見出し画像

043_午前3時の告白

近くの焼鳥屋に入り、
結局、3時まで飲んでいた

23時半くらいから入ったから、
3時間ちょっとは、彼女と話していた

月曜夜に会って、木曜夜だから、
中2日しか経ってないけど、

話したいことが、
お互いにいっぱいあって、
48時間の空白を
お互いに埋め合うように、
話していた


もう4時間の遅刻も、
連絡がなかった2時間半も、
全部過去のことになっていた

ボクの目の前にいる彼女は、
そんなことを忘れさせてくれる

過去を見ても何も始まらない。
ただ、現在(いま)が楽しければ、
それで、それだけでよかった。


明日も仕事があるし、
さすがに3時を過ぎて、
ボクから声をかけた。

お店に行く時間でもないし、
もともとの同伴の予定が、
ただの飲みになってしまった。

キャバ嬢としての彼女にとっては、
何の売上にも、実入りにもならない。
冷静に考えると、
キャバ嬢として、それで良いのかな?
いや、決してよくないはず。


彼女曰く、
普通、待ち合わせ時間で、
30分も連絡なかったら、
お客さんから、
帰るねって、
LINEがくるよ、
早い人なら10分かな
こんなことは、初めてだよ


みんな待たないんだ。
まぁ確かに、
キャバ嬢に遅刻されるとか、
ボクも許せないし、
時間の無駄だよな。

だから、不思議。
いや、不思議ではないか。
きっと、
彼女のことを、
本気で好きになってしまったから。
ただ、それだけ。


やっぱり気になる。
彼女の中で、
ボクはどんな存在なんだろ。
やっぱりただの太客なんだろうか。

まぁ、そうだよな。
だって、1月は皆勤賞だし。
彼女の誘いには全部YESだし。
なんなら、それ以上に通って、
週3の常連だし。

連絡したら、来てくれるって、
かなりの太客だよな。


だから、きっと、
こんなことがあっても、
なんだかんだ、修復に入るんだろうな。
関係修復というか。

今日の同伴分は、
別日で取り返せるし、
それより、来なくなる方が、
よっぽど、困るよな。


なんて、冷静に考えてみたりもする
これがホントかどうかはわからないけど。


ボクらはお店をあとにして、
タクシー乗り場まで、
手を繋いで歩いた。


2月13日も、2月14日なっていた。
ボクは徐に彼女に言った

「俺、好きだわ、さやかのこと」
「えっ!ありがとっ」

少し不意をつかれたように、
びっくりした表情の彼女

続けて、
「付き合って」
即答で、
「家族いるじゃん(笑)」
ボクも即答で、
「だよね(笑)」


ボクにしては、
思いきった告白で、
当たり前の返事が来たから、
何かこのやりとりは、
気持ちがよかった。


ただ、これまでも、
何度か同じようなやりとりを
したことはあった。


けど、
いつか、「うん」って、
返事がくるんじゃないかって、
淡い期待を持っていた。


彼女をタクシーに乗せて、
ボクも違うタクシーに乗った。


2人のタクシーが、
1台になる日は、いつ来るのかな?