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大阪のブックオフを語る

こんな本を読んでしまったら、語るしかない。

私は週に一度はブックオフをパトロールしなければ気が済まないほどには、ブックオフ中毒に罹っている。

本好きにとってのブックオフは基本的には敵だ。行き場を無くした本の終着点でもあり、処分場でもある。だから、私はそこから本たらを救わなければならない。ブックオフで本を買うことを『救済』『救出』などと表現する物好きが私だけではないことをこの本で知って安心している。ともかく、だからブックオフには通ってしまう。そして、私は敵であるブックオフに育てられている。

ブックオフ論は語ること尽きないので、ここでは私がよく行く大阪のブックオフについて語る。

なんば戎橋店

繁華街にある大型店。とにかく広いので、一巡するだけで2時間近くかかる。比較的専門書が充実してたり、洋書も充実してたりと、大型店特有の楽しさがある。ここでは社会学、哲学系の本を買うことが多い。

大阪心斎橋店

だいたい心斎橋を歩くときは、ここ心斎橋店を起点に、心斎橋アセンス、スタンダードブックストア、そして上記のなんば戎橋店というコースで歩いていた。このコースを歩くと半日以上かかる。

大阪心斎橋店は縦に長い。地下の絵本、児童書コーナーをざっと見て、1階のマンガはスルーして2階、3階と人文書を漁る。ビジネス書が多いけれど、だいたいハズレ。ビジネス街が近いせいだと思う。文庫や人文書を買うことが多い。

大阪難波中店

なんば駅にはなぜか反対側にもブックオフの店舗がある。目立ちにくいせいか、掘り出し物も多い。ここは、中目黒の店舗に店の造りも雰囲気もよく似ている。心なしかサブカルジャンルが充実している。

天王寺駅前店

ぐるぐるの螺旋階段が店の真ん中にある、古びた店舗。雑誌コーナーにさり気なくリトルプレスが混ざっていると嬉しくなる。ここもやっぱりサブカル系が充実している気がする。そういう土地柄だろうか。

江坂駅前店

棚の位置をほぼ全て把握している店舗のひとつ。外国文学、詩、科学系の本などに掘り出し物が多く、家事、ライフスタイル、料理本の層が厚い。江坂駅はスーパーの激戦区でもあるほど、生活者が多い街なのだ。

吹田関大前店

参考書が多いのはもちろん、子育て世代も多いようで、こっそりと絵本が充実している。専門書はめぼしいものはだいたいすぐ売れているよう。学生の街らしく、雑誌が多くて楽しい。

吹田駅前店

こちらも生活者の色が濃く出ていて、料理本がやっぱり面白い。あと写真集。生活と地続きの商店街を抜けた先にある店舗。

箕面市役所前店

たぶん大阪で一番といっていいくらい掘り出し物の多い店。レトロな店内も魅力あるし、良書がぽんぽんと転がっている。箕面市民すごいな、と思う。なぜか値付けも甘い気がする。2階には美術、デザイン書だけで作られた小部屋のようなコーナーがあって夢のよう。だいたい大量購入してしまうから、気合いを入れて臨むべし。


鶴橋店など潰れてしまった店も多いけれど、大阪にはブックオフが多くてパトロールに飽きない。だいたい、なんにも収穫が無くてガッカリして帰ることのほうが多い。それでも、何度でも足を運んでしまう。そうして無心になって棚をなぞる。砂浜でコーミングするように。


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