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「ネコ」は「名前」を認識してる?ってお話。


わたしはネコと二人暮らし。


「ラテ」といいます。



・・・


すみません、突然ですが「ラテ」ってなんだと思いましたか?




文脈的には、”名前”だと思いましたか。


はい、その通りです。


ちょうど薄茶色と白色の体毛が特徴的で「カフェラテ」みたいだったからそう名付けました。


色々あって私と暮らすことになった元保護猫。


たしかに、「ラテ」は名前。




では「らて」なら、どうだろうか。


平仮名に変えてみただけ。


これも名前だと思うだろうか。


ひらがなだと、「カフェラテ」を連想するのは難しくなった。



でも、まだ”名前”として認識できそう。



なら「late」だとどうだろうか。


おっと、「遅い」とかいうのはやめてくれよ?(なぜかアメリカン風)


英語じゃあない。


そう、ローマ字読みだ。素直に読んでみてほしい。


どうだろう。


まだまだ”名前”として認識できるだろうか?




じゃあ「lɑːteɪ」ならどうだ!



・・・えっ。


・・・なんだか分からないって?


1回くらい和英辞典でこんな感じの表記を目にしたことはないだろうか。


これは発声そのものを意味する「IPA表記」だ。


IPA表記:あらゆる言語音声を文字で表記すべく、国際音声学会が定めた音声記号である。


読み上げるとそのまま「ラテ」になるだろう。


さて、この表記でもまだ”名前”のままだろうか。


そろそろ別の”概念”に変わってきたのではないだろうか。



そう、これは”音”だ。


”名前”から、”音”に変わった。


意識的に、別の概念に乗り換えたわけだ。



私達は、下位概念である”名前”から上位概念である”音”にシフトしたのだ。


上位概念とは、同族的もしくは同類的事項を集めて総括した概念、または、ある共通する性質に基づいて複数の事項を総括した概念をいう。上位概念の対義語を下位概念という。

鉛筆,シャープペンシル,消しゴムに対する上位概念をあらわす用語としては、「筆記用具」が挙げられ、さらなる上位概念として「文房具」が挙げられる。

上位概念とは、同族的範囲を意味する。
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では、ここからは質問を変えよう。


”ネコ””音”を理解していると思うだろうか。


どうだろう。


呼べば飛んでくる愛猫もいる。


わたしの「ラテ」も、わたしの声によく反応してくれる。


しかし、”音”とはなんだろう。


ネコは「音がしたぞ」と思って、近づいてきているのだろうか。


”音”は、私達の脳がその現象を共通に扱うために産み出した”概念”だ。


ネコの世界に、”音”という概念はない。


言葉がない。言語がない。


にゃー、と鳴くが、音を出したくて出している訳ではない。


”音”は人間が創り出した”概念”だ。


ではネコの「にゃー」とは一体何か。


”振動”だ。(CV:阿部寛)

音は空気が振動することで発生します。音には「強さ」「高さ」「音色」の3つの要素があり、「高さ」は振動の速さ(1秒間に何回振動するか)で決まります。この振動数を「周波数」といい、一般的に「Hz(ヘルツ)」という単位で表現されます。

音の周波数「Hz(ヘルツ)」ってなに?わかりやすく解説
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だが、”空気””振動”も、人間が意識的にそれらを取り扱う為にうみだした概念だ。


本質的には、わたしたちはネコの世界を何も理解はしていない。


概念を創って当てはめることしかできない。


だが、ネコ達にはきっと我々人間の預かり知らぬ概念の世界で生きている。


ただその概念は、実に複雑怪奇で、まったくルール化されていない混沌だ。 おそらく概念ですらないのかもしれない。


”音”の組み合わせは、この世に何通りあるだろうか。


ネコの可聴域はおよそ30Hz〜65,000Hzの間とされている。


人間の発する「ラ」だけでも250Hz~4000Hzの周波数、加えて強さと音色も十人十色。
もはや組み合わせの数を想像しただけでめまいがする。


一音の「ラ」だけでもコレなのだ。


ここに「テ」なんて加わろうものならもう無理だ。絶対無理だ。処理できるわけがない。



だが、人間は、本来そんな無限にも思える組み合わせをいともたやすく、

「ラテ」

の二文字で表現ができてしまう。


この音は、「ラ」だな。

この音は、「テ」だな。


そうして、更には”名前”という下位概念にまで当てはめることに成功する。




人間は”概念”という強固なルールで意識化される生き物だ。


信じられないことだが、生まれたばかりの赤ちゃんでさえ
2年も経てば「ネコ」の概念を理解する。


振動の概念を超え、の概念を超え、はるか下位概念であるはずの「ネコ」という名称が理解できる。


しかもだ。


特定の個体だけを指すわけではない。


「ネコ」をカテゴライズするのだ。


ロシアンブルーでもアメリカンショートヘアでもノルウェージャンフォレストキャットでもマンチカンでもスコティッシュフォールドでも。


「ネコ」あるいは「にゃんにゃん」と、統一してしまう。


それこそ、人間が概念を作る瞬間なのだ。


・・・あらためて考えると人間とんでもなくない?どうなってるの?(完全に素に戻る。



こほん…。


話の主語を「ネコ」に戻そう。


「名前」→「言葉」→「音」→「振動」
▶ネコ


当然、ネコに名前という認識はないだろう。

ネコには人間の作った概念は通用しない。

「名前」→「言葉」→「音」→「振動」
     ▶ネコ


言葉も怪しい。さっきいった通り周波数の組み合わせだけでも何十万通りあるのだ。しゃべるネコはいない。(マグロウマイ

「名前」→「言葉」→「音」→「振動」
          ▶ネコ


当然ながら”音”という概念も存在しない。
とすると、残るは振動になんらかの近似値を見出している。
トーンや声色という、きわめて原始的な感覚だ。

「名前」→「言葉」→「音」→「振動」
              ▶ネコ



つまり、ネコは、振動の世界に生きているのだ。


”音”ですらない。


「ネコが名前を認識する」

というのは

「人間の創った3層分の下位概念を、ネコも理解できているはず」

と言っている事と同義なのだ。




とんでもない。ネコを買いかぶりすぎだ。


かれらはなんとなくご主人の声の振動を聞き分けているだけだ。


だから、ネコが名前を認識している、はどうあっても嘘なのだ。



ネコはかわいい。それでいいじゃないか。


あれこれ概念を当てはめることは、本来必要ない。


ネコは、我々人間のはるか”上位概念”の世界で生きているのだから。




つまるところ、この話はというと、


「人間はネコの下僕」という論証が、


概念領域からも証明されてしまったということだ。



さぁ人間!!!!!




今日もネコ様に尽くすのです!!!!!!!!!!


(おはようございます。皆様今日も良き一日をお過ごしください✨)

最後に、うちの神様こと「ラテ」さまです🐈




ネコぐらしは『文字生生物』を目指して、毎日noteで発信しています。📒
※文字の中を生きる生物(水生生物の文字版)🐈

あなたのスキとPVが、この生物を成長させる糧🍚

ここまで読んで頂き、ありがとうございます✨

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