午後の眠気と戦うには 〔詩〕

ちいさな世界で話していてる
それは全く聞こえなくて
昼過ぎで眠たくて
窓を開けても
暑くて

その話がたとえ
面白くても つまらなくても
難しくても 簡単でも
賢くても 何にも聞こえない

洗濯物を乾かすキュレーターの音がうるさいから
やらなきゃいけないことをやっと考え始めたから
さっき食べたおやつの後味がイマイチだったから
歯医者で治療中の削った歯がずっと気になるから
何か理由を探してこの部屋から抜け出したいから

でも
そんなちいさな世界から
空耳みたいに笑い声が聞こえたら
くだらなくて
バカみたいで
なんのためにもならなくて
明日も明後日も
昨日もその何年前にも聞いたような
誰でもしたことのあるよう
誰でも聞いたことがありそうな
誰でも想像できそうな
自分にはなんにも関係のない
そんな気がする笑い声

耳を澄ます

呼吸を浅くして
疑って
音をかき分けて
疑って
耳を澄ます

勝者は必ずしも賢いとは限らない
わたしはヘッドホンに手を伸ばす
もぞもぞと布団の上で

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