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食べかけのドーナツ

ときどき、ドーナツが食べたくなる。あの丸くてふわっとした形はずるい。最近のドーナツは色とりどりなチョコレートがかかってたり、形も不思議だったりする。でも私はチョコレートのこのドーナツが小さな頃から大好きだ。

娘がもっと小さいころから、ドーナツ屋さんはちょうどいい休憩場所だった。散歩して、公園で遊んで、ドーナツ屋さんでキッズセットを頼んで、帰ってから家でセットのおまけでまた遊ぶ。休日の定番コースだった。


ところで、イベントやコミュニティを執り行う界隈では、「食べかけのドーナツ」の作法がある(本当にあるかは知らないけど)。パックマン方式と呼んでる人もいたが、私はパックマンをよく知らない、ごめん。

出来上がった輪の中には入りにくいけれど、そこに入れるすき間があるとスッと入っていける。なにかのコミュニティでも飲み会でもそうだ。懇親会や立食パーティーで何組かの輪ができあがっていても、一人分のスペースを必ず空けて、輪を作る。食べかけのドーナツみたいに。

内輪だけで盛り上がるコミュニティを外から見てるときほど気持ちの冷めるものはない。そういうコミュニティに知らず知らずに属してしまう怖さがあって、ときどき周りを見渡し、そっと席を譲ることもある。

そこに入っていけるすき間を作る。物理的にも心理的にもそれが大事で、そういうコミュニティはなんだか温かいし、きっと長く続く。そんなことを考えている。ドーナツはいつも奥が深い。



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