経営戦略という考え方ができてから長い年月が経っており、その間、学者による研究や経営者による実践がなされ、複数の考え方が確立されている。
ここでは大きく5つの考え方を紹介します。

①計画をしっかり立てる派(戦略計画学派)


企業が大規模な事業転換を実行したり、事業計画を立案し事業を進める方法です。そのための具体的手法としては、企業の意思決定をする際、重要度の高い意思決定(戦略的意思決定※)と日々の業務での意思決定(業務的意思決定)」とを分ける考え方であったり、製品や市場の情報(外部情報)を整理してマトリクスをつくり成長戦略の方向性を決めるなどがあります。
※例えば企業の将来的な経営方針や財務に関する意思決定

②状況に応じて対応する派(創発戦略学派)

「そもそも精度が高い計画って立てられるの?」という疑問から、立てた計画を実行する際に、環境変化や行動の結果をもとに、戦略を修正したり、新たに策を講じることに重きをおいた考え方です。またどちらかというと変化が読めない外部環境よりも、企業内部の分析を重要と考えます。

③周りを見て決める派(ポジショニング・ビュー)

業界を分析し、競争優位な立ち位置(ポジショニング)を確立した企業が競争優位になるという考え方です。他社や市場動向などの外部環境が重要となり、それを踏まえ、戦略を計画することになります。

④社内をよく見て決める派(リソースベースト・ビュー)

企業間の競争では、資金や設備など経営資源や組織力などが重要になるという考え方です。社内にある経営資源や組織力に注目して、洗い出しを行い、経営戦略を計画することになります。

⑤他者の動きを予測する派(ゲーム理論的アプローチ)

他社がどのように動くかを考え、駆け引きを行いながら戦略を立案する考え方です。現在では、流動的に変わる経営環境に行動経済学の考えも取り入れ、研究されており、より煩雑に考えられている。

歴史的な流れからの教訓

経営戦略の考え方は時代的な背景を踏まえ、上記①→⑤の順に変化してきた。ただ最新の⑤の考え方が最も正しいと捉えるのではなく、①から⑤まで全て重要な教訓があると捉えた方が良いです。それら教訓は以下のように考えます。
①しっかり経営戦略を立てよう!
②状況に応じて計画を変更しよう!
③業界を分析して、他社をよく観察しよう!
④社内の持っている経営資源、強み弱みを確認しよう!
⑤他社がどう動くのか、予測し、常にウォッチングしよう!

①〜⑤の教訓を念頭に経営戦略を立てるように心がけましょう。

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