言葉でモテる!?『365日の広告コピー』に学ぶ言葉センス(7月〜12月編)
言葉には、不思議な力があります。相手の心を動かしたり、頭を動かしたり。はたまた話をしている自分が自然と元気になったり、寂しくなったり...。
世の中には「言葉のプロ」と呼ばれる職業に就いているコピーライターたち がいます。あまりコピーライター自身が表にでる機会は少ないですが、彼らの作る言葉は世の中に溢れかえっています。
今回はそんなコピーライターたちが書いた名作、だけど期間限定でしか世の中に出回らなかったという、素敵な作品を集めた『毎日読みたい365日の広告コピー』を紹介します。
いくつか私が個人的に好きだな〜と思ったフレーズの紹介と、大学生目線での言葉への感想を添えて、この本の魅力をお伝えできたらいいなと思います。
本書のコンセプトより、日付ごとにコピーがのっているので、365作品あります。なので今回は、7月から12月までの合計6作品を紹介します。
目次からお好きな作品を選んで読んでみてください。
(もちろん全部読んでくれたら喜びます。)
1月から6月編をまだ読んでない方は是非そちらから先にご覧ください!
7月:第三次世界大戦が、テレビゲームでありますように。
【秋葉原電脳商店街】ポスター 2015年 コピーライター:佐藤理人(電通)
このコピーは本書の7月15日に掲載されています。
平和を願う想いが純粋に表現されたワンフレーズだなと感じました。第二次世界大戦までは実際に武力行使がなされ、その後も核兵器をチラつかせた冷戦と、人の命がかかる戦争が繰り返されてきました。
争うのであれば、人の命が犠牲にならないテレビゲームにして欲しいものですよね。
現在、コロナウイルスが世界中に蔓延してしまっていますが、次の戦争はサイバーテロやウイルス戦争ではないかと近年言われてきました。
そんな悪夢が実現して欲しくないという想いも、このコピーには込められているのではないでしょうか。
8月:山を越えないと見えない山があった。
【TOYOTA NEXT ONE//AUSTRALIA 2014/トヨタ自動車】ポスター 2014年 コピーライター:高崎卓馬(電通)
8月11日は山の日です。山の日にぴったりな、山を題材にしたコピーですね。
まず「山」ってすんごく良いキーワードだと思うんですよね。いろいろなイメージが山からは浮かんできます。例えば、爽やかな雰囲気だったり、厳かな雰囲気だったり。。。
このコピーは、自分に照らし合わせると同じような感覚になったことがある人が多いのではないでしょうか。
私は、常日頃から実感している感覚です。もう周りには敵がいない!と思うくらいに何かが上手くできたり、ものすごく上達したと思ったら、自分よりも優れている人に出会う。上には上がいるという感覚になったり。
逆に今まで全然できなかったことが、何かひとつできたらスルスルっと他のこともできたり。この1つのフレーズから沢山のイメージが湧いてくるのが素敵だなと感じました。
9月:「旅行どうだった?」と聞いてほしくて、おみやげを買った。
【黒門小路/めいてつ・エムザ】ポスター 2014年 コピーライター :盛田真介(電通西日本神戸支社)
9月27日のコピーです。9月27日は、世界観光の日だそうです。観光にちなんで、土産の話も盛り込んでいるんですね。どうですか?このコピー。すごく可愛くないですか?人に自分からなかなか話しかけられない奥手な人が勇気を振り絞っておみやげという些細なものに全力で頼る姿が頭に浮かび上がってきました。
文字の羅列から、かっこよさやスマートさは出しやすいのかなと思うのですが、可愛さがでるコピーはそんなに沢山はない気がします。
今度私も、話のネタになるようなプレゼント渡してみようかな。。
10月:好きな人と故郷の駅に降りたとき、私、結婚するんだなと思った。
【吉乃川】ポスター 2015年 コピーライター :安谷滋元(博報堂)
10月15日のコピーです。正直、私はこのコピーを見て本書の購入を決めました。本屋でパラパラっとこの本をめくった時に鮮明に記憶に残ったワンフレーズです。
この本の10月のコピーには、恋愛系のコピーがたくさんあります。その中でもやっぱり一番好きでした。
上品なのに、同時に甘い雰囲気がある言葉だと思います。個人的には「好きな人」という表現がすごく好きで、ここで「彼氏」とかだときっとなんか違うんです。「故郷」っていうフレーズもじんわり温かい感じを助長していますよね。少し長めのフレーズですが、言葉に表せない絶妙なバランスがありますよね。
いつか私にもこんな気持ちになれる日が来るのでしょうか・・・大学生なので結婚はまだまだ来そうにないですが。。。
11月:「下手だけど丁寧な字」がどんな字なのか、手紙で知った。
【日本郵政グループ】 絵はがき 2009年 コピーライター :富田安則(リクルートコミュニケーションズ)
11月2日のコピーです。11月2日は「習字の日」だそうです。このコピーは習字の路線とは少し違いますが、「字にでる丁寧さ」をテーマに書かれたものですね。
字がうまいとか下手とかには、個人差がありますよね。しかし、どんなに字が下手な人でも丁寧に書くことはできます。丁寧に書いた文字というのは、そのうまさに関わらず相手に伝わるものです。それが手紙ならなおさらですよね。
余談ですが、多くの高校生が経験する受験。私は受験期に受けた模試で字が汚いという理由で記述問題を6点減点にされたことがありました。基準は、画数が変わっているか否か。
止め、はね、はらい、を心掛けて字を書く大切さを私は受験を通して知ることができました。
12月:世界の食料の約1/3は、ただ捨てられるために作られている。
【凸版印刷】新聞 2014年 コピーライター :小澤裕介(電通)
12月11日のコピーです。1964年のこの日、ユニセフが設立されたそうです。
今、世界で大きな問題となっているフードロス問題。日本でも、海外の国でも、環境問題として取り上げられています。
最近では、インスタ映えだけを目的に食べ物を購入し、写真を撮ったら食べずに処分する女子高生などがニュースに取り上げられて話題になったりと多くの関心が寄せられている問題です。
そんな中、世界には食べ物が食べれずに餓死してしまう子供もいますよね。ここは貧困の国じゃない!日本だ!そんな国と比較するんじゃない!と思う人も一定数いると思います。
比較しなくてもいいんです。ただ、食品が人の体を通されずに廃棄されてしまう現状が問題なのです。
どんな食品にも、その生産者や様々な人の努力が詰まっています。
コンビニやスーパーで、出されている商品は、なんとなく嫌だからと言って奥からとる人、いますよね。そうやって誰からも手に取られずに廃棄されてしまう食品が沢山あります。
食べ物を残さず食べよう!以外にも沢山フードロス 問題の解決に貢献できることはあるはずです。すぐ食べるなら、一番手前に陳列している商品からとりましょう。それだけでも、少しだけ世界を変えることが出来るんです。
1月から6月編も含めこれで本書の私的なお気に入りフレーズの紹介は終了です。
何かひとつでもあなたの心を射止めた広告コピーはありましたか?
自分の行動を改善できたり、元気になるきっかけを得られたり・・・
やっぱり言葉には魔法のチカラがありますよね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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