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【映画】岸辺露伴ルーヴルへ行く、をみた感想【ネタバレあり】

※一回見た個人の感想ですので感じ方、捉え方に間違いがあったら申し訳ございません。また、ネタバレもあります。
情報を入れずに見たい方はこの先を読まないことをお勧めします。

ジョジョの奇妙な冒険第4部の番外編、『岸辺露伴は動かない』がドラマ化し、そして映画になった
【岸辺露伴ルーヴルへ行く】
ここ数年年末のドラマを風物詩のように楽しんでいたのですが、それが映画になったというのなら見に行くしかない!というわけです。



ドラマシリーズの良さ

元々は【スタンド】という超能力を使ったバトル漫画(一部二部では違いますが、大まかには)だったものを、
【ギフト】という不思議な力を使える岸辺露伴が不思議な現象に巻き込まれていく、
という内容に変え、ドラマしか見たことない人でもわかりやすくしているのがこのドラマシリーズの特徴と思います。
私はこのドラマシリーズは関係者の原作に対する敬意、知識、落とし込みの深さ、無理のないコスプレ感が実写化を成功させたところと思います。
普通なら漫画っぽい格好は浮くはずなのにそれを実写化に落とし込んでいます。


凄みをわかりやすく変換するところ

最もこのドラマで見てほしいところは、
【分かりやすさ】という点です。
原作漫画や番外編には勢いと凄みで解決するところがあります。(もちろん全てではない)
それらには分かりにくいところがあっても、
「なるほど!その手があったのか!!」
と思わせるような説得力があり、惹きつけられる魅力が感じられます。
ただ、漫画では良くても、実写化したときに
何か違和感があるものを、上手くオリジナル展開で変にならず、更に分かりやすく、突破する達成感というか開放感のあるエンディングに向かうスッキリする感覚を味わえる作品です。
というのがドラマ版岸辺露伴は動かないの良さと考えています。では映画の話です。

映画のあらすじ

相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を備えた漫画家・岸辺露伴。青年時代、露伴は淡い思いを抱いていた女性から、この世で最も邪悪な「最も黒い絵」の噂を聞いた。それから時がたち、その絵がフランスのルーブル美術館に所蔵されていることを知った露伴は新作執筆の取材と、かつてのかすかな慕情のためにフランスを訪れる。しかし、美術館職員に「黒い絵」の存在を知る者はなく、データベースによってヒットしたその保管場所は、今はもう使われていないはずの地下倉庫「Z-13倉庫」だった。

映画.com参照

この作品しか見た事ない人でも楽しめるように最低限の説明が作品内でされていますので知らない人でも安心してみることができます。

人間らしい岸辺露伴の内面性について

何というか原作の岸辺露伴は「とんでもない奇人変人!」って中に人を想う心があるという風に感じていました。(良く言えばであり、んなこたないただの自己中だと言われればそれもそう)
回を追うごとに内面性を掘り起こされていくためそれが更に分かるのかなと思うのですが、ドラマや映画版では漫画より更に巻き込まれた人たちを思いやるところがより強く出ているかなぁと思います。私がそう感じているだけですが、言い方は悪いですが人に近い存在になっているのかなという感じです。

もちろん漫画に対する思いというのは人一倍・・・いや100倍くらいあってそのためならどんなことでもするというところはあるのですが、横柄な態度をするところはあるものの、漫画に対して真摯であるが故の行動という感じがします。
そして今回の映画で言えば、助けられる人を助けているのもありますが、祖母のレンズの小さなサングラス、これは人間らしさを語る上で欠かせないところだと思います。

多分こんな感じのサングラス

少年時代を話すときに出てくる祖父母が掛けているもので、なんてファンキーなババアなんだ!と思うところなのですが、映画版ではそれを大人になった露伴も付けているのです。なんてハイセンスがないと付けられないサングラスなんだ!誰も付けねえわ!と思っていたやさきに露伴が掛けているのを見て、ああ・・・似合う人おるやん・・・というか祖母と同じタイプのサングラス掛けてるなんて祖母のこと大好きだな・・・なんて感じましたね。
祖父母のことも思い出したことだし、パリに行くついでにせっかくならかけるか、みたいな感じなんでしょうけど似せたスタイルをするってことは好きじゃん・・・などと考察してました。

エンディングのニュアンス変更について

原作漫画でのニュアンスではまだどこかにあるかもしれない、といったホラーな要素があったかと感じています。それ自体もルーヴル美術館というものがそれだけ謎に満ちた場所、不思議に出会える場所という感じがしますが、
映画では燃えて無くなったという違いがあります。だからこそ過去からの攻撃が無くなって何とか助かったという風にとらえられると思うのですが、
私はその方が「分かりやすく」「納得しやすい」と感じました。
原作通りだと記憶をいったん消しても思い出したら終わりでは?などと思っていたので結末をすんなりと理解できました。
また、進行順も変わっています。山村仁左衛門の説明が漫画では最初の方に、映画では最後にきます。これが後日談という風にとらえることができ、なぜこの絵には邪悪な思いがのっていたのか、なぜ黒なのか、謎が解明されスッキリしました。
と言っても、ご神木からなぜどす黒い樹液が?とかは分からないのですが、それは知らなくていいことかなと、追い求め続けたものに偶然巡り合い怨念が乗ったことで出来た絵画なのかなと考えていました。
ただ、絵画の怖さは映画の方が強いです。見えたときのインパクトは計り知れないものがあります。ぜひこれは映画館で見ていただきたい。
原作はなんだかスタンド感がありますが、映画は本当に念のこもった作品となっています。

感想書き殴り

正直原作は特別編なのでかなり短く、ルーブルにすぐ行くため60分くらいの簡単な映画になるかと思いきや、120分程ある映画になっていたのは驚きました。
新エピソードというかオリジナル展開が邪魔にならずにこの不思議で奇妙な世界観をより引き立てるような展開で満足感の高い作品でした。
故買屋の存在も知れたし自分の知識の無さには悲しくなるところもありますが、見て良かった内容でした。

役者で言えば高橋一生が岸辺露伴にマッチしているのが驚きです。ヘアバンドだってあんな形のものが似合うわけ…似合うし、声だったり仕草だったりがいけすかない奴を醸しだす、何度見ても実写化がうまく行っているように感じるのも高橋一生があるからだと思います。

それと担当編集の泉さんはどうなってるんだ…?作中最強の存在なのか…?そこらはギャグ補正なんだろうけど。鬱陶しい人であることは間違い無いし、常識人かと言われるとそうでも無い。結局普通の人なんてこの作品にはいないわけです。

更にいうなら菜々瀬という謎の女性、これはもし学生の頃そんな親戚がいたら情緒ぐちゃぐちゃになっちまうよなぁ…とそんな魅力のある女性でした。こちらを肯定したかと思えば否定し、そしていなくなる…一夏とは言えど印象残りまくりでその後の人生に影響出るよね…

と最後は思ったことを書き殴りました。一回しか見ていないので覚え間違いもあるかも知れません。そこは申し訳ないです。
ただ!ジョジョが好き、岸辺露伴は動かないが好き、というのであれば見て満足できる作品だと思いました!

年末また岸辺露伴は動かないがまた見られるのでは?とワクワクしながら今年を過ごしていたい。

※9月26日追記
9月22日からAmazonプライムビデオで実写映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が配信開始となりましたので追記しました。
改めてみるとお前だけの解釈では?という記事ですが最後まで見ていただきありがとうございました。

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