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1人で誕生日過ごした日(21.8/1~7)

日曜日
ろくに食べていないと空腹で目が覚める。スマホを置いて人間の生活をするまでに3時間かかった。人間の生活とは靴を泡でこすること、白さがまぶしいぜ。
辰巳JUNK『アメリカン・セレブリティーズ』をパラパラと読み、ごみを捨てる。ファミマでポップコーンとペプシを買って、夕方から『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を見た。
最後タイトルが出るところが好きだった。「・・・」と「Hollywood」が出るまでの間がロマンチック。ボブがこの作品をテーマにいつか書いた文章はどこで読めたか。宇野さんの評を読んでみたりしたけど、そんな分かりやすくしないでいいやと思った。藤本タツキ『ルックバック』きっかけで見た部分もあるのだけど、物語や創作の力、みたいなものを賛辞する声が多きいほど細部の美しさは自分の目に焼き付けるしかないなんて当たり前のことを思う。ボブを思い出したから連上半期のプレイリストを貰った。
21時で、この後まだ何かを見るか、本を読むか、何か書くか、考えようとプレイリストを聴きながら外に出る。音楽はやがて『サンドリ』に猛烈中学生こと烈海王が1年ぶりにゲスト出演している放送に代わり、楽しいゲームに笑いながら歩いた。
コンビニでビール、コピー機からオルタナ旧市街地の台湾旅行記を印刷する。こういうひと時に、印刷したコピー用紙に込められた情熱をラフに読んで部屋に放り出す感じが好きだ。ネップリはアララでもやりたかったこと。

ずっと体調を崩していて気づかずにいたけれど、復調したいま、一人で部屋で過ごしているその新鮮な感覚は一日で過ぎていき、誰とも会えない、なんなら誘いも何件か断っている自分が可愛そうで仕方ない。
梅シロップをソーダで割ったら案外イケて、酎ハイもつまらないかとジンと混ぜたら味が定まらなくて失敗。二回り小さい瓶もあったのに、デカいジンをどう飲もう。試行錯誤を楽しめそうな予感もせず冷蔵庫を閉める。買っておいたレンチうますぎ。急ぎ欲しいのはガラスの灰皿とジョッキ。
尽くすほどの言葉を持ち合わせていないなかで生きるには、今の社会はあまりに濁流で、武器を持たなくてはいけない。

昨日、東京の感染者は4000人を超えた。

月曜
らちが明かないから直接会議しよう=状況と情報をしっかり説明してくれ
と始まった会議は2時間半後に終わる。状況と情報をしっかり吸い上げてまとめる能力に欠けているのか、それが自分の仕事だと気づいていないのか、あまりに多忙なのか。モニターに映る顔からは何も読み取れない、こういった手合いはいつもケロッとしてる。ケンドリック・ラマー『To Pimp A Butterfly』を聴く。

<三輪亮介の本について、パソコンに書いて保存してるよ、チンして食べて>


火曜
上司からの電話で目が覚める。在宅で余裕こいて寝ていたら1時間後から急ぎの会議、急いでシャワーと朝食を済ませた。明後日のお戻しお願いしますという言葉で20時に別れ、22時にはすみませんやはり明日中でお願いしますのメールが来ている。仕切るということがどれだけ大事か、自分の生産性、ひいては休みや時間を作るために必須なのだとよくわかる。相手だって22時までメールなんか打ちたくないだろうに。
まとまりきらない質問がダラダラ続く会議をすまして資料つくってメールだ電話だしていたら15時頃。冷凍炒飯を食べて、本を読んでいたらウトウトしてきてスマホ握りしめて1時間半くらい寝てしまった。
夜になって、野菜をいためてラーメンにのせる。『ムーンライト』を見た。夜に走り回る黒人の子供は月の光に照らされて肌が青く見える。ブラックじゃなくてブルーだ。”オカマ”はゲイの人を不愉快にさせる言葉だ。身体の力を抜け、感じる?いまお前は世界の中心にいる。
泣けるほど美しい台詞が交錯する。
最後、一番見たかったシーンで終わる。青い肌、白い目、余計なものに気づきもしない表情。
伸びていくラーメンをすすりながら22時。アングラで買ったビールが今日も美味しい。やはり飲み物が大好きなので、梅シロップのソーダをたっぷり飲んで、コンビニハイボール案はサッパリと無くなった。一日外出せず。
『アメリカン・セレブリティーズ』と『麻雀放浪記』を少しずつ読んで、麻雀アプリを触って2時半に寝た。

水曜
社内の組織構造改変によって、どうやら忙しくなりそう。促成栽培だけどやるしかないから、俺たちの仕事は失敗しても人は死なねえ。そんな感じで上司の元から少しずつ自分でやっていくことになるのだろう。
しばらく仕事のことしか書いていない。
それはいいことのようで、でもアララを書いていないってことだ。直接関係していないようでしている。
アングラでまたビールを買った、飲みながら少し文章を書いて寝る。「epoch square TV」を少し見て、これ以上見たらメンタルがボロボロになりそうだから5分でやめた。明日は休みじゃないし。


木曜日
暑さのレベルが一段上回った。数分歩くだけで汗が噴き出る。
仕事をして、家に帰り、ビールを飲んで寝た。
アマプラの『有吉弘行の脱ぬるま湯大作戦』を一気見して寝た。
春日がこのロケの合間に東京へ戻って喋っていたラジオを思い出す。
2018年だから、お笑いアベンジャーズという言葉が飛び交う。吉本が一人もいない。
12時くらいに眠くなった。今週、俺じゃなくてもいいじゃんという感じ。代走しといてくれ。

金曜日
今週の山場の打合せ。
カスカスだった。

土・日・月
平日と変わらない時間には起きるのだけど、この3連休に何かを期待できる予感がしない。
『違国日記』を読み返した。2018、2019、2008年の『M-1』を見返した。賞レースのネタは社会状況によって爆発力が変わるっているのだと気づかされる。コンビに対する期待感や物語があって、そこを触ってほしかった痛快な感情を刺激するネタがある。トムブラウンとぺこぱ、オードリーを見て改めて思うのだ。

夜、池袋で『サマーフィルムにのって』を二日つづけて見た。
1度目はあまりに衝撃で、好きの気持ちが爆発してしまい、ラストシーンでは涙が出てまともに見れなかった。2回目は、役者の細やかな芝居や全体の構造がもう少し分かりやすくなっていい。
平田オリザと津田大介の本を読み始めた。
ノブロックtvの春日回が面白かった。
YouTubeを見てひたすらダラダラしてしまった反省。何もしていないに等しい。
最近は特に興奮できるラジオがない。


日曜日
「ボラギノールのCMか!」
2018年M1グランプリ 優勝、霜降り明星最初のツッコミ。「ステインクリア」「段落にマルつけろ、ポエム!」「リアス式海岸」

ランドリーランド、数年前の誕生日のブログ。栗真拓斗。代走してくれ。ダイソーの人気ランキング。ラヴィット。BIRTHDAY ALONE。そのまんま。東の果てに一人。夜に落ちてくあなたと。

両腕を前に出して、弧を描いて胸に引き戻したら体が前進したしまうのではないかというほどの湿度。冷房の効いた部屋から一歩出たさきは、水中に近い。
当然息を止める。右手に下げた生ゴミの袋から発する匂いもそうだし、うっかりマスクを忘れてエレベーターに乗ってしまった。誰かと乗り合わせたとき、せめて自分ができるのはアピールだ。
俺はこのオリンピックに何一つ興味がありません。
もともとスポーツに興味が薄い自分にとって、実際のところ本心なのだけど、
スカっとジャパン並みに、実家のテレビで流れていたら顔をしかめるテレビ画面。無観客開催は他国で開催されているのよろしく単なるテレビ番組だった。
単なるテレビ番組のために、なぜこんなにも見たくないものを見て、聴きたくないものを聴かせられているんだろう。開会式や閉会式が文化との接触点が含まれるイベントであること。開催に執着している奴らが、俺の生活や財産に影響を与えるに足る立場、政治家だったということだ。

そんなイベントが愛されるわけはない。市井の人々の心を動かすコンテンツとイベント運営の評価は全くの別なのだけど、パンとサーカスなんて言われるだけあって、コンテンツの力は視野を奪う。個人が持ちうる視野、視点、意見を引きの目で抑えたうえで、倫理だとか価値観を提示するはずのメディアが相変わらず自ら無力化している。そこには金の問題が絡んでいて、金の問題のくせに表に出る際の彼らの武器は言葉だ。絆、感動、こんな状況だからこそ、「だからこそ」「かなって」
日本語が壊されているこの数十ヶ月を忘れては行けない。発音やアクセントが知っているものでも中身が全く分からないツーリスト感覚。
この日記も誰かにとっては違国日記なのかもしれない。中身はどうでもよくて、側だけ立てておく効果の力強さたるや。1600億円かけた出し物のクオリティ。コロナなど関係なく、都知事が笠地蔵のドン、コードネーム朝顔だった頃からカスだったわけで。
代理店に努める人たちと仕事で付き合うストレスもそこそこに溜まり、生きるって大変だぜ。どこもかしこも駐車場だぜ

こんなは腹立たしさはだけど、エレベーターと共に下降する生ゴミと同じくらい食えたもんじゃない部位の寄せ集めで、牛肉よろしく、旨いところは全体の数パーセントなのだ。加工したところでゴミはゴミ。そこを出さずにタラタラと、美学上の判断でいえば菅がモゴモゴ言っているのとさして変わらないじゃん。
言葉は武器だとして、武器にならない言葉、模造刀が修学旅行生でもない老若男女に大うけしているこんな世じゃ、これが撮影用のセットなのか、2021の現実か自分が履いているのが草鞋かスニーカーか、ゴミ捨て程度にはつっかけか、見極めるゴーグルを装着するならそれはVRで楽しい世界に飛べるやつがいい。

3年前の誕生日に書いた文章を読み返していたら、そのころからでもかなりの語彙を放流していると気づく。言い回し一つとっても今の蓄積からは出ていない。その変わりに覚えたのが、テンションと愛想笑いと諦めだとしたら寂しい、そしてそっちの方がよほど金になっている。
ああアルコール
ドーパミンの力を借りても、ろくな言葉も言い回しも出てこない。進行形の現実はせめて情報量を減らして安寧を保つ、画質を落として静止画に切り取る。コマ送りの世界に後から声がついてくる、その全ては広告的、変な茶番。

ボラギノールのCMか
2018年M1グランプリ優勝、霜降り明星。
そのときの粗品の年齢。
25歳になった


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夏の思い出

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