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088_思い出は非公開

4月になった。
彼女から連絡が来たのは、
2回だけ

彼女から連絡が来ると、
相変わらず、ボクは、
すぐに返していたけど、
いつものとおり、
ボクのメッセージが最後で、
未読スルーとなって、
連絡が止まる

最後の未読は、
4月17日


ボクも
彼女からLINEが来ないことに、
慣れてきていて、
彼女への依存性も、
物理的に会えないことで、
薄く、弱くなってきていた


もちろん、心のどこかで、
会えるのならば、
会いたいと、
思ってはいたけど。


LINEも未読のままじゃ、
打つ手は何もなく、
今までのことを考えると、
追加でLINEしたところで、
未読スルーになることは、
わかっていた

だから、ボクは、
彼女にLINEしなかった

LINEをすればするだけ、
その返信が来ないか
気になるし、
徐々に自分の心が乱れていくことが、
わかっていたから


そして、
月日は流れ、
5月30日(土)

1ヵ月以上も
彼女から連絡はなかった
ボクも連絡しなかった

1ヵ月も経ったから、
彼女のことを
忘れることができたか?

できるはずがなかった



時計の針を少しだけ戻すと、
バレンタインデーのお返しを渡した3月16日
一緒にご飯を食べていた時に、
彼女のインスタのアカウントの話になった

彼女のお兄さんがつけたあだ名が
アカウントになっていて、
そのあだ名の話を楽しそうに、
ボクに教えてくれた

彼女のインスタは、
非公開になっていたから、
「ねぇ、見せてよ」
と、ボクはお願いしたけど、

「嫌だよー」
と、彼女は拒んでいた

「すごい気になるじゃん」
ボクは、子どものように言ってみた

「嫌だよー、恥ずかしいじゃん」
と、彼女は笑顔で言った

その日から、ボクは、
この話を思い出したときに、
そのアカウントを見にいっていた
もちろん、非公開なので、中身は見れない



それが、今日、
なぜか非公開になってなくて、
彼女の投稿を見ることができてしまった。

インスタの投稿内容は、
彼女が友達と写ってる写真が
何枚かあるだけでだった。

今の彼女より、若い彼女が、
そこにいた。

(別に、見ちゃいけない感じはしないけど)

ボクは、そう思いながら、
若い彼女を目に焼きつけていた

きっと、何かの誤操作で、
非公開設定が変更されたんだ。
彼女が気づいたから、
また非公開になるんだろうね。

ボクは、数枚の彼女の歴史を、
眺めていた。