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微生物の寿命について考えました。微生物は無限に増える?

コチラの記事は、追記して新しい記事にしています。そちらもぜひ。

-----以下は旧記事です。

細胞は増えます。一つの微生物の細胞が一晩たったら一億個、なんてことも決して珍しくありません。では、細胞は無限に増えることができるのでしょうか?

ビールやパンを作る際に活躍する酵母。酵母には、出芽といって芽を出すように増えるタイプのものがいます。そして、出芽のたびにお母さんにあたる細胞(母細胞と言います)に「出芽痕」という構造ができます。ひとつの細胞の出芽回数は、文献によれば平均で23.9回。無限に増える、というわけではないようですね。

私たち人間を含む真核生物。真核生物の染色体には「テロメア」という構造があり、これが細胞分裂の回数を制限しているのでは、とも言われています。「命のろうそく」なんて表現もされますね。「テロメア」が寿命に関わっているかはともかく、私たち人間は少なくとも寿命が存在することは事実です。

ところがどっこい、私が調べた範囲では、乳酸菌など細菌において分裂の回数を
制限するような仕組みは見つかりませんでした。微生物には寿命がない、とい言われている文献もありました。

では、この文献のとおり、本当に細菌に寿命はないのでしょうか?確たる証拠はありませんが、だからと言って、寿命がない、とも言い切れないんじゃないのかなあ、というのが私の意見です。

というのも、細菌はどんどん増殖していくと、一定の割合で遺伝子に「変異」が発生します。そうすると、元の細菌とは性質が変化してしまいます。そうすると、もりもり増えている細菌も無限に「同じ性質のまま」増え続けることは難しいわけです。ある意味、「元の性質」は「寿命を迎える」とも言えるのではないでしょうか。

「不老不死」「永遠に変わらない」というのは、どこか憧れるところもありますが、どんな生物にとっても非常に難しいものと言えそうです。変化し続けて、やがて終わりを迎えることは、あらゆる生物にとって宿命づけられたものなのかもしれませんね。

最後に、こちらの記事で微生物に興味を持たれた方。こちらの微生物写真集「微生物の世界」は美しい写真が満載でおすすめです。ただ、如何せん高額なので、大学図書館などで一度見てみてると良いと思います。


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