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ポエム・エッセイ

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ポエムのまとめです。わたしの頭の中は、こんな感じです。
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空模様

空が包んでいるのか、空と一緒に浮かんでいるのか分からないけど、勝手に僕らはその中にいる。 そして、好きなうたを歌って、美味しいものを食べて、誰かを好きになった。 その日の空はとびきり良くて、自分とセットで一日が造られる気さえするんだ。 でも空はいつでも、誰かにとってはとびきり良くて、もっとも悪くて。 勝手に僕らはその中にいる。 雲が動いて、僕らが動いて。 誰かの空を、今は見てる。

#推し短歌「同級生」

楽しい記憶を思い出して、ふと思う。 大抵のことは偶然なんだなと。 初恋の人と同じ年代に生まれて良かったし、友達と同じ地域に住んでたことに、なんて自分はラッキーなんだと思う。そんな短歌です。 曖昧に 笑顔の記憶 放っておく 偶然のまま 偶然のまま

#推し短歌 「寝る前の妄想」

妄想しながら眠るのが好きです。 とても無防備で不思議な行為だなと、つくづく想う。 そんな気持ちで書いた短歌です。 夢と月 暗き世界か海底か 手すり無き日の 魅惑とは毒 真っ暗なところを覗くときには、必ず手すりがあるかを確認しないといけないといけない。そうしないと惹き込まれる。 ブラックホールの可能性はあってもサンタクロースを見たい気持ちに勝てないから、常に現実に片手がさわっているのを確認する。 これがわたしが精神的に参ったときに学んだ教訓です。

刈り取り済み。

ツー、ツッ、ツー。 まだ暑い空気の中を番いのトンボが飛んでいた。稲刈りの終わった田んぼの上で休む場所を探すのは愚かな行為だと知らずに、繋がったままホバリングしている。 だけど次の瞬間には、情熱的と呼んでいいのかわからないままの格好でガマに食われた。 トンボの汗をかく暇もないほどの生涯に、愛はあるのか。 愛が足りなかったのか。 足りれば伝わるのか。 受け取る気のない者にも伝わるのだろうか。 それは本当に愛なのだろうか。 いつから愛があると思ったのだ。 憎たらしい顔のガマガエ

#推し短歌 鬼ごっこ

小さい頃は学校の休み時間でも放課後でも、なぜだか暇さえあれば「鬼ごっこ」をしていた気がする。 鬼渡し 帳の中で駆けて跳ね 弱きも強きも 無病息災 誰が決めたわけでもなく、その時々で一定の範囲で追いかけ廻っていた。 鬼ごっこのときは、運動が得意なヤツも足が遅いヤツもあまり気にしないで遊んでいた気がする。鬼ごっこもいろんな種類があるから、鬼の数を増やしたりして。 転んで膝から血が出ても帰りたくなくて我慢して、何をあんなに毎日やっていたのか。でも、楽しかったな。そんなイメージで

#推し短歌 「風呂場」

これは自分の体験です。 子供の頃は耳が悪かったので、人より音が聞こえずらかった。 手術後に家のお風呂に入ったとき、音が反響するのをはじめて体験したのを30年以上たってもハッキリ覚えています。 その日を思い出して書いた短歌です。 反射する 音のふくらみ 感じたい 拍手を送る 凄い凄いと もしかしたら人生で初めて感動した瞬間だったのかもしれません。 手をたたく音が響くと、嬉しいのと面白いのを同時に感じ、何度も繰り返していた。 お湯に濡れた拍手と渇いた手の拍手。違いがあるのが不

#推し短歌「THE YELLOW MONKEY」

推し短歌を皆さんつくっているようなので、わたしも今日から作ってみようかなと思います。 今回は学生時代から好きな「THE YELLOW MONKEY」について。 かすれゆく 人魚が運んだ 憧れと ロビン・フッドの歩いたあとに 吉井和哉さんの口笛を吹きながら草原を歩く少年のような歌詞の世界が好きです。流れていく世界を今日も愉しませてくれる。 かと思うと、変わらない色気のある声で欲望まみれの歌を歌うときもある。 そんなイメージで書きました。 学生時代に、わたしが初めて自分のお