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最近のアフタヌーンティーの流行に思うこと #3

滋賀県彦根市で夫婦でイギリス菓子とコーヒーのお店をオープン予定の
Leads Cafe リーズカフェ と申します。
お店を作ることになった思いや考えたことをあれこれ語っていこうと思います。
(執筆は夫の方が担当します。)


オリジナルのトートバッグを作りました。

既にInstagramでは投稿しましたが、このたび私たちLeads Cafeで初めてトートバッグを作りました。

トートバッグ。かわいい。

絵は滋賀や京都のマルシェでも活動されているtomock trickさんにお願いし、デフォルメされたお菓子たちのかわいいトートバッグになりました。

でかでかとお店のロゴを載せるのは気が引けたので、実はキャロットケーキの層の間にこっそり"Leads cafe"と書いてあります。

言われなければ分からないレベルにあえてしていただきましたので、私たちの活動を好いていてくださる方は、店名の存在もたまに思い出していただけると嬉しいです。

肝心のトートバッグ自体は厚みのあるキャンバス地でとても丈夫。
普段のお出かけから、買い物袋までご使用いただけるかと思います。
A4サイズのファイルも入る大きさがあり、底にはマチがついていて広がるので収納力も問題なし。

分からないながらSTORESのオンラインショップを開設しました。
全国からご注文可能です。
(食品のオンライン販売は今のところ対応しておりません🙇‍♂️)
以下のリンクからどうぞ↓


と、トートバッグはこだわって製作したのですが、飲食店であるカフェがグッズを作るのは(しかもまだオープンもしていないのに)、どこかムズムズするものを感じます。
でも、グッズ製作をするに至ったのには、ある想いがありました。

昨今のアフタヌーンティー事情に思うこと

今アフタヌーンティーが人気を集めています。
お菓子とお茶で少しオシャレをして、落ち着いた雰囲気の中で少し贅沢な時間を過ごす。
良いですよね。

私たちのアフタヌーンティーとの出会いは前の記事にも書きました。↓

さて、アフタヌーンティーが人気になり、色々なお店もアフタヌーンティーのセットメニューを提供するようになりました。

言わずもがな、アフタヌーンティーはイギリス発祥の文化です。
しかし、昨今のアフタヌーンティー流行の中で、あまりにもアフタヌーンティーの原型から離れたものも見かけるようになりました。

  • カヌレやマカロンなどのフランス発祥のお菓子が並び…

  • アフタヌーンティーに不可欠なスコーンがなく…

  • 果てはハンバーガーやスクランブルエッグのプレートがあるような…

これらが全部そろったものはさすがに見た覚えがありませんが(たぶん)、イギリス発祥の文化のはずなのに全然違う文化のものが入っているじゃないですか。
イギリスの文化や食事に愛着のある私たちとしては、どうしてもモヤモヤを感じてしまいます。

いや、美味しいものが乗ってたらいいじゃん!
というご意見ももっともです。

日本にやって来て、できるだけ多くの人に楽しんでもらうためのローカライズも否定しません。
醤油ベースで出汁の効いたキノコたっぷりの「和風スパゲティ」だって好きです。

でも、ローカライズされたものがそういう説明抜きで、
ひょっとするとローカライズされたものであることさえ認識されず、
○○でもアフタヌーンティー提供開始!と宣伝され広がることに、
古き良きイギリスのアフタヌーンティーに愛着のある者としては、
どうしてもモヤモヤを感じてしまうのです。

キノコたっぷりの「和風スパゲティ」がイタリア発祥と思う人はいないはず。
そもそも「和風」って言ってますし、異文化が混ざっているのは分かりますから。

古き良きイギリスのアフタヌーンティーとは

では私たちの思う、古き良きイギリスのアフタヌーンティーとは。
まずアフタヌーンティーと言えば2~3段のケーキスタンドです。
ただし本当の昔は普通にお皿に乗せてテーブルの上に食事を並べていたようで、スタンドに乗るようになったのは、ホテルでアフタヌーンティーが楽しまれるようになってから。
おそらく、一度に運ぶことができる利便性と、面積の限られたテーブルでも楽しめるようにという工夫から、ホテル始めたものが浸透したのでしょう。

少し横道にそれましたが、このそれぞれの段の内訳が重要です。

まず1段目(下段)はサンドイッチなどのセイボリー。
小腹を満たす食事系のものです。
サンドイッチの具はハムやキュウリですね。
(決して厚焼き卵が入ったりはしません。笑)
キュウリは昔のイギリスでは高級品。
キュウリを提供できることがステータスであり、おもてなしだったようです。

参考記事↓

2段目はスコーンですね。クロテッドクリームとジャムが添えられます。
ちなみにスコーンは田舎に行くほど大きくなる傾向があり、大人の握りこぶしほどの大きさになるところもありました。
場所によってはスタンドから出て別のお皿に乗っているところも見かけます。

田舎町のスコーン。スプーンの大きさと比べてみてください。

そして3段目はケーキ類などの甘いもの。
前の記事でご紹介したCamellia's tea houseではレモンケーキやチョコレートケーキが乗っていました。

ロンドンのCamllia's tea houseのアフタヌーンティー

トートバッグにこめた想い

原型を知った上で、そこにリスペクトを感じながら変形するのはアリだと思います。
ロンドンでもフランス発祥のお菓子を取り入れたアフタヌーンティーを提供しているティールームも増えてきています。

ですが、原型を大事にしたい私たちとしては、変形させたものは変形しているものと分かって楽しんで欲しい。
ファッションブランドやホテルが個性を出してメニューを考えたアフタヌーンティーは、個性が出ているのだと思って楽しんでいただきたい。
そのために、派手さはないけど、滋味深い魅力のある本場のアフタヌーンティーを知っていただきたい。

私たちの影響力は極小ですが、少なくとも、我々とご縁のあった方には、伝統的なアフタヌーンティーを知っていただきたいのです。
長くなりましたが、そんなことを考えながら、私たちの思う、伝統的なアフタヌーンティーを絵にして、日頃使いやすく、目につきやすいトートバッグを製作しました。
あわよくば、これを持っていただいた方のお知り合いや、たまたま目にした人にもアフタヌーンティーが伝えられるのではないか、という期待もあります。

そんな想いをこめたアフタヌーンティーのトートバッグ。
1段目にはハムとキュウリのサンドイッチを二つずつ。
ハムのサンドイッチはこれもよく見かける全粒粉の茶色いパンで。
2段目は定番のスコーンを。
3段目には大英博物館の前のティールームで出会った丸っこいレモンケーキと、私たちお気に入りの三段重ねのキャロットケーキを、
それぞれあしらいました。

お皿をイメージした線には、私たちが伝えたかったメッセージ、
“これが伝統的なアフタヌーンティーですよ”
 =“This is the traditional afternoon tea.”
と書きました。

なんだか小難しい話になってしまったのですが、かわいくて丈夫なバッグです。
個人的には、これからの季節だと、コートとかジャケットとかの、ちょっときれいめのコーディネートの外しで使っていただけるといい予感がします。

日常生活でいっぱい使っていただき、その中で、私たちの想いも感じていただけると、とても嬉しいです。

Leads Cafe 小笠原でした。

トートバッグのオンラインショップはこちら!↓

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