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マックスコーヒー、千葉から見るか?水戸から見るか?


マックスコーヒーが好きだ。
マッ缶が好きだ。マックスが好きだ。
マックスコーヒーの全てを愛している。


理由はひとつ。
わたしが茨城にルーツを持つ人間だからである。




マックスコーヒーは地元の誇り?


茨城といえばマックスコーヒー。マックスコーヒーといえば茨城。

マックスコーヒーになじみのない地域の読者に軽く説明すると、これは乳成分がすべて加糖練乳……知る人ぞ知る激甘缶コーヒーである。

以前は茨城・千葉・栃木限定で販売されていた「北関東の名物」だったが、今はかなり広い地域で買うことができる。

……ここまで読んで、「マックスコーヒーは千葉県の名物でしょう」と曰う千葉県民はちょっと待って欲しい。 私に言わせればマックスコーヒーは茨城県の名物である。小学生の頃の私に初めて紹介してくれたのも水戸市民の親族だ。

異論があるなら霞ヶ浦にコロッセオでも建てて正々堂々やりあおうではないか。
我々は発売以来50年も「マッ缶といえば千葉か、茨城か」という議題でやりあってきた仲ではないか。



……と、長年続いた抗争の結論をあっさり出すのも惜しい気はするが、マックスコーヒーの発祥は千葉県の野田市である。

この地に本社を構える利根コカ・コーラボトリング株式会社が1975年から千葉・茨城(のち栃木)限定で発売したのが「マックスコーヒー」である。



しかし、私はこの世でマックスコーヒーほど評価が分かれる飲み物を知らない。

ちばらきの誇る血糖値の刺客


というのも、マックスコーヒーが嫌いな人間の意見の99.9%は「甘すぎる」というものだ。
しかし、私は少し反論させていただきたい。
マックスコーヒーは設計思想から既に甘くてナンボなのだ。

マックスコーヒーに限らず、自動販売機で売られている甘い缶コーヒーは屋外の現場で働くガテン系の労働者を主なターゲットにしている、とよく言われている。


が、マックスコーヒーが怖ろしいのはその驚異のエネルギー効率である。
ジョージアの他の缶飲料と比較してみよう。


ジョージア エメラルドマウンテン
100g当たり
エネルギー35kcal
脂質0.5g
食塩相当量0.1g
炭水化物6.9g
たんぱく質0.6g

ジョージア アイスミルクココア
100g当たり
エネルギー44kcal
脂質0.7g
食塩相当量0.05g
炭水化物8.7g
たんぱく質0.6g

ジョージア マックスコーヒー
100g当たり
エネルギー48kcal
脂質0.7g
食塩相当量0.08g
炭水化物9.8g
たんぱく質0.6g


なんと一缶で角砂糖6個分という怖ろしい糖分量。

他の缶コーヒーの追随を許さないどころか、アイスココア以上の糖分量を叩き出しており、さながら飲む糖質爆弾である。
エナドリと違い炭酸が含まれず、どんどん飲めるうえに長距離移動や時間の経過に強いのもポイントだ。

ちなみにカフェイン量はコーヒーにしては控えめなもよう。
要するに……このマックスコーヒーという飲みものは、おそろしいことに近頃インターネットを騒がせる血糖値スパイクの条件をほぼ全て満たしているのだ。


基本的に250mlという良心的なサイズの缶で自販機に置かれているが、うっかり500mlペットボトルを常飲し始めた日には……。


「長距離トラックドライバーがマックスコーヒーを飲み始めたら『終わり』」という都市伝説まであるそうだが、真相はいかに。


マックスは楽しく計画的に




子供の頃、水戸に行くたびにねだって買ってもらったマックスコーヒー。
駅の自販機にマッ缶が置いてあるからという理由で引っ越してきた今の街。
思い出の味なのは確かだ。
じっさい今も疲れた時に見かけたら買ってしまう。
しかしこの歳になってしまうとどうしても「糖尿」の二文字がちらつく……。

我々は黄色と黒の警告色そのものの禍々しいデザインの缶を手に取った瞬間から、ちばらきの悪魔とでも呼ぶべき恐るべき存在と契約しているのかもしれない……。


お酒と同様、マックスも計画的に。