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経営者にオススメの資格3選

おはようございます。現役信用金庫マン 兼 中小企業診断士事務所代表の山西です。

前回は、起業したい方にオススメの資格をご紹介しました。

では、経営が軌道に乗ってきた後は、どんな知識があればいいの?ということで、今度は「経営者にオススメの資格」を3つ厳選してお伝えします。

この記事をご覧頂くことで、事業の改善や成長に繋がる基礎知識の習得に寄与できると思っています。

経営者に必要な経営知識とは

創業期を終えて事業を成長させていくためには、さらなる知識が必要となります。成長期以降に必要な経営知識は、主に以下の6つです。

・財務
・税務
・法務
・組織・人事
・マーケティング
・IT

上記3つは起業時に必要な知識として紹介したものです。

事業を拡大していくためには、きちんとしたマーケティングの知識が必要になります。自己流の売り方では必ず頭打ちになるタイミングがあるためです。

また、事業規模の拡大だけでなく生産性の向上のためにもITを活用していく必要があります。IT活用が浸透してきた現代では、それを使えないことで競争が不利になることが少なくありません。

そして、事業規模を拡大するにつれて、個人事業で行っていたことが組織化されていきます。自分1人では対応しきれないためです。こうなってくると、組織・人事に関する知識が必要となります。

経営者にオススメの資格3選

オススメの資格①:販売士1級

マーケティング資格として、販売士がオススメです。販売士はリテールマーケティング(BtoCのマーケティング)の資格です。

マーケティングの重要性は、これまで何人もの経営者・経営思想家たちが語ってきました。一方で、日本にはまだまだマーケティングの考え方が広まっていないとの声もあります。

販売士は、BtoCのマーケティングについて学ぶ資格ですが、BtoBの会社の経営者にもオススメします。

なぜかと言いますと、BtoBの業界でも結局、市場構造は消費者によって決定付けられるためです。現代最強マーケターとの呼び声高い森岡毅氏は、自書の中で以下のように述べています。

市場構造とは、その市場における全体と人々のやり方。そして市場構造は消費者のプレファレンス(選好)に規定される。プリファレンスはブランド・エクイティー、価格、製品パフォーマンスによって決まる。

森岡毅『確率思考の戦略論』

プレファレンスとは、相対的選好度のことです。「他の商品より、当社の商品がどれだけ好きかという度合い」と言えばいいでしょうか。

BtoBの企業であったとしても、最終的には消費者の手に渡るので、市場構造は結局、最終消費者の好き嫌いで決まるという理屈です。

BtoBの企業でも最終消費者のことを知る必要があるという意味で、リテールマーケティングを学ぶ意義は大いにあります。

販売士は全業種の経営者の方にオススメできる資格です。

オススメの資格②:ITパスポート

ITパスポートは、情報処理技術者試験の一種で、IT入門レベルの国家資格です。

情報処理の定義は、「情報処理の促進に関する法律」の中で以下のように示されています。

第二条 この法律において「情報処理」とは、電子計算機(計数型のものに限る。以下同じ。)を使用して、情報につき計算、検索その他これらに類する処理を行うことをいう。

情報処理の促進に関する法律

平たく言えば、「受け取った情報を処理すること全般」を指します。

一般的には電子計算機を使った処理のことを指しますが、受け取った情報を処理すること自体は、人が絶えず行っていることです。

その意味で、情報処理の勉強は、ITに限らず「考える力」を身に付けることに他なりません。

情報処理を効率的・効果的に行えるようになることで、生産性向上に寄与できます。人間には難しい処理については、当然、電子計算機(Excelやプログラミング言語等)を使って処理をすれば、なお効率的でしょう。

この情報処理技術者試験には4つの難易度があります。中でもITパスポートは「すべての社会人」を対象とする位置付けです。

情報処理技術者試験 試験区分一覧

ITパスポートを勉強することで、生産性の向上に向けて、最低限知っておくべきIT知識を気軽に学ぶことが出来ます。

最も取得しやすい国家資格の1つですので、お気軽に挑戦してみて下さい。

なお、情報処理技術者試験は「過去問道場」で勉強するのが定番となっています(以下のサイト)。ぜひご活用くださいませ。

オススメの資格③:中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業支援法第11条を根拠法とする、経営コンサルタントとしての唯一の国家資格です。

この試験には7科目あり、経営に関する知識を広く学習することが出来ます。

・経済学・経済政策
・財務会計
・企業経営理論
・運営管理
・経営法務
・経営情報システム
・中小企業経営・政策

私自身はまだ社会人になって実務をそれほど経験していなかったタイミングで受験したので、当時は学んだ内容が実務に活きるのかどうか確信がありませんでした。

しかし、現在までに実務経験を積んでいく中で、中小企業診断士7科目すべてを活用している実感があります。

「経済学・経済政策なんて学んで何に活用するのだろう」と思っていましたが、市場の現状や動向をマクロで捉えるのに大変役立っています。

また、企業経営理論では組織・人事についても学ぶことができます。深い知識を得るためには、専門書等で学ぶ必要がありますが、企業経営理論だけでも組織論について広く学ぶことができます。その中で、気になった項目を深掘りしていくのが効率的でしょう。

7科目すべて勉強するのは大変ですが、苦手分野だけ選んで勉強してみるのも良いと思います。

次回予告

以上、前回・今回で、起業したい人や経営者にオススメの資格を紹介してきました。

そこで次回は「難関資格に上位1割できる『資格勉強に向けて最初にやるべきこと』」3選をお伝えします。9月9日(土)に投稿予定ですので、ぜひご覧ください。

当noteでは、経営力向上につながる記事を毎週土曜日に投稿いたします。ぜひフォローしてお待ち頂ければ幸いです。

投稿者(山西良明)プロフィール
【経歴】
・現役信金マン
 2014年より信用金庫で勤務中。営業、業務推進、融資審査、事業支援を経験。
・中小企業診断士事務所代表
 信用金庫で働きながら、2021年に中小企業診断士として個人事務所を開業。認定経営革新等支援機関としても登録済み。

【主な保有資格】
・中小企業診断士
 コンサルタントとしての唯一の国家資格。2017年取得
・販売士(リテールマーケティング)1級
 BtoCのマーケティング資格。2018年取得
・応用情報技術者
 IT系国家資格。2021年取得
・認定事業再生士
 事業再生の国際資格。2022年取得

【趣味】
・マラソン
 2時間30分切を目指し、週6~7日走っています。
・読書
 海外SF、文芸誌、ビジネス書をよく読みます。愛読書は『三体』『V字回復の経営』



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