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湯気に包まれたスタートライン


お店に入る前の心得として「店外のアルコール噴霧器を利用してください」に従いつつ、扉を開ける。

なんとなく「山猫軒みたいだなぁ」などと、いつものように空想をしつつ着席。次は何を「指示」されるのか・・・とあるはずの無い「指示」を期待して周りを見渡すと先客がカウンターに座っていた。何やらスマホを真剣に見ている。目が鋭い。

一方自分はといえば、お冷を頂くのも待たずに、来店前から口の中を調整してきた希望の品を伝えて待ちの体制。

この時間を使ってSNSを巡るのがいつものパターンだが、一つ席をあけた先客があまりに鋭い目線でスマホを見ているので、なんとなく躊躇してしまい店内のテレビを眺めることにした。

しばらくして、もう一人のお客様が来店。先客と私の間に座り、さっさと注文を終え待ちの体制を取る。この方はスマホ二台持ち。カウンターに並べて動画を眺めつつ、足でリズムを取っている。貧乏ゆすりではない。おそらくリズムだと思う。

そこでふと昨晩みたオリンピックのスピードスケートの試合前画像が頭に浮かんだ。まるで今と同じ風景ではないか。

それぞれが思い思いに待ちの体制を作る。集中して気持ちを高め、時を待つ。そしてその時が来るや否やスタートする。フォームはそれぞれ。始めが肝心。そこからは一心不乱にゴールを目指す。

同じだ。確かに同じだ。

Instagram 2022/02/19
Pic 三秀(五目焼きそば)

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