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ベターじゃなくてグッドを

「ならベストじゃなくてグッドを目指さんとな」

どういう話の流れだったか忘れたけど、あるとき友人が言ったこの言葉が強く僕の中に刺さっている。

◆◆

ある映画監督が、「僕が絶対に守るのは予算と納期」と言っていた。

それを聞いた時、いろいろと合点がいった。監督の作品を見ていると一視聴者として、「この人なら、この作品はもっともっと磨いて違う形にできたんじゃないだろうか」と思うことがあった。
彼はインタビューで、自分はそのときの案件で、その枠でできることを最大限にやる、ということを語っていた。
それは真実なのだと思う。
本当はもっとこうしたい、という部分もあったのかもしれない。
けれどそれがその時その条件、制約の中でできる一番良いものだったのだろう。
それを「妥協」と呼ぶべきなのかは、本人にしかわからない。

◆◆

続けていると、恵まれた条件で勝負できないことはたくさんある。

あらかじめ決められた制約だけじゃない。突然の想定外なアクシデント──急にものすごくお腹が痛くなるとか、機械が誤作動するとか、季節外れの大雪が降っただとか、そういったことでも簡単に舞台ははちゃめちゃになってしまう。

そのときただ何もせず、こんな運命に導いた天を呪うのか?
ベストでできないなら仕方ないと諦めるのか?
あるいは、ベストじゃなくてグッドを目指すのか?

今週もそういうことがあって、ふと、僕は友人のあの言葉を思い出したのだった。
ベストが出せないのなら正解はない。君がグッドをやるしかないのだ。あの日友人は何を思っただろう?

2023.7.19 心斎橋pangea ありがとうございました。




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