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山の本

山について書かれた本が、好きだ。

自分自身は山にはほとんど登らないのに。山には、人の言葉を強くする魅力があるような気がしている。

山小屋での過ごし方、テントから感じる外の気配と、自然の中の空気、ただ長い道のりを歩いていく道程、ガレ場のひんやりとする緊張感。いろんな感覚が広がるせいだろうか、静かな山のなかで、火のゆらぎや土のにおい、風や水の音、そのなかでとても繊細な言葉になって磨かれていく。

山も、街も、同じように時間は流れていく。山は遠く険しいもので、はるか向こうに薄く影のようにみえる。なかなかそこまでいけないけれど、本を読むだけで、街にいる私に、少しだけ山の時間を与えてくれる。あまり体力はないけれど、いつか山に行きたい、と思う。思いながら、憧れを持って街で私は本を読んでいる。

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