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LAQDAプロジェクトについて

みなさん、こんにちは。LAQDAの沢田です。
このページは、実証実験にご参加頂いた方向けに作成しており、どんなことをやっているの?ということを簡単にご紹介させて頂きます。

LAQDAはよく「生理用品の設置をしているプロジェクトですか?」と聞かれます。

この質問について、わたしたちは「違います。『生理用品のトイレ設置をきっかけにして、コミュニケーションをデザインするプロジェクト』です」と回答しています。

ーーなぜか。

わたしたちは、生理用品のIoTケース開発に携わる間に、この問題の本質は、単に「トイレに生理用品がない」ということではなくて「さまざまな『困った』ことについてのコミュニケーションをとれる環境がそもそも不十分だから」だということに気がついたからです。

過去の実証実験で、急な生理が発生し、困った経験がある人は95%にも登りました。このデータを最初に取った時、「こんなに困っているのだったら、もっと周りや社会を頼って良いのでは」と考えました。

弊社プレスリリースより(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000076687.html)

次に出た疑問は、「どうしてわたしたちの社会では、周りや社会を頼れないのだろう」ということでした。

生理や生理用品の話がしづらいことはわかります。でも、「言いづらい」ことを放置し続けることで、何十年も解決できない問題になっていくことに危機感を覚えました。

同じようなことはたくさんあります。わたしたちは、以下のような図を思い描きました。こんな風に、目に見える現象は複数あり、それぞれが単独でいるように見えます。

でも、これは、同じ原因があると思いました。

それは、「言いづらい」ことを言えない、という悩み。言えない結果、周りを頼ることができない。一人で悩むしかなく、抱え込んで無理をする。そんなことは多いのではと思いました。

そこで、わたしたちは、生理の経験のあるなしに関係なく、事象を正しく共有し、ともに考える機会を作ればよいのだということを考えました。これを達成できると、以下のように、みんなで考えられるようになります。

わたしたちの今までの活動の中で、生理に関することでも、サポートしてくれた人たちにジェンダーの差はありませんでした。現象について理解しやすいのは生理がある方かもしれません。しかし、「この問題を適切に把握し、どう取り扱ってあげたらいいんだろう?」と考える行為において、ジェンダーは関係なく、大切なのは、経験のあるなしではなく、みんなで考えられるものとして伝え、一緒に考えられる機会を与えることだと考えています。

生理用品の設置に関しては、1対1のコミュニケーションよりも間にモノを挟んだ方が話をしやすいと考え、生理あるなしに関わらず、抵抗感が低く取り扱えるケースを開発しました。

組み立て式で、簡易に扱え、安価なため、実証実験レベルで何個でも気軽に設置しやすいです。これなら予算がかからないので、施設の希望によって、女子トイレだけでなく、男子トイレや多目的トイレにも気軽に置けます。

弊社リリースより(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000076687.html)

男子トイレ・多目的トイレにも生理用品を設置するのは、LGBT配慮もありますが、生理の経験のない方には「生理用品を見たこともない」という方も多いため、知る機会にして頂きたいためです。

過去にたくさんの方と会話してきましたが、生理用品に限らず「見たこともない」ものを評価することは難しいことです。機能まで把握できていないとしても、これを機会に生理用品を使用しない方でも「ああ、あれね」と思える程度に馴染んでいただけるといいな!と思っています。

今後の目標

わたしたちは、この度の経済産業省 令和4年度 フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金に採択された事業で取得したデータを元に、生理ある人が働く企業や施設に対し「困っている人からの要請があった場合には、生理用品を置いてあげてほしい」という内容の提言書を作成する予定です。生理用品の置き方は問いませんが、困っている人の声を真摯に受け止める姿勢を施設にお願いしたいです。

1月は複数の企業や施設で、生理用品の設置実証実験と、各社内でのセミナーを実施して参ります。『困った』にジェンダーの差はありません。だれかの『困った』があったときに、みんなでどう解決していくか、わたしたちは今後も取り組んでまいります。

おまけ

*生理用品のケース施策については、TEDxKioichoでお話しているのでよろしければご覧ください。

TEDxKioisho|生理用品から見えてきた、言いづらい悩みを共に考える仕掛け作り


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