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うれるストーリーに共通する、7つの型とは?

こんにちは。コルクラボマンガ専科4期生のラストサムライです。

今日は、コルクの代表 佐渡島傭兵さんがYouTubeで語っていた、「うれるストーリーに共通する7つの型」についておさらいしようと思います。

こちらの7つの型は、もともと、アメリカでベストセラーになった『ベストセラーコード 売れる文章を見きわめる驚異のアルゴリズム』(ジョディ・アーチャー /マシュー・ジョッカーズ )で紹介されているものです。

アメリカでベストセラーになった小説500冊とあまり売れなかった4500冊の小説を、IT技術を駆使して比較し、売れる小説に共通するものが解説されているのですが、それをわかりやすく紹介してくれているのが、こちらのYouTubeです。

https://www.youtube.com/watch?v=uMFvUVZJTus

ざっくりその型とは、以下の7つになります。

【おもしろいマンガに共通する7つの型】

1、喜劇の型
2、悲劇の型
3、シンデレラストーリー
4、再生型・逆シンデレラ
5、旅と帰還型
6、探求型
7、モンスター退治

一つずつ説明していきますね。まずは、「喜劇の型」から。

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喜劇の型は、困難な状態から幸せな状態へと移り変わっていくストーリーです。映画「プラダを着た悪魔」や「プリティウーマン」なんかも、この型に当てはまるのではないかな、と思います。思えば、どちらもコメディ要素が入っていますよね。

前半に、困難な状態から幸せな状態まで駆け上がり、そこで壁にぶつかり主人公の感情が動きます。そして、クライマックスに向かって、その困難を乗り越え、確固たる幸せを見つけていくというのが一連の流れです。

詳しくは、また後日、具体的な既存の映画や小説、マンガなどで解説していきますので、今回はざざっとにしておきますね。


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2つ目は「悲劇の型」です。うまくラインを描けず、かくかくっとしているので、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、基本的には、主人公はちょっとプラスの状態から話が展開します。ただ、この型では、主人公は気づいていないけれど、実際に置かれている環境はけっこう複雑だったりするのだそう。「小公女セーラ」などもこのパターンかもしれませんね。

あとはまっさかさまに降下していくわけですが、読み応えがあるかどうかは、そうした悲劇的な状況を、主人公が受け入れていくことにあるといいます。「もう、これは仕方がないことだよね」というところをしっかりと描くことで、ストーリー全体がキュキュっとしまっていくのだそう。それゆえ、悲劇的な状況でブツッとエンドロールが流れるのではなく、ラスト20パーセントの感情曲線がフラットになっているのが特徴なのだそう。


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3つ目は「シンデレラストーリー」です。平凡に暮らすAさんが、道端でひろった宝くじで億万長者になるも、悪い人たちにだまされて全てを失う。お金持ちになって見下してきた友人たちに救われ、本当に大切なものが何かに気づいて堅実に生きる。などのストーリーもこちらに当てはまるのかな、と思います。

ポイントは、そこまで悪くない状態からスタートして、前半に絶頂を迎えること。いかにして、その後の転落人生を、もどかしい気持ちにさせながら描けるのかが重要なのでしょうね。というのも、ここでの転落人生は、おそらく主人公自身が招いたものである場合がほとんどだからです。読者の心理としては、「あー、もう見てらんない。やめてあげて」って目を伏せたくなるやつですよね。そこから、本当に大切なものに気づいて、ニュートラルな幸せを見つけるまでの物語。

王様が全てを失って、再び王様にもどるのではあまり感動はせず、最後は平民になるくらいが共感を呼ぶツボなのだとか。


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そして、シンデレラストーリーに似てはいるものの、絶頂の山がもう少し中盤にあるのが、こちらの「再生型シンデレラ」です。

悪くない状態からスタートするのは、シンデレラストーリーと同じですが、こちらは、主人公の自滅が絶頂を迎える前にやってきます。一度は落ちて他人との出会いなどを経て絶頂を迎えるものの、そこで、さらなる困難にぶつかって最後は不幸なまま、the end。

振り返ってみると、他者の力を借りて迎えた絶頂であったことから、次なる困難には太刀打ちできなかった。後半は、自分自身の無力さを実感していく内容になります。この型のヒット漫画は多いそうですが、読者の感じ方と作り手で意識のズレが起こりやすいらしく、難易度が高いのかもしれませんね。


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5つ目の型は、「旅と帰還」です。ここだけ、とっても細かな赤字を入れているのは、すでに、Netflixの大ヒット韓国ドラマ「愛の不時着」での分析を終えているため。次回、こちらを詳しくご紹介しますね!

「旅と帰還」の型は、7つの型の中でももっとも壮大なスケールで展開されることが多いようです。異世界ものなども、比較的この型に当てはまるものが多いのかもしれませんね。

ニュートラルな状態から始まるものの、共同体の中では複雑な立場にあ流主人公が、自分ではどうしようもないような困難に遭遇します。ですが、不幸のどん底を経験したからこそ、これまでの価値観を覆されるわけです。自分なりの幸せを見つけて絶頂を迎えたものの、主人公の価値観が変化しているので、以前と同じ共同体に戻ってもどこか幸せを感じられない。最後は、みんながハッピーになれる展開へと持っていく、といった感じです。最後の最後に、やっと帰還できるというパターンもあるかもしれません。


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6つ目は「探求型」です。こちらは、テーマの知識が豊富にないと描けない型だそうです。

未知なるものと出会って探求を始めるものの、探究しているうちに超えられない壁や理不尽な現実に直面する。最後は、探求の成果は出たものの、主人公がその事実を知らないまま死んでしまうなどのドラマチックな展開になりそうです。

佐渡島さんのアドバイスは、この型を新人漫画家さんが描こうとすると、主人公を好奇心いっぱいのキャラにしがち。だけど、「知った→学んだ」を繰り返しても面白くはならず、むしろ、知ることによって不幸になるような展開のほうが、読者のハラハラ感を誘えると言っていました。

どうしてそんなことになるかというと、「知り過ぎることは幸せに直結しない」という佐渡島さんの名言も飛び出しました。この型は、ちょっと理解が追いついていないので、後日、じっくりと分析してみようと思います。ごめんなさい。


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最後になります、7つ目の型は「モンスター退治」です。シンプルな展開ですが、意外とこれ、少女漫画に多いような気もします。平凡ながら幸せな毎日を送っていた主人公のもとに、悪魔のようないじわるな転校生(男子)がやってくる。これまでの生活をめちゃくちゃにされて不幸な主人公だけど、ある日、転校生の意外な一面を知り気になる存在に。急接近する事件があって、最後は告り告られハッピーエンド、みたいなイメージでしょうか? 感情曲線だけを見ていっているので、ちょっと無理がありますかね。

「鬼滅の刃」なども、広義ではこちらに該当するのかな? とも思います。とはいえ、こんなふうにざっくり解説すると怒られそうな大ヒット漫画なので、この記事ではこのへんにしておきます。

以上、いかがでしたでしょうか? コルクラボ漫画専科の講義では、こうした「ストーリーの型」を、ありとあらゆる作品を見たときに、即座にイメージできることが大切だと教えてもらいました。それ以外にも、「これどな感」というのも意識してほしいとのことなので、次回以降、また、くわしく活字してみようと思いますー。

最後までお読みいただきありがとうございました!








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