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無駄ではなかった日本の英語教育

日本の英語教育は役に立たないといった記事を見かけることがありますが、決してそんなことはありません。日本の英語教育は英作文をできるようにするためには、とても有効です。ただ、英作文と英会話は全く違うジャンルなので、話せるようにはならないだけです。
そのことについて、詳しくご説明します。

①日本人が受けてきた英語教育の目的

②英作文と英会話の違い

③LATの考える「話せる英語教育」

①日本人が受けてきた英語教育の目的

日本人の大半の方々は中学から英語の勉強を開始し、高校まで含めると6年間英語を勉強してきています。
6年間も学習することで、かなりの知識を得ることができているのです。日本人の多くの方々が、関係代名詞・現在完了形・仮定法といった言葉に覚えがあるのではないでしょうか。

大学受験レベルの英語を勉強してきた方の多くは、これらの難しい文法を活用して、素晴らしい英作文をすることができるようになっているのは間違い無いと思います。
まさに、日本の英語教育は、「英作文」ができるようにすることを目的として提供されてきたものなのです。

日本の英語教育は英作文ができるようにすることを目的としていたために、「話す」ことはできないままなのです。

英作文ができれば、英語を話すことはできるのではないかと思っておられる方も多いかと思います。
外国語を話すことと外国語で作文することは全く異なることなのです。
次の項目で、この二つの違いについて、詳しくご説明させていただきます。

②英作文と英会話の違い

先程もご説明した通り、実は、英作文と英会話は似ているようで全く違います。

英作文と英会話の最大の違いは、時間です。
例えば、「明日から海外旅行に行く予定なので、とてもワクワクしてます」ということを英語で表現しようとした場合、例えば以下のような文章になると思います。
I’m very excited because I am going abroad from tomorrow.

この文言を作るのに、英作文であれば3秒考えて作っても全く問題ありません。しかし、例えば外国人に”Why do you look so happy?”と聞かれたことを想定してみてください。
その回答をしようとした際に、3秒間考えて先ほどの英文を作成した場合、会話として成り立つでしょうか?
きっと成り立たず、3秒後には、質問をしてくれた外国人が”OK, no problem.”と言って、笑顔で去って行くでしょう。

このように英作文と英会話は「時間」という観点で大きな違いがあります。
一方、英作文の場合、目の前で相手の表情を見ることができませんので、間違ったことが伝わってしまった場合、すぐに修正することができません。

英作文の場合は、相手に誤解を与えないように、正確な文章を作ることが需要です。
日本語であっても、メールを作成する際に、何度も文章を見直すことは多いのでは無いでしょうか。

日本語も英語も同じです。作文は時間がかかっても正確であることが重要で、会話は正確でなくても瞬発力が重要なのです。
正確性は持っている知識を活用することで実現できます。
まさにこれは学校教育で培われたものが活用できる場なのです。

一方で瞬発力は知識を増やすことでは手に入れることができません。
瞬発力を手に入れて、話せるようになるための英語教育について、次の項目でご説明します。

③LATの考える「話せる英語教育」

従来の英語学習(知識学習)は、英作文をすることには非常に役立ちますが、瞬発力を求められる英会話には役に立ちません。
実は役に立たないばかりか、英作文的な脳の働きを促してしまうため、英会話のためには弊害にすらなってしまうのです。

子供が母国語を習得するのに文法の勉強をすることは決してありません。一所懸命いろんな言葉を発して、何度も間違いをおかしながら、練習を繰り返すことで話せるようになっていくのです。
話せるようになってから、学校に行って読み書きを習うという順番で母国語を習得しているのです。

LATのプログラムを提供していると、時々日本人の講師の方から学びたいとおっしゃる方もおられます。
しかし、日本人の講師が「教える」とどうしても、昔ながらの「勉強」にとらわれてしまうのです。

LATは、担当コーチは全て外国人ですし、普段取り組んでいただく基礎トレーニングも英語を話すことだけを何度も繰り返しおこなっていただくプログラムとなっています。
これは、ある意味、海外に留学しているのと同じような状況となっており、無理矢理にでも英語を使わざるを得ない状況を作り出しています。
日本人は長きにわたって英語を勉強してきてしまっているので、なかなかその考え方から抜け出すのが難しくなってしまっています。

しかし、英作文ではなく英会話を身につけるためには、勉強しては身につきません。
英語を習得し、話せるようになるためには、話すトレーニングをする以外の道はありません。

残念ながら、そこに到達するための近道はないのです。「あっという間に」とか「簡単に」「・・・だけで」話せるというような書籍が世の中にたくさんありますがスポーツの分野では同じような表現をしている書籍はありません。
スポーツの場合、誰もがそんな近道がないことを知っているからです。しかし、実際のところ、英会話もスポーツも同じなのです。

近道を探すよりも、しっかりしたコーチによる指導のもと、トレーニングを積んで身につけることが最も確実な方法です。
LATでは、当面の目標として、100時間の練習に取り組んでいただくことをお勧めしています。

1ヶ月で達成しても、3ヶ月で達成しても、合計100時間の練習量をこなすことで、かなりのスピーキング力の向上を実感していただけるはずです。

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