歯磨き

「生きる」と電動歯ブラシ

「仕事のために生きるのではなく、生きるために仕事をしましょう」

かつての上司がよく言っていたことだ。
異動後も時々ランチに行ったりするけれど、真面目な話はあまりしない。

「生きるため」の「生きる」とはなんだろう。昨日ふと不思議に思った。
命が長らえるという意味で「生きる」はまだ50年以上続くかもしれないし、そんなに続かないかもしれない。
今のところ好きなときに死ねるわけでもなさそうなので、死期についてはその程度のことしか言えない。
でも近頃なんとなく「健康に長生きしたいなぁ」という思いが強くなっている。
若いころには考えられなかったことだ。
今は自分が健やかで幸福であることが世界の平和に寄与しているとなんとなく思っているのか、そのことに胸を張れるような心地がする。

プライムデーに母とふたりで家電をあれこれ買った。

・アイリスオーヤマの掃除機
床が汚いと赤いランプで強力に吸引、きれいになると青いランプで低パワーに切り替わる賢い掃除機。

・パナソニックの32型のテレビ
私の部屋のテレビは闘病中に父に買ってもらったもので、見れればいいと24型の小さいものだった。

・ソニッケアー
歯科衛生士もお勧めする電動歯ブラシ。疲れていると歯磨きを忘れて寝ることがあるので。

計5万を少しはみ出すくらいだ。
これらの出費に「生きるために仕事をしましょう」の「生きる」が詰まっているなぁと気づく。
とかく私は昔から身の回りのことを後回しにして大きなことを考えたり遠くばかり見がちだけれど、楽しく部屋の掃除をし、大きな画面でNetflixを見て、歯をぴかぴかにして眠る、それってとても素敵で大切なことだとしみじみ思ったのだ。

QOLへの投資は自分と、自分を愛してくれる人たちへの愛では?

「生きる」は全部だけれど、「暮らし」はその一部で、土台でもある。
ごはんを食べてお風呂に入って歯を磨いて眠ることより大事な仕事というのもそんなにはないはずだ。
寝不足気味の子育てパーソンたちだって、たまにと言わず交代して眠ってほしい。
当たり前じゃないか。当たり前だ。
そうして心身ともに健やかに長生きしてほしい。
当たり前じゃないか。当たり前だ。
そう敢えて書くのは、実際には多くの人にとって当たり前じゃないからなのだけれど。

なのでもし余裕があるときには、旅に出たり、高い服やブランドバッグを買ったり、ぱーっと飲むのもいいかもしれないけれど、暮らしの質への投資を考えてみるのもクールなのではないかと思う。

私は楽しく働いたお給料で買った購入価格7200円のソニッケアーで、歯を磨いて長生きすることにした。
それが「生きるために仕事をする」ってことのはじめだと思ったのだ。

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