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いい進学先の選び方(第6章)#4

オープンキャンパスや体験入学などで、情報取集すること(その4)

教員に直接、就職率や各種試験の合格率を聞いてみよう

 大学や専門学校などに進学し、大半の学生は卒業後に就職されると思いますし、資格取得を目指している大学や専門学校などなら、資格取得する前提で就職活動を行っていると思います。一部、大学院へ進学される方もいるでしょう。
 そんな中で、大学や専門学校などの進学先を選ぶとき、資格取得試験がる学校なら、その合格率、そして就職率はとても重要です。「〇〇合格率100%」とホームページなどに掲載されていることもありますが、それは本当に自慢できる素晴らしいことで、なかなか達成できることではありません。就職率も同じです。ただ、その数字を出すのに本当に全員がそうであるか検証することお勧めします。
 まずは就職率で「就職率100%」とホームページなどに掲載されているところがあったとしましょう。全員が希望する就職先に就職できたのなら大変素晴らしいことですが、それは皆無に等しいです。それでも「就職率100%」は凄いのですが、以下のようなケースがあるのなら、少々考えものです。
※これはあくまで想像の話です。

ケース①
【本人が就職を辞退する】
 本人が就職活動を辞退しているので、数としてカウントされません。
 
ケース②
【希望する就職先が決まらず、現在アルバイトなどをしていれば、それを継続する】
 例えば、希望する就職先の試験に落ちてしまい、また来年度にチャレンジしたいので、現在のバイトを継続する。したがってアルバイト先が就職先。
 
ケース③
【就職する、しないは別の話で、一つでも内定をもらえば就職となる】
 これは正当な話ですが、内定を取らせるために本人が不本意なところへ採用試験や面接を受けさせたりするのなら、少々問題。
 
 しつこいようですが、これはあくまで想像の話です。このようなケースが仮に本当なら、就職相談部門のノルマがあるからだと推測することもできます。やはり就職率は学校のピーアールとして重要だからです。本当に就職率100%なら素晴らしい事です。
 私の経験ですが、就職相談部門などの方々は、学生が学校を卒業して立派な社会人になってほしいため、本人の希望と併せて様々な就職先を勧めます。ですからとてもやりがいのある仕事です。
 でも、本当に本人がやりたい仕事、行きたい職場でないと、仮に就職させたとしても長続きしません。私も送り出した学生を見ているとそう感じます。逆に就職浪人して次のチャンスを待って、望んでいたところに就職した学生の方が長続きしているケースもあります。決して就職相談部門が悪いと言っているわけではありませんが、もし仮に就職率100%にこだわるばかり、学生に無理をさせているのなら問題です。
 また、「○○試験合格率100%」も大変素晴らしいことで、全員が受験して100%なら本当に凄いです。しかし、試験に合格する見込みがない学生を足切りしているのなら一長一短あり、こんな話は教育業界ではよく聞く話で、当たり前だという方もいるかもしれません。私もこの件については判断が難しいのですが、合格する見込みがないが学生を受験させるのは受験料がもったいないですし、わざわざ全体の合格率を下げるようなことは本当はしたくありません。
 ただ、毎年その判定時期が来て強く悩むのは「学生をここまで進級させてしまった責任は・・・」と罪悪感に浸ることも多々あります。卒業土壇場にきて、資格取得試験が受けられない、卒業もできないなんて事になったら、学生は本当に可哀そうです。もっと前(最終学年)にならないうちに「ある程度の印籠を渡していれば・・・」と強く思うこともあります。もちろん、外部などの実習で”不合格”になってしまえばどうにもなりませんが、やっぱり後味のいいものではありません。
 ちなみに私は、基本的に外部での実習に落ちてしまった学生以外、資格試験に合格する見込みが低くても、本人が希望すれば資格を受験してもらい、卒業もしてもらいました。だって最高学年まで、とりあえず単位を落とさず進級し、かつ外部の実習も合格しているのに、資格試験に合格する見込みがないからといって留年させたりするのは、私にはできませんでした・・・。
 このような考えだと”優しいいい先生”と思われるかもしれませんし、逆に「お前のような”甘やかす”教員がいるからこと、学生がどんどんダメになるんだ」と、お叱りを受けることもあります。ですが、このことは少々デリケートな問題なので、後編でお話ししたいと思います。
 話は戻りますが、就職率や資格試験の合格率を、是非とも入学相談部門などの方に聞くのも結構ですが、ここもオープンキャンパスや体験入学などで、直接教員に尋ねてみるといいでしょう。教員だって就職率や資格試験の合格率が悪ければ、管理職から「学生指導が悪いからだ」と言われ、在校生からも嫌味を言われます。どんな教員だって優秀な学生に入学してほしいですし、後からバレても嫌なので、嘘はつかないと思います。
 逆に、このような考えはないとは思いますが、万が一、入学相談部門などの職員方が「入学させてしまえば、後は教員の仕事だから」と考えていれば、少々問題です。
 是非とも教員や在校生に真実を聞いてみてください。
 
ひとこと
 何事も100%は凄いことですが、純の100%なのか、裏がある100%なのか、そもそも論で、100%が健康的な数字でないような気がするのは、はして私だけでしょうか・・・。
 また、最新の数字を確認し、もし系列校があるなら、系列校全体の平均数字であるケースがありますので、ご注意ください。

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