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読書『ハンチバック』と読了後のメモ

『ハンチバック』(著・市川沙央)読了。

冬に読んだ『凛として灯る』(著・荒井裕樹)で主人公だった「米津知子」の話題もあり、彼女がモナリザにスプレーをかけた歴史が「井沢釈華」のいる/いた現在につながっているのだ、と、ドシンと来る。
「健常者優位主義」に「マチズモ」とルビが触れらている箇所があるけど、刺さりまくる。
自分は「愛着がある」とまで言い切れないにしろ、本が好きだし、こうして時間や精神的な余裕があると読む。
その自分自身の何気なく「好んで」選択していることを、裏返される感覚は非常に辛くしかし、世界が広がった体験だった。
読書体験として『人喰い――ロックフェラー失踪事件』と同じぐらいの衝撃。
装丁の至る所にある「ハンチバック」のタイトル文字、全て曲がっている。

調べたら著者同士、文學界で「市川沙央⇄荒井裕樹 往復書簡「世界にとっての異物になってやりたい」」という企画がこの夏に始まっていて、気になる。

https://note.com/bungakukai/n/n3981d9af1052

“ 釈華が抱く中絶への願望をどう解釈すればよいのか戸惑いましたが、これは彼女なりの加害や摩擦への憧れなのかもしれません。重度障害者は自ら暴力をふるうことはできませんし、しゃべれない人は暴言さえ吐けません。にもかかわらず、生存自体が社会資源を浪費する加害的存在としてバッシングされる。もしかしたら、重度障害者は生きていること自体が「反体制」なのではないか。だったら、何が何でも生き抜いて社会自体を問いなおしてやろう。不自由な身体で世の中と摩擦を起こし、障害者が生きていることを知らしめる。自分はここに生きているのだと、周囲に見せつけ、自分自身に言い聞かせる――というのが青い芝の会のメンタリズムだったように思います。”

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