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なんとなく疲れてるときに撮る空

ふと立ち止まって、空を撮る。

なんとなく疲れているとき、ポケットからさっとスマホを撮りだして、画面もろくに見ずに空を撮る。空を仰ぎ見ると、雲の形はきれいで、広くて、どこまでも高い。

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ふだん、空をゆっくり見ているだろうか。ずっとオフィスにいて、家にいて、狭い世界の中でいろいろな悩みを抱えている。本当は、もっと空を見ていたい。

誰だって、いつだって、調子の悪いときがある。疲れているときもある。そういうときに見る空ほど、とてもきれいだ。

反対に、足元を見るのが怖い。同じ視線にあるのは、マスク姿の人、人、人。こんなに空は青くてきれいで、広いのに、どうしてこんなに狭い道をたくさんの人はお互いを避けながら、歩いているのだろう。足早に歩く人の速さについていけない。足元の世界は、みんな何かと戦っている気がして、息苦しい。自由に空を飛べたらいいのにね。

スマホのなかで四角く並べられた写真を指ですっと動かしていく。空や夕陽や、ただの歩道や看板や信号待ちのときの何でもない写真が多いときは、きっとそういう気分だったんだな、と思い返すことができる。

風は少しずつ柔らかくなって、秋を連れてきている。立ち止まって、空を撮るあいだにも、時間は少しずつ進んでいく。

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