4月に聴いたもの

今回は枚数が少なくかつJ-POPばかりになってしまった。

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大石晴子 『ランプ/巡り』

前作のEPがとても好きだったのですが、そこで聞かれた空気感をより内向きにまとめた感じの2曲。リラックスして開放的なムードでフェスなどでゆったり揺れながら聴くのに最高だと思うのだけど、それでいて声の切実さがちょっとアンバランスに存在しているところが絶妙なバランスだと思う。聞き流していると時折ハッとするし、逆に聴き入っていても疲れない。アレンジと録音の妙も大きい。

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堀込高樹 『あの人が歌うのをきいたことがない』

堀込高樹作の同名の絵本のサウンドトラック的な作品のよう。ドラムやベースは現KIRINJIのメンバーで、ピアノに林正樹氏が参加。さすがの透明感。それぞれ2分ほどの小品なのに美味しいフレーズと進行が詰まっている。M6の0:47頃のⅡ7(#11)の上で伸びるメロディなんてまさに十八番。まだ肝心の絵本を手に入れていないのだが、流していると本当に劇伴的で何か映像が浮かびそうで新鮮な気持ち。

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くるり 『thaw』

一曲目からくるりらしさ全開で安心。くるりの魅力はいわゆるバンドサウンドのグルーヴが表面上いなたく見えつつ、その裏でコード進行やコーラスラインで楽曲に歪な奥行きを作り出しているところにあると思う。M2などはロック的なサウンドの裏で展開されるのは完全にコンテンポラリーなジャズだ。そこからM3に抜けるのだからもうズッコケる(良い意味)。この曲もコード地味に変で癖だらけでとても好き。牧歌的ないなたさとモダンな複雑さをだまし討ちのように混ぜるのが本当にうまい。特に今作ではコーラスワークや内声の作り込みが相当練られている印象だった。

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Rob Luft 『Life is the Dancer』

冒頭の曲の感じが個人的に苦手でちょっと振り落とされそうになったのだが、M2からいい具合にチルめなセッション(にしてはキメが多い)ジャズアルバム。グルーヴも曲想も曲ごとにかなりバラバラで捉えどころがなかなかない感じであるが、いい瞬間は多いので好き。M4とかはポストロックだし、サックスの音がリバーブで飛ぶのがバスクラのようでいい具合にシンフォニックでなかなか純粋なジャズでは聞かない音像でいい感じ。

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kiki vivi lily 『vivid』

もともとSweet Williamのフィーチャリングで知ったが、個人的には本人名義のトラックのゆるいのにちゃんとパッケージされた感じの方が好みでした。というかM1,M2の流れでガッツリ掴まれました。いわゆるベッドルームミュージックだけど部屋にいつつおめかししながら電話をしてる感じというか。これ系の中ではBPMが比較的速くてノリが前めなのもある。あとM4のコードが凝っている。サビのⅡm-Ⅴ7-ⅢmのあとにⅠm/Ⅲbにいくところは個人的にとても新鮮でハッとした。案外クリシェの流れ以外でⅢb使うのは難しいと思っているので、この意外性の乗りこなし方はグッときた。


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