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5/27(1-16,8-18) 韓国語とドイツ語に不寛容だった地点から

ここ最近、Twitterの話題占有率1位はTHE NOVEMBERS『At The Begining』だった。

最後にライブを見たのが『zeitgeist』の頃なのでもう5年も前だ。当時はロックバンドのライブを見に行くことが少なく、ジャカジャカやって身体を震わせることしか知らなかった。リキッドで見たTHE NOVEMBERSのライブは、歓声を上げる人や身体を揺らす人もいたけど、直立したまま音を浴びることに神経を集中させる人の方が多かった。
外に出てしばらくは耳鳴りが止まないほどの音に晒されても、人はストレスを感じないでいられること、音や体験そのものを美しいと振り返れること、ステージが神秘的でさえあることを初めて知ったバンド。去年から短い期間でリリースを重ねていることからして、思想も音像も大きく変化しているのだと予想した通り、あの頃とは全く別のバンドのように感じた。

家に帰って歯を磨いてステインを落とす。コンビニの赤ワインをぶらぶら持ち歩くとして「あいつやべーな」と思われないサイズは一体どこまでがセーフなのか分からないまま、大きめのに挑戦してそれをアイスボックスに注いだ飲むという新しい楽しみ方を再発見したら案の定ベロベロになる。朝起きたときの頭痛はひょっとして低気圧じゃなくて二日酔いなんじゃねえかと冷静に思いつく自分がいま歯を磨いている。ステインを落とし、
ステレスフリーなんて、頭韻が得意な漢a.k.a.GAMIはどうしたのいったい。

田中康夫『なんとなく、クリスタル』を読んだ。ケツに「。」がつく作品やタレントやグループは山ほどあり、意味合いを感じさせる効果は薄まる一方だが、この作品の「、」ほど今なお時代感を感じさせる符号はないように思う。『なんとなくクリスタル』じゃダメなんだ。
読み始める前に『33年後のなんとなく、クリスタル』を買った。自分からしたら当然の世相やクールさ、展望の見えない日本がまだ姿を表す前にそのことを予言していたのが『なんとなく、クリスタル』の最後の注釈である。

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