見出し画像

【Spin-off】パパによる #ワンオペ育児 のすゝめ

この日曜日(1月19日)まで、妻は #スイス で出会った日本人の #ママ友 3人でデンマーク・コペンハーゲンへ2泊3日の旅行に出かけていました。言い換えると、僕はスイスに来てから初めて、妻不在の週末を子供とともに過ごす #ワンオペ育児 を経験しました

日本の感覚では育児ができない

日本にいるときは妻とフルタイムで共働きをしていたので、職場のお付き合いなどがあればそれぞれお互いに一晩だけのワンオペ育児はよくしていました。日本の場合、料理をする元気がなければ、ファミレスに連れて行ったり、テイクアウトのお弁当を買ったりできるので、妻なしでも一晩くらい難なく過ごせたものでした

当時、僕は残業も出張も多かったので、妻はよくワンオペ育児をしてくれていました。イベント前になると終電の帰宅は当然でしたし、1泊2日の単発出張も頻繁にありました。スポーツイベントの期間中は、週末をいれて5日間、国際大会で海外出張になれば10日近く、長いときは1ヶ月以上家をあけていました。子供ふたりを保育園や学童保育に預けていたとはいえ、妻の方が働きながらワンオペ育児する機会が多かったことには間違いないです。なので、妻が時間が欲しいという時にはできるかぎりの協力をしてきたつもりです。もちろん、彼女からしたら全然足りないとは思いますが。。。

さらに、スイスにきて、妻は専業主婦となり、食事の準備や子供の送り迎えなど、毎日代り映えのない日々を過ごしています。というのも、スイスの公立学校では給食がないため、午後まで授業がある日は、昼休憩の時間にいったん子供を学校に迎えに行き、ランチを一緒に食べて、そしてまた時間になったら学校に送り届けなければなりません。もちろん有料で送迎してくれるサービスもあるのですが、枠は有限ですし、ウェイティングに入れてもらっても共働きの夫婦が優先されますし、なにより高額なので我が家は利用できません

娘の場合、昼の迎えが11:55、午後のスタートが13:40、午後セッションの終わりが15:15ですので、迎えの前にある程度ランチの支度をして、学校に迎えて、家に帰って、ご飯を食べて、またすぐに学校に送り届ける。そして、小1時間もしたら、また学校に迎えにいくという流れが週3日もあります。僕もやったことがあるのですが、車をもっていないですし、我が家から学校までは2km近くあり歩くには遠いので、公共交通機関(バス)のタイムテーブル(1時間に4本)も考慮すると、息をつく暇もないほどハードスケジュールで自分の時間などないのです。僕の夢のために、毎日文句も言わずに、たくさんの犠牲と我慢をしてくれて、妻には本当に感謝しかありません

画像1

なので、#コペンハーゲン の旅はとても楽しみにしていたようです。僕も計画を2ヶ月ほど前に聞いた時、最初は「え、マジ」と思いました。それは、コペンハーゲンという場所に行ったことがないので、羨ましいという嫉妬(笑)と、ひとりでワンオペ育児できるかという不安でした

スイスには日本のように気軽にいけるファミレスやテイクアウトのお店がそんなにありません。しかも、価格は日本の倍以上で、かつクオリティも満足のいくものではないので、我が家は朝昼晩のほぼ毎食を自炊しています。また、スーパーやお店は平日19:00、土曜18:00には全て閉店し、日曜日は中心部以外は休業します。24時間営業のコンビニはガソリンスタンドまで行けばありますが、歩ける距離にはないので、買い物にタイムマネジメントが必要になるのです

もともと我が家は日本にいる頃から、週末に1週間分の食材を購入して、平日はよほどのことがない限り財布を開かないという生活をしていました。また、日本のようにネットスーパーも発達していないので、スイスに来てもなお、このスタイルが我が家には最適のようです。この類の #スイス生活 に関することは、別記事で詳報します。いずれにせよ、日本の感覚では通用しないワンオペ育児が僕の大きな不安であったことは間違いないです

ワンオペ育児のmy心得

手前味噌ですが、日本にいた頃から僕は #イクメン 推進派でしたので、自分の父親のように台所に立っても箸の場所が分からないということはありません。味はともかく、料理は僕の趣味ですので、自炊することには全く負担を感じていません。それから、日頃から家事も協力(妻からすれば、全然足りないとは思いますが。。。)していますので、洗濯・掃除・お風呂などについても、特段の不安は感じていませんでした

それから、僕なりに考えていた今回の妻の旅のコンセプトは、退屈で思い通りに過ごせないスイスでの生活を離れ、育児を忘れ、気のおけない日本人ママ友と一緒に、日本で生活していたらなかなか実現できない #ヨーロッパの女子旅 を、思う存分に楽しんでもらうことです

ワンオペ育児中、僕は妻との連絡は一切しないと、日本にいる頃から決めています。妻がひとりの時間を遠慮なしに楽しむためにも、家族とオフラインになることはとても重要と考えています

当然ですが、パパはママの代わりにはなり得ません。だからこそのパパ育児の難しさは、子供の実現不可能なわがままと、意見の対立です。たとえば、「ママに会いたい」と言い出されると、完全に為す術がありません。それから、「今夜はチャーハンにします」と自信をもって宣言すると、「パスタがよかった」と異なる意見を出してくることがあります。これも、大概は事前リサーチ(例:「今夜はチャーハンが食べたい」と午前中に聞き取り済み)に基づいてメニューを決めたのに、プランにない意見を出してくると、ついカチンと来て強い口調で反論してしまうのです。そんなやりとりをするうちに、「ママ、ママ」と泣き出してしまうと最悪です

今は、インターネットがありますのでコンタクトしようと思えば簡単にできます。しかしながら、妻とオフラインでいるこのルールを僕は破りたくありません。なぜなら、妻に連絡したところで、子供が満足する可能性は低い_余計に会いたくなってしまうかもしれませんし、子供が「ママに会いたい」というわがままを言えば、連絡してもらえると勘違いされても困ります。妻の立場からしても、連絡をもらったことで家族が心配になってしまっては、せっかくの楽しい時間を台無しにしてしまいます。オフラインに徹することで、子供にもパパだけと過ごす機会があることを理解してもらい、一緒に楽しんでもらいたいのです

さて、子供のこういったわがままの場合には、まず妻がWi-Fi環境にいないから連絡しても繋がらないと伝えます。もちろん、これで納得することは相当低い確率ですので、次はおやつかジュースで忘れてもらいます。これも、子供の体のことを考えると健康的ではないので、1日1回だけと決めています。わがままを言えば、なにかもらえると思われても困りますので。。。

父親になってもうすぐ12年が経つのですが、育児に関しては今も試行錯誤の繰り返しです。この間はうまくいったのに、今回はうまくいかないとか、上の子には効果があったのに、下の子には効き目がないとか、日常茶飯事です。なので、些細なことでイライラせずに、失敗と成功を繰り返しながら、しかもそれを楽しみながら、子供が日々成長していくように、父親_僕自身も新しいことにチャレンジして進歩できるように心がけています

それから、子供がやりたいと言ったことには反論せずに、全力で付き合うようにも心がけています。息子はレマン湖ほとりでまったり過ごすのがお気に入りですし、娘はクリスマスプレゼントで買った自転車がマイブームのようですので、自発的に遊びたいと言い出した時には、たとえ気が乗らなかったとしても、「よし、行こう!」と自ら奮い立たせて、湖沿いの公園まで行って、一緒に遊ぶのです。パパが笑顔だと、子供も自然と笑顔になります。単純なことなのですが、これが結構アラフォーにもなると、言うは易く行うは難しなんです笑

いざやってみると、収穫ばかり

迎える前は不安だらけだったスイス初の #週末ワンオペ育児 ですが、実際終わってみると、とても楽しく、とても有意義な時間で、発見ばかりだったように振り返ります

画像2

金曜日の旅立ちの日、フライトは幸い夕刻でしたので、午前中に妻の協力を得て、ルーティンの1週間分の食材調達をしました。これで、妻の不在中に買い物に行く心配がなくなりました

家に戻って、買ったものを片付けて、気づいたらもう迎えの時間になってしまうのです。一服する間もなく、作り置きしておいた弁当を持って娘を迎えに行き、付近の #EPFL (僕の大学院)のカフェテリアへ行き、一緒にご飯を食べて、また学校へ送り届けました。情けないもので、この時点でいつも結構ヘトヘトになります。そして、この昼食終わりのタイミングで妻も空港に向かうため、しばしの別れを告げました。チャレンジの始まりです

家族交流している娘のクラスメイトで、台湾とフランスのハーフの子がいるのですが、そのお母さんが妻と仲良しで、今回の旅行のことを知り、午後の迎えは車で我が家まで娘を送り届けてくれると提案してくれたのです。雨も強く降っていたので、本当に助かりました。妻と彼女のおかげで、僕は少し昼寝ができて、週末に向けての体力温存に努めることができました

予定通りの時間に娘を家まで送ってもらい、16:30には息子のスクールバスが自宅に到着します。息子は知的障害があって、スイスの特別支援学校に通っています。ここでは詳細は割愛しますが、息子のスイスでの生活については、妻のブログで詳細に記録されていますので、ご興味ありましたら下記よりぜひアクセスしてください。僕も、息子の成長については、このnoteで詳報したいと思っています

その後は、夕食を食べて、お風呂に一緒に入って、歯磨きを手伝って、スヤスヤ眠ってくれました。金曜の夜はふたりとも疲れているようで寝つきもよく、ママを恋しく感じることもなかったので、寝かせたあとは、自分ひとりの時間も過ごすことができました

2日目の土曜日。休日の朝は寝坊してゆっくり過ごし、お昼には娘が一緒に遊びたいといったクラスメイトと事前に約束していたので、お弁当を作って湖畔でピクニックをしました。そのあとは、今 #ローザンヌ で開催中の #ユースオリンピック冬季大会 でたくさんの体験アクティビティが中心地で行われていたので、そこへ一緒に行ってスキー体験などで楽しみました。偶然ですが、一緒に過ごしたパパ_スイス人も、奥様の都合でワンオペ育児をしていたので、父親視点の子育てや子供の成長のこと、プライベートや仕事の話もしたりして、とても充実した時間でした。子供同士で無邪気に遊ぶ姿も微笑ましかったです

最終日曜日。妻と一緒に旅に出ているワンオペ育児中の日本人パパ友3人とその子供7人で、前述のユースオリンピックのスキージャンプ競技を見に行きました。パパ友のひとりが学生時代にスキー部に所属しており、山に疎い僕に色々と持参物などのアドバイスがあったので、寒い中でも楽しく観戦することができました。会場もキッズフレンドリーな造りで、観戦エリアの近くに子供だけで楽しめる雪山があったので、子供たちの遊ぶ様子を見ながら、スキージャンプも楽しめるという最高の空間でした。パパ同士では、競技の観戦だけでなく、育児や仕事のことなど、ここでも色々と情報交換でき、前日同様に実りのある時間でした

その帰宅後は、妻があまり好まないチーズフォンデュを3人で頬張り、お風呂に入ったあとは、寒さの疲れもあったのか、みんなで泥のように眠ってしまいました。妻のフライトは23:00着で、自宅到着は深夜をまわるとのことだったので、お言葉に甘えて、お迎えなしで先に寝てしまいました。そして、目覚めた時にはあっという間に月曜の朝だったのです

ワンオペ育児の達成感が家族を変える

目覚めた子供たちは、ずっと会いたくて我慢していたであろうママにやっと会えて心から嬉しそうでしたし、なにより、見たことのない生き生きとした妻の笑顔をみて、僕も幸せな気分になりました。そして、#ママ友女子旅 がよほど楽しかったようで、「ありがとう」という言葉にも、いつも以上の感謝が表れていて、なんだか誇らしく感じました

今回の週末ワンオペ育児を通じて、スイスの退屈な生活のなか家族を支えてくれている妻のことを、慣れない環境の中でも確かに成長している子供のことを、そして、家族は当然ながら、友人や仲間の支えもあって自分が今ここで生活できていることに、僕自身も改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。家族全員が成長してまたいつもの形に戻ると、お互いを愛おしく、より必要な存在として感じるようになりました

パパもママも、ワンオペ育児は大変ではありますが、子供との距離がグッと近くなり、日常生活では気づけない彼らの成長を発見することができます。彼らもまた、パパの_ママのいない生活を理解し、それを楽しむキャパシティを身につけることができるようになります。さらに、パートナーのありがたさと、父_母としての偉大さを再発見することもできます。僕の場合、パパだって、ひとりでも子供の面倒がみられるんだという自信につながりました

僕はまた妻に家をあけてもらってもいいかなと思っています。そのためにも、家族がハッピーでいられるよう、スイスでの生活基盤をより強固にしなければならないと再認識する経験でもありました

不定期更新ですが、サポート・フォローよろしくお願いいたします 他愛ない家族とのローザンヌ生活は、インスタしています Instagram_@yukif826 プロフからFB、Twitterにもアクセスできますので、こちらもフォローお願いします