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私が「ヘアドネーション」をする理由

私は今髪の毛を伸ばしています。
現在の長さは腰あたりですが、目標はお尻あたりまで。
なぜなら50cm以上のヘアドネーションをしたいからです。

ヘアドネーションとは

今では多くの有名人が行っていることで知名度が上がってきているとは思いますが、病気などで髪の毛に問題を抱えている子供たちが使用する医療用ウィッグに使うための髪の毛を提供する行為のことを言います。

服や帽子などが成長にしたがってサイズが合わなくなっていくのと同じように、頭にかぶって使用する医療用ウィッグも成長とともにサイズが合わなくなってしまいます

ですが、医療用ウィッグはとても高価です。

そんな費用負担が少しでも軽減できるようにと始まったのがヘアドネーションで、私は一度40㎝の髪の毛を寄付しています。

なぜ50㎝以上を目指しているのか

ヘアドネーション自体は15㎝以上あればできるそうですが、医療用ウィッグとして使うには30㎝以上が必要となるのだそうです。
医療用ウィッグを作るには、提供された髪の毛を二つ折りにして使用するためです。

地毛で30㎝の髪の毛と言ったらロングスタイルですが、その半分の長さになってしまうとショートスタイルになってしまいます。

ところが、医療用ウィッグではロングスタイルの希望者が多く、なかなか需要と供給のバランスがとれていない状態だそうです。

50㎝以上の提供が少ない理由

私の実感ですが、30㎝以上になると髪の毛のからみや洗髪のわずらわしさなどの普段のお手入れが格段に面倒になってきます。
また、歳を重ねてくると白髪が出てきたりするでしょう。

私は現在40代前半。「せっかく寄付するならできるだけ白髪のない状態で長い髪の毛を寄付したい」。

そう思うと、今回の寄付が白髪が入っていない状態で寄付できる最後のチャンスだと思うようになりました。
なので、切りたくなる衝動とたたかいながら伸ばしています。

不純な動機で始めたヘアドネーション

私の髪の毛は丈夫なようで、昔から「髪の毛がきれい」とよく言われていました。
ストレートでつやがあり、いわゆる「天使の輪」もできるような髪の毛です。

ですが、私は自分の髪の毛をいまだにうまく扱えません。

髪の毛をいろいろアレンジするのも苦手ですし、髪の毛をおろしているのも苦手です。

ショートカットにしたり、カラーリングをしたり、パーマをかけたりと美容院に頻繁に通っていた時期もありましたが、基本的に美容院に行くのはおっくうに感じます。

美容院に通うのが少なくて済み、自分がケアできる一番良い方法が、結べる長さに髪の毛を切ってもらい、そこから伸ばし続けていくスタイルでした。

20代の頃長かった髪の毛をばっさりと切ったことがあり、当時の美容師さんに「髪の毛の寄付ってできませんか?」と聞いたことがあります。

その時の答えは「何も手を加えずに伸ばし続けた髪の毛じゃないとダメ」だったため、その後はヘアドネーションについては調べることもありませんでした。

30代の半ばに髪の毛を長くしていても大丈夫な生活に戻ったころに、小児用医療ウィッグのためのヘアドネーションがあることを知りました。

それからは自分が美容院に行かない口実として「ヘアドネーションしたいから伸ばしている」と使うようになりました。

これが不純な動機です。

そうやって言い続けているうちに髪の毛が伸びて、実際に寄付をしました。

ヘアドネーションは私のエゴ

ヘアドネーションという言葉が浸透してきたからなのか、世の中が変わってきているからなのか、私自身が周りの声をあまり気にしなくなってきたからなのか、明確な答えはありません。

ですが「ヘアドネーションしたい」という一言で、その他の一切の弁明も説明も不要になったのは、気持ちがとても楽になった気がします。

そんな不純な動機でしたが、実際に寄付をしたことで誰かが喜んでくれ、私の気持ちが救われたなら、win-winで良いのではないでしょうか。

最初は不純な動機でしたが、今回はもっと欲が出てきて50㎝以上の髪の毛を寄付したいと思うようになったのです。

必要なのは「長さと切れない程度の丈夫さ」のみ

医療用ウィッグを作る際に化学薬品の処理をするので、見た目がきれいな髪の毛である必要は全くなく、白髪の髪の毛でも長ささえあれば寄付は可能です。

だけど私は「人にあげるならきれいな状態であげたい」という思いから「きれいな髪の毛だね」と言ってもらえる状態を保つために、ケアをするようになりました。

きれいな髪の毛とは健康な髪の毛のこと。
40代になっても健康な髪の毛を保つためには、お金も時間もかけなくてはいけませんが、ヘアドネーションをするという目標は自分の健康を意識することにつながっています。

エゴであっても寄付は寄付

私にとってヘアドネーションとは、与えるだけでなく与えてもらうことでもあります。だからwin-win。

だけど完全なる私のエゴだと思っています。

以前は寄付という言葉に対して「偽善・上から目線」とネガティブなイメージを持っていましたが、ヘアドネーションをしてから自分の価値観が変わりました。

言葉を選ばずに言えば「与える方がエゴであっても、もらう方にはまったく関係ない」。

もしかしたら私のように、エゴを受け止めてもらって救われている人もいるのかもしれません。

今回のヘアドネーションをした後、また寄付するかどうかは未定です。

ですが寄付がエゴであっても良いと思えるようになったので、世の中のさまざまな寄付に対して興味がわいてきました。

今後は私のエゴを受け止めてくれる寄付があったら、迷わず参加しようと思っています。

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