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015_仲直り?別れ? ~後編part.1~

「今から会える?」


(神様、ボクはどうしたらいいんでしょうか?)
いや、そんなことを考える間もなく一瞬で、
バスの運転手に、

「降ります。」
「最終便ですが大丈夫ですか?」
「はい」


そんな短いやりとりの間に、
ボクは彼女に、

「うん」

と2文字返信していた。


”あの日、あの時、あの場所で、君に会えなかったら”
よくあるドラマのようなシチュエーションに、このフレーズが頭をよぎった。

待ち合わせ場所は、
初めての同伴のときと同じコンビニ。


時刻は23時40分。
もう明日を迎えようとしてる時間だけど、
ボクの今日はまだ終わっていない。
彼女に会うまでは。


妄想が膨らむ。

怒ってる彼女はどんな表情で来るんだろう。
もしかしたら、来るだけ来て、
罵られて終わりかもしれない。
ボクはイヤな妄想を頭のすみに追いやり、
更なるイメージを膨らませた。


きっと、
彼女はほっぺを膨らませて、
小さな手をぐぅにして、
ボクを押しつけてくる。


そんな幸せな妄想を描き、
時計の針に目を向けた。


ちょうど待ち合わせの時間、
コンビニを出てみたら、彼女の姿がはっきりと、見えた。



「あっ、想像と同じ」


小さな握りこぶしをコツンと
ボクの肩に押しつけ、
ふくれた顔で、
無言の表情から、
段々笑みが溢れてくる。


想像を遥かに超えた可愛らしさ。


「ごめんね。」
ボクの精一杯の挨拶


「もうっ」
ボクの肩を押してくる彼女の挨拶


たったそれだけの刹那の時間で、
すべてが解決したかのような、
やさしい空気が流れる



ボクらは、
初めて行ったカラオケボックスに
そのまま入ることにした。

 


止まっていた時計の針が、動き出した。