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ポートレート 〜Dynaron 100mm F4.5〜

みなさん、お疲れ様です。
先日、フォクトレンダーのプロミネント
35と言う古いカメラをご紹介しました。

プロミネント35

1950年代の職人の息吹が伝わる
素晴らしいカメラです。
フォクトレンダー。と言えば、
ノクトン、ウルトロンなどの銘玉が
あって、マウントアダプターを使って
デジで撮れるから、Lマウントや、
Mマウントレンズはプレミアも付いて
お高いレンズとなっています。

が、

このプロミネント35マウントレンズは
デジでも使おうと思ったら、ヘリコイド
も必要だし、とても面倒な改造をしなく
てはならないので、ハッキリ言って、
不人気です。(笑)

特にこの100mm のF4.5。ダイナロン。
ディナロン?と言うの?と言うくらい
知らない。
素直にフィルムで撮影するくらいしか
使い道が無い。開放F値も4.5と暗いので、
レンズのレビューらしきものが
Webでもほぼ見当たらない。と言う
ニッチ、可哀想な文鎮レンズと言う訳
です。

しかし、100mmと言う焦点距離は
ポートレート好きの興味は引きます。

当時のフォクトレンダーの作例


ですが、写りはなんとも分からない
から出来るだけ安いのを探す。
オークションの相場を見ると、2万円
~8万円。使い続けるか分からない。
他に売れるアテも無いレンズに2万円は
リスキー。で、急がないし、有れば
ラッキー。くらいの気持ちで、ぶらぶら
とクラカメ屋に寄る時は一応探してみる。

そしたら、ありましたよ。
忘れられたような場所に、ひっそりと。
物陰になってるから、覗きこまないと
見えない。
クラカメブーム前の捨て値で置いてある
じゃ無いですか。値札も変色してる。
本来、そんなモンです。
いろいろもっともらしい説明付けて、
ウン万円。とか、あり得ない。
で、LEDで照らしても曇りも、バル切れ
、スクラッチも無い綺麗なレンズ。
レンズキャップ付き。
あまり出番も無かったのでしょう。
何年、何十年ここで眠っていたのやら。
ならば、陽に当てて、綺麗なお姉さん
に会わせてやろうと、撮影の時に持ち
出してみました。

ところで、その前に、このプロミネント
35。交換レンズがビックリする様な
仕組みで装着されています。
50mmはレンズのストッパーを持ち
上げての脱着だから、どうと言う事は
ありません。

レンズの爪を引き上げて
マウントにハメるだけ

ですが、この100mm。予備知識がない
とちょっと戸惑います。自分も知って
いた訳じゃありませんが、なんか、
面倒くさい、個性的過ぎ。とは聞いた
ことがあったので、なんとか装着出来た
のですが、「コレでいいのかぁ?」と
声が出るレベル。理由が分からない。
ヘンテコです。が、装着すると凄く
シックリ来る。

この小さな爪に
レンズの溝を引っ掛ける
こんな感じ
いわゆる、外嵌合

マウントの外からレンズを固定する。
って初めて見ました。
光漏れしないのか?コレでいいの?
フォクトレンダーの設計者になんで
こんな仕組みにしたのか?
どんなマニアックな人間が設計した
のか話しをスッゴく聞きたいところ
ですよ、コリャ、もう。

で、お待たせ過ぎの肝心の写り。

Kodak Colorplus 200

ピント合わせは正直楽じゃない。
近いとパララックスも出る。
最短撮影距離92cmと寄れない。(笑)
モデルさんも、またビョーキが出たか
って思ったろうけど、もう慣れっこ。

モデルさんの指でピント合わせで目に合ってる。

ですけど、歪み無く、コントラストも
いい塩梅。
髪も綺麗な描写で、解像力も高そう。

ボケ量はやはりそれなり

色乗りも自然か、ややマッタリ。
玉ボケは周辺はやはり口径食が出てる。
玉ボケの目立つ木々なんかを背景に
するとちょっとザワついたように
見えるのはボケ量が足りないからで
しょう。

Model LUNA

モダンな直線が多い背景だと意外にも
2線ボケは目立たず、遠くのガラスの
線も綺麗に描写されています。
衣装の線も綺麗だし、ピント面は
シャープ。
背景を選んで使えば、フィルムに良く
合う中望遠レンズじゃないでしょうか?

ピント合わせがやはり難しく、縦構図
は横でピント合わせてから、縦にして、
自分の身体を前後させて微調整。
36枚撮りで、良品18枚。打率50%です。
開放F4.5だから、背景を選ばないと
ボケ量は期待出来ないけど、レンズ
としては結構、イケてるかも知れない。
少なくとも文鎮では失礼だったかもです。
^^;

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