見出し画像

車と交通事情(その2)〜肩を張らずにフランス36

ガラリと話を変える。

皆さんは「無免許で乗れる車」をご存知だろうか?

完全に矛盾する「無免許」と「車」を引っ付けただけのように聞こえるが、これが実在する。

写真だと普通の小型車に見えるが、実際には二回りほど小さい。最高速度も時速50km。馬力は知らない。

普通自動車を運転する人たちから « pot de yaourt »ヨーグルト容器と揶揄されるこの車。はっきり言って交通の妨害になっている。そもそも時速90kmのところを50kmで走られたら誰もが邪魔に思う。追越車線がないところではイライラするばかり。幸いなことに自動車専用道路への乗り入れは禁止されている。

ヨーグルト容器と言われる理由は他にある。そもそも安全設計されていない(最近ではマシになったかも?)ので事故を起こすと文字通りべシャンコになるからだ。

なんでこんなケッタイな車が存在するのかというと、一つには免許停止か剥奪を喰らったから。二つにはそれにも関わらず自宅が何をするにも遠すぎてどうにも車が必要だから。

個人的には一度も乗ったこともなければ、乗っている知人もいない。「無免許」でも保険は必要だろうと思うし、何かしらの研修もあると思うけれども定かでない。一つだけ言えるのは、こんなやわな車でも普通車と同じくらいの値段だということ。自分がこの車のお世話になることのないよう安全運転を心がけようと思う。

安全運転というと、スピード違反と駐車違反。

スピード違反で罰金を喰らったことのない人はいないだろう。忘れた頃に違反通知の手紙が届く。少しのオーバーなので罰金も大したものではないし、すぐに払えば減額もされる。ただし1ポイント減。

"Radar" スピードカメラ

フランスの免許は生涯免許。日本のような更新制度はない。

腰を据えることになると分かった時、日本の免許をフランスの免許に交換してしまった。更新のないのは非常に楽。30年ほど前の写真がそのまま張り付いている。これでも身分証明書代わりになるんだから面白い。

さてフランスの免許はポイント制。12ポイントあるうちから違反がある度その重度によって減点される。

生涯免許なのに減点されたらそのうちポイントがゼロになるんでは?

ご心配なく。さっき言ったような軽度の違反な場合は1ポイント減点。でも6ヶ月無違反なら戻ってくる。

ポイントゼロにならない限り運転はできる。それでも何かヘマをしてゼロになると免許の取り直しとなる。

ポイントが怪しくなった人には救済制度もある。年に1回3日間の安全研修(有料)を受けることで4ポイントもらえる。残りが1-2ポイントしかない人には嬉しいシステム。そこまでポイントがなくなるような事をするなということなのだが。

今と昔の免許証

日本以上にフランスは車社会。環境破壊と言われても公共機関が整備されない以上致し方ない。ガソリンから電気へエネルギーが移ったところでその電気を作るのがまた問題になる。

今の時代を生きるわれわれの世代は、決定的な解決策がないまま移動手段とエネルギーに悩まされそうだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?