にじさんじFANCLUBの誕生による、新たなビジネスモデルの確立とその未来

いちから株式会社プレスリリースで、にじさんじ公式FANCLUBの設立が発表になりました。
プレスリリースのURLを一応貼っておきます。
https://www.ichikara.co.jp/news/2677/



内容を要約すると、以下の通り。

①ライバーによる絵日記やブログ、動画配信などをファンクラブ会員限定で閲覧できる。

②ファンクラブ会員専用のチャットアプリで専用のチャットルームへ接続可能。チャットルームへはライバー自身も投稿可能。(一部書き込み不可ルーム有)

③にじさんじ総合ファンクラブによる情報発信。

④今後、追加コンテンツとして、イベントのチケット先行販売、会報の発行(3ヶ月に1回)、会員限定イベント開催やグッズ販売などを予定。



で、会費はというと、にじさんじ総合ファンクラブが月額330円、ライバー個別のファンクラブが月額550円、の2パターン。

そして、10/15時点で開設されているファンクラブが、「にじさんじ総合」「エリー・コニファー」「鈴鹿詩子」「鈴谷アキ」「勇気ちひろ」「雪城眞尋」「夢月ロア」「緑仙」の8種、となっているようです。



いよいよアイドル芸能事務所化してきましたね、にじさんじ。

もちろんSMEさんとかの名前が過去の投資時に上がっている時点で、当然ありうることではあったのですけれど、いろいろな旧体制が急激に変化することが、今年のにじさんじはずいぶんと多いように感じられます。


それにしても相変わらず、にじさんじ公式は説明が不親切です。

「総合」と「各ライバー」のファンクラブに両方入らないと①~④の全ての内容を受けられない仕組みなのか?

それとも「総合」で③、④、「各ライバー」で①、②?

などなど、にじさんじ公式メンバーシップの時と同様に、現行では誤解を生みやすそうな表記なので、詳細は実際にサービスが始まらないと今のところ何とも説明できません。

実際の加入画面ではもっとわかりやすい説明になっていることを期待したいところです。



 さて、今回のファンクラブ設立目的はいったいなんなのでしょうか?

これは推測でしかありませんが、恐らく同タイミングで閉鎖する他社運営の「にじさんじPixiv FANBOX」に変わる仕組みを自社で運営することや、Discordに山積する管理不能なファン運営のDiscord集団を自社運営のチャットルームへと誘導して集金活動に組み込むこと、あたりが目的ではないでしょうか?

現在「にじさんじ公式メンバーシップ」も「にじさんじオフィシャルニコニコチャンネル」と同系統の方向性で運営されているようですし、「BOOTH」でのボイス販売も「にじさんじオフィシャルストア」へ移管し始めています。

基本的に他社を経由している集金方法を自社運営に一括にする、という内製化の流れは、今のいちから株式会社の基本方針と見てよいのかもしれません。

実際、自社で対応・管理できるポイントを増やすという取り組みは、規模が大きくなったにじさんじにとって、安定して収入を得るコンテンツを増やすという面でも、自社管理による迅速なトラブル対応を可能にするという面でも、必要不可欠な事柄かもしれません。



しかしながらこの集金方法の増加は、単純に視聴者の懐具合を圧迫することでしょう。

各ライバーと公式のメンバーシップ加入に、各ライバーと公式のファンクラブ加入、ニコニコチャンネルの加入。

若年層の視聴者が多いにじさんじで、この大量の加入先設立による集金という運営方針に、視聴者側はついていけるのでしょうか?


また、グッズ販売や今回のようなファンクラブに関しては、ライバー側へどの程度の利益があるのか全くわかりません。

特にファンクラブはその集金システムの性質上、各ライバーのメンバーシップとの競合が懸念されますが、ライバー側に不満はないのでしょうか?


さらに付け加えるならば、少なくとも支援が目的の「Pixiv FANBOX」とは違い、「FANCLUB」は実利を求めて加入することが主目的なのですから、この「にじさんじ公式FANCLUB」には、週に1回日記が1種UPぐらいしかなかった「にじさんじPixiv FANBOX」以上のサービスが求められることでしょう。

現状、にじさんじ公式メンバーシップにしてもサービスの追加が十分ではないと
私としては感じているのですが、「にじさんじ公式FANCLUB」はどの程度の頻度でサービスの展開があるのか、気になるところです。



 今回の新たなコンテンツの追加によってにじさんじが、視聴者がより安心して応援できる企業へと成長するきっかけになるのか。

それとも、にじさんじを応援し、好きなライバーを全力で推すことが出来るのは一部の資金的余裕がある者のみ、という未来がやってくるのか。

期待と不安がある今回の件ですが、まずは視聴者として、料金に見合ったサービスの提供を期待したいところです。

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