得意、不得意。
肺に空気をためて移動するのが得意な動物と、脳に記憶をためて移動するのが得意な動物を見たことがある。
と、テーブルの向こう側に座る友人が話している。
話すのはいつも彼で、なぜかぼくはいつもそれを聞いている。
彼とぼくが話すようになって、どれくらい経つのだろうか。それより、彼は友人なのだろうか。
だけど、彼の話はいつも突飛でおもしろいから聞いているのは悪くないのだけれど、何だかすこし申し訳ない気にもなる。
上手い返しができない、ぼくと話すのは退屈ではないのだろうか。
ぼくは何をためるのが得意なのか。
疑問ばかりが溜まっていく。
ベッドに備え付けのテーブルに、吸水用容器と口元を拭うハンカチが今日も置いてある。
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