🇫🇷Dive into a trip in Paris, France / フランスパリのんびり旅

＜旅のあらすじ＞✴︎早くフランスに飛びたい方は飛ばしてネ

　大学2年生、夏終わり。あっという間に終わる夏休みを背に、周りの大学生が秋学期の準備をしているころ。初夏に取っておいたアイルランドでのワーキングホリデービザ（働きながら”ホリデー”を楽しめる、就労ビザと観光ビザを合わせたような、カジュアルでフレキシブルなビザ。多くの国で30歳以下が対象です）を手に、応援してくれた人たちに見送られ、日本を出発しました。
　結局、アイルランドで個人的な事件が起きてしまい、お仕事を見つける前だったのもあって、そもそもワーホリを決めた理由である、「ヨーロッパ旅」をしてから、日本に帰ろうと決めました（あと、高校生の時に留学していたオーストラリアにも寄りました）。

Paris / パリ

　さて、私のヨーロッパ旅のはじまりは、芸術と多様性の街、パリでした。「Paris」。何度聞いてもフランス語のParisの発音が好き。聞いたことがない方はぜひ聞いてみてほしい。私はParisと聞くとLe Festinという曲が頭に流れます。
　結論から言うと、パリに1週間半くらいいたのに、行けたのはエッフェル塔と、お友達が居候させてくれた場所から行けた、パリのイタリア街とチャイナタウンだけでした。……

パリのイタリア街のピザ。陽気なおじちゃんが作ってくれた。
きのこが入ってる料理って、外れない。なんでだろう。

エッフェル塔。チケットを取るのが遅かったので階段を登りましたがいい運動！
（早くにチケットを取ればエレベーター付きのチケットが買える）
登ってる時も降りる時も、下を見ちゃダメ

　それも、あらすじで書いた事件を体験したことが影響したと、今なら思えるんですが、その体験というのが、同意なしに体を無理やり触られたことでした（しかも、違う人ですが2週間であわせて2回）。（アイルランドの印象ズタボロになった。ごめんアイルランドさん。優しいアイリッシュも勿論いる）
　1回は紆余曲折ありながらも自分にも非があったけれど、2回目は完全に油断していたし、今も残る深い傷を刻まれました。男性家主と2人っきりになってしまい事件が起こったのですが、その直後のパリ旅行はさすがにまだ心が落ち着けない。怖い。ただえさえスリやぼったくりなど、軽犯罪が多いパリ。通常時だって、友達といたって、昼だって、常に目を光らせて自分の身と物を守らなければいけない。男性を目にする度に恐怖が生まれてくるのに、どうやってルーブルを楽しめよう。
　
　当時の私には、密室空間に行くのは少し厳しかった。エッフェル塔は、登るまではずっと動いているし、人口密度も、美術館に比べたら、小さい。そして、開かれた空間。その日は快晴で、今日なら外に出れるかも、そう思ったのを覚えています。賑やかなヨーロッパの街が曇ると、ダブリンを思い出してちょっと辛かったから。
　お友達にも背中を押してもらって、1人で地下鉄のチケットを買って、改札をジャンプして越えていく人（※ダメです）を横目に見ながら、エッフェル塔まで電車に揺られる。パリって本当に面白い。はっきり覚えているわけではないんですが、なんだか乗客が、面白かったり自由なことをしてる。路上ライブならぬ車上ライブもある。でも、そういうライブをしている人と目を合わせてはいけないような、そんな空気を他の乗客から感じることもあった。「パリって、旅行上級者が行くところだろう……」と、思った気がする。

　エッフェル塔には、日本人もいたし、色んな言語を話す人々がいた。世界の人たちが、この細長い塔に集まるの、面白いな〜と、思った。世界の縮図みたいで。こうしてみんなで景色を楽しんで、階段を上り下りして、展望台にあるお店のコーヒーを飲んだり、マカロンを食べたり。未だに世界中で戦争があって、飢えてしまう人がいて、大切な人を失う人もいるなんて、信じたくなかった。300m弱の塔の上から、美しくて冷酷な、世界を見た気がした。

　エッフェル塔を降りるとガラスのゲートを抜けるんですが、ゲートの前に物売りの人がいっぱいいる。エッフェル塔のキーホルダーを一本の細い棒に通して、その棒をじゃらじゃらと鳴らしながら待っている。お気づきの通り有名なぼったくりの物売りです。多分もう根付きすぎてガードさんたちも放っておいているし、むしろパリの風物詩？いや好ましくはないんだけれど（笑）。
　お友達からこの人たちの話は聞いていたので、華麗にスルー。なんかでも、少し申し訳なくなる。かわいそうに思える。ぼったくりの物売りたちは肌が暗い人が多くて、これは大きな社会問題なんじゃないかと、思わざるをえない。これが、移民問題なんだろうなと。移民を多く抱えるヨーロッパだけれど、課題も多い。その一端をこの目で見た気がした。

　そんなことを考えながら、エッフェル塔のそばにある川を散策。
　私はやっぱり、不特定多数の人々で溢れる場所は苦手だなと、息を吸いながら思った。もちろん、いつかパリにまた行きたくなるかもしれないし、一人旅かそうでないかも、感覚を左右すると思う。でも、この時は、すごく疲れたな。元気が、エネルギーが残っていないと、私はパリを楽しめない気がした。

川沿いの歩道。
ベンチとゴミ箱がたくさんあって、運動する人、カップル、家族、観光客、ペットの散歩、いろんなかたちでたくさんの人が訪れる。

　「パリ症候群」という言葉があるらしい。パリは美化された観光地イメージと実状の乖離があるのだと。
　今回のヨーロッパ旅を通して私が感じていくことですが、「何が好きで何が嫌い/苦手なのか」、つまり、「私はどんな人なのか」という問いに対するヒントをパリで得られました。
　短絡的に考えてしまえば、「私はパリが好きでなかった」と悲しい感想に聞こえるけれど、「不特定多数の人がいる場所が苦手だ」、「刺激の多い場所が苦手だ」、そんな風に自分を知るきっかけになったので、行って良かった。パリに居心地の良さを感じる人もいれば、フィンランド、カナダ、メキシコ……他の国に居心地の良さを覚える人もいる。同じ国でも、東京と大阪でも違うように、この世界は広くて、面白くて、偶然や驚きに満ちている。

　現状に楽しさを見出せなかったり、辛い思いをしたりする人たちが、それに気づいて、一歩踏み出してみて、一人ひとりが優しさや愛が伝播するような、温かく楽しい生活を送れたらいいのにな〜と、記録を書きながら、心底思う。
　これを書くとさ、ほんと、ああ夢想家のようなことを言っているなと、思うし、思われることもある。でも、思い描かない未来は描けないんだ。「知らない選択肢」は「選択肢」に入らないように、想像しない未来は存在しない未来なんだ。だから夢想家でもいい。
　何歳になっても、夢を持っていい。何歳から勉強したっていい。世界に飛び出したっていい。留学したっていい。違う学校に行ってみてもいい。
　失敗かどうかなんて、やってみなきゃわからないんだから。100年のゲームだ。好きなことを、守りたいものを守れることを、やっていきたい。大層なことはできないかもしれないけど、それでいいんだ。

　旅を通して、たくさんの好きなこと、わくわくすること、自分のこころが踊るものを感じることができた。これからゆっくりと書いていきたいけれど、そんなことがあって、「ああ、意外と自分ってちっぽけだな、いい意味で」と思った。
　スティーブジョブズでも代わりがいて、今日もAppleは回ってる。完璧主義だった自分が、自分を無意識に過大評価しては社会の目を気にしていた自分が、”ただの旅人”として、肩書きも大学名もいらない、素朴な旅を通して、優しさと愛で溢れた人たちに出会って、美味しい食べ物に出会って、自分の好きなことをしていこう、それで世界をちょっと、今夜はコンセントから充電器を外して寝ようとか、今日は水をめーっちゃ少なくしてお皿を洗おうとか（※母ちゃん、おれは外国ではちゃんとこれをしてたんだよ）（※日本でもやってください）、今日はいつも仲良くしてくれる友達にありがとうと言ってみようとか、そんなレベルでいい、小さなことをやって、世界をちょっとずつ良くしていこう。私にできることからでいい。あなたにできることからでいい。

　社会のためってなんだ、世界のためってなんだ、そんな風に興味を持った人から、ちょっとニュースを注意して見るとか、世界に興味がある人と話してみたりとか、海外に行ったことがある人に面白い話を聞かせてと連絡してみるとか（海外に行く人ってだいたいみんなおもしろエピソードがあると勝手に思っている）、そんなことをしたらいい。
　旅がしたければ、今すぐ飛び出してみればいい。「今この瞬間の自分が一番若い」と、どこかで目にした。羽ばたいて行こう。人生、楽しんでみよう。枠にハマらなくていい。自分の道を自分で選んでみたらいい。よっぽど危険なことに遭わない限り、なんだかんだ人は生きれるから。なんだかんだ次に進めるから。

　だから私は、次の目的地をフランス西部、落ち着いていて綺麗な観光地ナントに決めて、お友達と別れてスーツケースを転がしながら、長距離バスに乗ってパリを出た。

𝑻𝒐 𝒃𝒆 𝒄𝒐𝒏𝒕𝒊𝒏𝒖𝒆𝒅!
𝑁𝑒𝑥𝑡 𝑠𝑡𝑜𝑝: 𝑁𝑎𝑛𝑡𝑒𝑠, 𝐹𝑟𝑎𝑛𝑐𝑒(𝐵𝑟𝑒𝑡𝑎𝑔𝑛𝑒)🍷

これまでの旅記録🕊️随時リンク更新🌱

＜フランス🇫🇷＞

・パリはこちら

・ナントはこちら
・トゥールーズ
・Le Puy en Valey

＜スイス🇨🇭＞
・シュピーツ/インターラーケン（意味:between lakes）
・ベルン

＜イタリア🇮🇹＞
・トリノ

＜スペイン🇪🇸＞
・バルセロナ

＜フィンランド🇫🇮＞
・ロヴァニエミ

＜タイ🇹🇭＞
・スワンナプーム国際空港

＜オーストラリア🇦🇺＞
・メルボルン
・アデレード

＜日本帰国✈️＞
・パース空港（オーストラリア）、シンガポール空港、羽田空港