屋さんに行くのを忘れて少し落ち込んだ。
夜行バスとか電車の音を聴きながらねむるのがすき。

何を見るにしても、僕はなるべく一番前が好きだ。なんでか他人の楽しみ方を気にしてしまうし、バイブスが違うノリ方を見てたりするといつの間にか別の考え事をしてしまうし、なんだか誰かにお前が楽しんでいていいのか?と注意されるのではないかという謎の不安感が昔からある(その誰かは、自分なのだろうけど)
ゲームしかしてなかった鬱病小学生の時、なぜかすべての娯楽から自分を切り離さないといけない気がしてダウンロード版のゲームソフトを消去して2度と遊べなくしたことがある。
自分が世界の中で楽しみを見つけることが悪いことのように感じてしまう時がある、なぜなのだろう 前世で美術品を盗んだりしたかな。


友だちと遠くに来ると何とかやっていける気持ちになる。ぼくはバカな生き方をやめたい。
何に真摯になればいいんだろう。
スマートフォンがない時代に生まれたかったとか 時代や生まれのせいにばかりしてしまう
あきらめるべきだ
無力から脱したい。努力が必要だ。
作品、を見るたびに、消費者でしかいられてない自分をきらいになる。これじゃいけない。
僕が描く絵はつまらない。おもしろい絵が描きたい、悔しく感じる、きっと学ぶべきだ。
周りの人に恵まれていて幸せものだと思う。
せっかく教養のある人間がいるのだしもっと頼っていいか。人に迷惑かけるのは上手いくせに人を頼るのは苦手かもしれない。
どうにか自分の人生を見つけなければ。

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