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ゆるブラックについて

2024年も中盤に差し掛かり、あと3か月で2024年も終わりになります。

いやー。あっという間ですね。。

2025年はどのような年になるのでしょうか?

2024年、お客様から最もご相談を受けた内容が人材不足問題でした。何度もお話ししている事象ではありますが、人口減少ステージに入った日本においてどう労働力と向き合えばいいのでしょうか?

現在の総裁選でも解雇規制が一つの焦点になっておりますが、これから労働を巡る問題・課題がどんどん顕在化されてくると思います。

私は最近一つのテーマに興味を持っております。
それは【ゆるブラック企業】からの脱却です。

そもそも【ゆるブラック企業】という言葉をを皆さんご存じでしょうか?

2013年に新語・流行語大賞のトップ10に入った「ブラック企業」は、長時間労働やパワハラが横行し、働きたくない企業の代名詞となりました。この10年で人への投資に対する認識も高まり、「ホワイト企業」が増える一方、緩すぎて成長機会を見いだせない「ゆるブラック」なる言葉も出てきたのです。

 もちろん立場上もホワイト化は歓迎すべき流れだとはおもいますが、人材不足による働き方の多様化、働く人材の多様化は避けられない事象であり、推進すべきことであることは確かです。

 ただ、この行き過ぎには罠(わな)もあるのです。労働環境は厳しくないが、やりがいや成長を感じられない職場を示す「ゆるブラック」と言われる企業は、優秀な社員がどんどん流出しているというのです。。

 19~21年卒社員に聞いたリクルートワークス研の調査によると「自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないかと感じる」(48.9%)、「学生時代の友人・知人と比べて、差をつけられているように感じる」(38.6%)といった不安が高まっているそうです。

 結果、人手不足や転職の増加で主導権が従業員に移り、若手や中堅は職場環境が良くても成長機会の乏しい組織に背を向けるようになってているそうです。

 希望の職種、少ない残業、同僚もいい人ばかり。絵に描いたような「ホワイト職場」だった。でも会社を辞めた。。。こういう20代の優良人材が続出しています。

 労働環境整備、働き方改革の推進により、生活環境は改善された一方、成長についての満足度は下がり、職場のホワイト化と成長への期待が反比例している状態です。リクルートワークス研究所の古屋星斗氏は「法令順守に厳しい大手ほど長時間の職場内訓練(OJT)が難しくなった。成長への不安を感じて辞める若手が多い」と指摘しておられます。

 結局、原理原則はいつの時代も変わらないのです。そもそも働く理由は時代によって変化するのでしょうか?哲学的な話に聞こえるかもしれませんが、働くことの重要な要素の一つに【成長の実感】があるはずです。そうでなければ。働く価値はお金を稼ぐ手段でしかなく、苦痛な時間の一つにしかなり得ません。

 結論。これからの人材不足時代に必要なことは・・・

社員に成長ステージを与えられる企業は、優秀な人材が残り、安定を求める社員がいなくなります。

一方、労働環境だけに囚われて、ワークライフバランスのみを与える企業は、優秀な人材は去り、安定を求める社員しかいなくなります。

さあどちらの組織集団を目指しますか?どちらの組織集団の会社が成長し続けると思いますか?

日々。社労士としてヒトの問題をあつかい、中小企業診断士として企業全体のコンサルを行い、行政書士として外国人雇用に携わっている身としては、非常に考えさせられるテーマです。


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