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自分が映画の主役になった話

どうも、DJ⑨ です。
この度、2022 年 9 月 9 日 に YouTube で公開された中田らりるれろ監督作品の全編 VRSNS 撮影映画『NINE-PREQUEL OF EMETH-』で主演を務めさせていただきました。
予告編がこちらです。

自己紹介は下記 note 記事に任せるとして、まず映画の話をしたい。

『NINE-PREQUEL OF EMETH-』

あらすじ

舞台は、国際研究特区メガフロート・エメス。
10 基のフロートで構成されている洋上の大企業集合都市で、各企業がフロートを統治している。
中央の華々しい超高層ビル群を取り囲むように歓楽街やスラム街が広がっており、悲しき労働者のサイボーグや、都市機能として働くロボット、ピンからキリまでの犯罪組織がひしめき合っている。

この街で「探偵」と呼ばれている白いジャケットにフルフェイスマスクの男が本作の主人公である。
仕事で来たにも拘わらず帰り賃を失い、新たに稼ぎ口を探す羽目になって暫く経った探偵が最後に受けた依頼は、予想外の展開を迎える。

本作はホテルカデシュ製作のサイバーパンク長編映画『PROJECT:EMETH』の公式スピンオフ作品、その前日譚である。

VRChat で映画を作り、映画を体験できるイベントも手掛けるロールプレイ集団のホテルカデシュ。
過去には任侠映画やサメ映画も手掛けている。
そして、サイバーパンクフィーチャー映画である『PROJECT:EMETH』は 2022 年 2 月に前編が YouTube に公開、6 月に後編が公開され完結した。

DJ⑨ は縁があって『PROJECT:EMETH』にエキストラとして出演している。
自分の参加した撮影は 2021 年 10 月に行われたが、当時はまだ自分が映画の主役になるとは夢にも思わなかった。

監督「中田らりるれろ」という男

映画を見る側の人間は数多く居ても、作ろうという人間はそう多くは無い。
ホームビデオの編集だって AI 任せにし始めた現代だが、中田らりるれろというふざけた名前のこの男は違う。
自ら脚本を練って、コンテを描き、人をかき集め、役者に指導をし、カメラを回し、即日編集を行ない、Twitter でプロモーションも行なう。
正気じゃぁない。
そんな NINE の監督である彼のご尊顔がこれだ。

正気じゃぁない。
着ぐるみめいた白いクマ(?)のような見た目のポリゴン荒めのこの肉厚なボディには、隅から隅まで映画への愛が詰まっている。
特に自分とは SF 映画の話で馬が合う。
実は、同じ中学校に通っていたんじゃないか?と錯覚するほどに。

中田らりるれろは映画学校の出身で、SF 映画のメガホンを取ることを夢見ていた。
しかし、まともに撮ろうものなら豪勢な VFX や、何人もの撮影スタッフ、特殊メイクや小道具大道具等々の準備が必要となる。
劇場で公開するにしても、大滑りすれば目も当てられないことになる。
そんな現実に打ちひしがれ、卒業後は真っ当にサラリマンをしていた。

そんな彼が VRChat を知り、ホテルカデシュという VRChat 上で映画を撮影する集団と、サイバーパンク野郎を気取る DJ⑨ に出会った。
この巡り合わせが彼の「SF 映画を撮りたい」という夢を阻んでいたあらゆる障壁を取り除いてくれた。

何故、中田らりるれろはDJ⑨と映画を撮ろうと思ったのか?
それについては、今後の note に書き綴っていきたい。

VRSNS で映画を撮るということ

予告編を見て「ゲームやアニメと何が違うんだ」と思われるかもしれない。
これは素人映画撮影用ではないモーションキャプチャシステムを使って、遠隔通信の遅延と戦いながら実際に演技をしてその様子を撮影している。
完全にオンラインで作られた、新時代のインディーズ映画である。

VRSNS 監督の元に集ったメンバーだが、自分は監督や出演者が基底現実でどんな姿をしているのか全く知らない。
本名や年齢、性別すらも知らない。
だが、そんなことを知らなくても映画は作ることができる。
全員が「映画を作る」という事に心血を注ぎ、情熱を燃やしている事に違いは無く、間違いなく本物の魂がそこにあった。

VR ならではの特徴として「非接触」という要素がある。
爆破シーンでダイナマイトの使用に際してわざわざ採石場まで行かなくても良いし、消防に届け出を出す必要もない。
役者同士は常にオンラインで非接触なので昨今の流行病の心配もない。
殺陣をやっても流血沙汰の事故にはならない。
役者が VR ゴーグルを被ったま派手に転んだり、壁を殴らなければ。
ただし、通信のラグがあるので呼吸を合わせるのは至難の業になる。
タイミングが合うまで、何度も撮り直した。

カメラも望遠や広角もある程度調整できる。
VR 空間では宙に浮いたり、床に埋まったり、カメラアングルも自由自在だ。

これで映画を撮れない理由をまだ語るなら、一生撮ることも無いだろう。
現代技術が、映画を撮るという行為の敷居を大きく下げてくれた。
流行りの言葉を安易に使うのは気が引けるが「メタバース映画」という新たな可能性が生まれた。

これを示してくれたホテルカデシュ代表でメタバース映画監督のだめがね氏の功績は計り知れない。
彼は NINE の最高にイケてるロゴの製作も担当してくれた。

皆、昼は仕事をし、夜中に VRChat に集まって地道に作った。
最先端のインディーズ映画『NINE』は YouTube で視聴できる。
このアングラ特有の熱狂は、今しか味わえないかもしれない。

更新頻度は遅いが、自分が映画の主役になった話をこれからポツポツと書いていきたいと考えている。
撮影秘話や、出演者の紹介を自分の視点でお伝えして、映画をご覧になった方に嬉しいコンテンツになれば幸いである。

相変わらずの乱文になるが、お付き合いいただけると嬉しい。
この、まるで映画のような話に。


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