見出し画像

初めて生でお笑いを見た話。

先日、3月9日にM-1ツアーin愛知を観に行った。人生初めての、M-1ツアー。そして、人生初めての生で見るお笑いだった。今回はその記録。

芸人さんの出番の順序はほとんどM-1グランプリの順位の順番だった。ネタの内容については触れず、劇場ならではに感じた事を書く。
敗者復活戦ネタ、決勝戦のネタは、M-1グランプリ公式YouTubeチャンネルでまだ視聴可能のため、見ていないという方は見てみて欲しい。

日本特殊陶業市民会館フォレストホール
三階席からの眺め
遠くて見えない所があるかと思ったが、
しっかり顔まで見えた。

キュウ

引用:M-1グランプリ公式Twitter
左:ぴろさん 右:清水誠さん

人生初めて生で見る漫才師はキュウとなった。
ゆっくり静かに始まり、絶妙で独特で強烈な間の使い方をする、2020年に初めて見て感動したコンビだ。2人とも同じ愛知出身なので少し運命的。

ネタは「てててんて」。
やはり、すごい間の使い方だった。2020年、挨拶の静かさに驚かされた。本当に静かな「キュウです。お願いします。」と静かなお辞儀だった。
最初、「てててんていいよな〜」と言い出した時は「ん?」となるのに、謎が分かり、システムが分かり、それを裏切っていくぴろさん、ルールを指摘する清水さん。だんだんごちゃごちゃになっていくのに、しっかり展開が分かり、表情や間に思わず笑ってしまう。本当にキュウだった...!!

ヘンダーソン

引用:M-1グランプリ公式Twitter
左:子安祐樹さん 右:中村フーさん

去年、「知らないコンビ」だと思って見た3回戦ネタで、「聞いたことがある声」である事に気づいて感動した。石焼き芋やズボンを下げるネタがコントだったので、勝手にコントをされるコンビだと思い込んでいた。感動の再会のような感覚。

ネタの前に中村さんが「石焼き芋」の歌を歌ってくださったのだが、いい歌すぎてしんみり黙って聞いていたら、全部歌いきって中村さんは「地獄やないか!!」とツッコミを入れ、笑いが生まれた。劇場ならではであろう絡みに感激した。

ネタは「先輩とご飯」。
ネタの途中、いつも中村さんが入れる一発ギャグ「だめだなぁ」。そこで会場で拍手笑いが起こった。いつもは2回続けて「今めっちゃスベッたな」というのだが、中村さんは4回程続けて「えっ俺売れたんか?😳」と言ってきた。その一言で会場はより大きな拍手笑いに包まれた。この対応力には圧倒された。子安さんも元の調子に戻すように回していて凄かった...。

男性ブランコ

引用:M-1グランプリ公式Twitter
左:浦井のりひろさん 右:平井まさあきさん

キングオブコント前に「授業参観」のネタで大好きになったコンビ。キングオブコントも準優勝で、漫才も出来るのかと3回戦ネタを拝見した時はお腹がちぎれそうになったのを覚えている。

出てくるやいなや、平井さんは四階席まである会場を見て「まるで棚田」「棚田人間」「人はいつか棚田人間になる」と、名言染みた謎のことを言
い出し、浦井さんは「そんなこと誰も言ってない」とツッコミを入れた。ネタ前にいつもする自己紹介。「浦井と平井です」と自己紹介した後、今回は「帰る頃には忘れてると思います」と言い会場は笑いに包まれた。

ネタは「焼肉屋」。
言葉選びが独特で、平井さんの絶妙に気持ち悪い動きが会場を動かしていた。ツッコミを入れる浦井さんも我が子を叱る優しいお父さんの様で、見ていてホッコリするし笑っちゃうしで、とても素敵だった。

金属バット

引用:M-1グランプリ公式Twitter
左:小林圭輔さん 右:友保隼平さん

出てきた瞬間「ほんとにあの格好や!!」と感激した。何より、出囃子が本当に「拍手」なのを確認出来て凄く嬉しかった。

友保さんが「4階まであんねや!!」と驚いた様子。「これ見える?」と4階席に向かって中指を立てる友保さん。小林さんが「見えてないんとちゃう?」と言ったあと、友保さんは両手の中指を立てて「うぇ〜い!!!」とやり、会場が笑いに包まれた。治安の悪さが画面で見るそのままで感激した。

ネタは「納豆」。
ネタになると小林さんが急にヤバい人になるのが大好きだ。友保さんが詳しく聞いていくうちに、どんどんおかしいことを言う小林さん。友保さんが投げる「あっかんゲボ吐きそ」「だめだラリってるわ」などの金属バットの風貌だからこそ、より笑える言葉がツッコミで現れるのが最高だった。

ランジャタイ

引用:M-1グランプリ公式Twitter
左:伊藤幸司さん 右:国崎和也さん

名前が出た瞬間「あぁっ‼️」と息のように声が漏れてしまった。2020年の敗者復活戦から、YouTubeの全ネタ、ラジオ、トークライブ、コラム等も拝見している大好きなコンビだ。

登場するやいなや、国崎さんは「ダイタクです」といつもやっている大嘘をつく。伊藤さんは「ランジャタイですよ」と、まだ「タクとタクでやってます」とボケ続ける国崎さん。「タクタクじゃん」とツッコむ伊藤さん。内心「生で見れた...!!」という感激でいっぱいだった。

ランジャタイも階数について話し始める。国崎さんが「2階席凄いですね。全員要潤。」と言って会場が笑いにつつまれる。伊藤さんは「一人しか存在しないよ」。すると、国崎さんが「3階席は...」と、そこで私は「あっ!!」とマスクの中で口が開いた。

国「嘘だろ...!?3階席に...クワバタオハラがいる...!!」

永野さんのネタを全力でやってのける国崎さん。他の県の会場でもやられていて、噂になっていたものが、私の眼前にある事実に感激しきっていた。ちょうど3階席だったのでさらに嬉しかった。その後は拍手芸もやり、客とタイミングが揃ったのに、揃わない気持ち悪い!となかなかネタをやろうとしなかった。

ネタは「谷村新司」のYouTubeにはないバージョンだった。ずっと変なことをやり続ける国崎さん。見つめる伊藤さん。ネタ中おかしくて自分で笑ってしまう国崎さんの笑い声も聞けた。だが、まだまだ兵器があるのが今のランジャタイ。ネタの終盤には、伊藤さんのカツラを国崎さんがぶんどり、角刈りが登場(長年維持し続けた綾波レイを模した髪型を、『相席食堂』という番組で、ロケVTRのエンディングの一瞬のために角刈りにし、普段はカツラで元のスタイルにしている)。その瞬間会場が爆発するんじゃないかってくらいウケた。去り際、角刈りの伊藤さんが客席に向かってお辞儀しているのを見て胸がキュッとなった。

モグライダー

引用:M-1グランプリ公式Twitter
左:芝大輔さん 右:ともしげさん

ランジャタイがラジオ等で喋っていたことで認知したコンビだ。3回戦で見た「玉置浩二」でめちゃくちゃ笑ったのを覚えている。

登場した時、芝さんが「どうも、ダイタクです。」「ダイダイでやってます」「ほんとだ2階席みんな要潤ですね」「嘘です」とランジャタイに被せててボケる姿に、みんな仲が良いことを知っているので会場は笑いに包まれた。この様子をTwitterで呟いたら、1000件以上のいいねがついて驚いた。みんながランジャタイとモグライダーの絡みが大好きで、それを共有出来ているというのがとても嬉しかった。

引用:Twitter

ネタは「吉川晃司」。
ともしげさんがたくさん間違えてらっしゃるのを見て、本当のミスなのかネタ通りなのか全く分からない芝さんの生で見るツッコミさばきに、圧倒された。金属バット、ランジャタイ、モグライダーの並びはとても最高だった...。

ゆにばーす

左:はらさん 右:川瀬名人さん

出てきた瞬間、はらさんのゆるキャラ感が本物で感動した。川瀬さんも本物...!!出囃子が「あられちゃん」なところが可愛らしかった。

昨年のM-1グランプリのゆにばーすといえば、拍手芸で盛り上げた後、はらさんがシリアスな雰囲気で「悩みあんだよ」と放つツカミが印象に残っていた。ネタ前に拍手の量で二人で競ったのだが、はらさんが盛り上げた勢いそのままに「足踏みも!」とQUEENの「We Will Rock You」のテンポを観客と合わせ、めちゃくちゃな英語ではらさんが歌い上げていた。

ネタは「ラジオパーソナリティ」。
見る度におもしろくなるゆにばーす...。2020年の敗者復活戦は一番笑ったのを覚えている。生で見るとやはり味わえる笑いの感覚は違った。

M-1優勝が目標の川瀬さんは、M-1ツアーは成長がないと呟いていた。初めて脚を運んで、確かに、みんなやりたいことをやっていて、客も私のような素人もいて、四階席は遠くほとんど見えないだろうから、M-1で勝つためのものではないなと感じた。名人だ...。

真空ジェシカ

引用:M-1グランプリ公式Twitter
左:ガクさん 右:川北茂澄さん

2020年の2回戦ネタで、見た目が面白そうだったので拝見して好きになったコンビだ。

ガクさんは普通に登場されたのだが、川北さんは後ろの掲げられた4本の幕を使ってキャプテン翼の真似をしながら登場された。

ネタは「マンションに住みたい」。
ガクさんが漫才を始めようとしているのに、川北さんは「そっか、大会近いもんな。」「漫才してる暇があったら練習したいよな。」と、R-1グランプリでサツマカワRPGさんが披露した「放課後」のネタをなぞり始めた。この瞬間、爆笑が起こる会場に感動した。「みんなR-1を見ている...!」人生初の感覚だった。

終盤、川北さんが仰向けに横になり、ガクさんが覗こうとすると脚がピクっと動き、驚いてガクさんは逃げてはけたのだが、そこから照明が暗くなり、川北さんにだけピンスポが当たった。川北さんは一連の動きが蝉の真似であること、ホントのセミとちょっと違うところ(本当の蝉は脚を開いていると生きていて閉じていると死んでいるが、川北さんは逆でやっていた)が本当に面白いところと、仰向けのまま説明。会場は状況のおかしさに爆笑に包まれ、真空ジェシカだけしっかり暗転していた。でも、川北さんは白のジャケットなので少し見えた。笑

もも

引用:M-1グランプリ公式Twitter
左:まもる。さん 右:せめる。さん

名前だけ知っていて、1回戦1位通過、3回戦で見て結成4年目とは思えない!と驚いたコンビだった。

似てるって言われる芸能人、湯浅と答えるまもる。さんに、せめる。さんが「言うとしたら僕〜」と真空ジェシカガクさんのお決まりのセリフを真似した。やってから袖に向かって二人でお辞儀をされていて、会場は笑いに包まれた。

ネタは「自慢出来ること」
生で見る2人の「なんでや!〇〇顔やろ!!」が聞けて感無量...。開演してから、終始肩が上がって胸の位置で手をギュッてしたままで感動していたのだが、他にも「せめる顔がまもる。で、まもる顔がせめる。です〜」「それが人生」「でた名言👉」など、画面の向こうの事が全部目の前で見れて、涙出るんじゃないかというくらい感動した...。

ロングコートダディ

引用:M-1グランプリ公式Twitter
左:堂前透さん 右:兎さん

天ぷらとコンパするネタで大好きになったコンビ。キングオブコントもM-1も決勝まで登る二刀流実力派。もっと評価されるべきだと思っていたので、名前が広まってくれて凄く嬉しいコンビだ。

兎さんは普通に登場したのだが、堂前さんはゆっくりスマホ片手に現れた。そして、真ん中に立ちスマホで自撮りをしだした。「なにしてんねん」と兎さんがツッコミ、堂前さんは「キャラ作りがしたい」「しっとり自撮りをするフワさん」と言い放った。

ネタは「先輩とカラオケ」。
画面上で見たままの姿に感激した。ほんとに兎さんぽよぽよだし、堂前さんほんとに顔ちっさいしゆるゆる。堂前さんの言うことに兎さんが戸惑っている姿だったり、全てが見たまま憧れたまま。堂前さんは「うふふ」とすっごい上品に笑われるのだが、それも聞けて感激した。ボディががら空きだったからと言う理由だけで、いつもは頭を小突くところ、急にパンチを兎さんに入れる堂前さんと、ひつまぶし出るて!とツッコむ兎さんの絡みもとても面白かった...。

東京ホテイソン

引用:M-1グランプリ公式Twitter
左:たけるさん 右:ショーゴさん

出てきて、たけるさんがジャケットのボタンをとめ、ショーゴさんがグッとセンターマイクを上げた。それを見て脳内は「あっ...!!」となる。

「い〜や‼️囲碁将棋の位置〜‼️」

生で見れた...。
ネタは「回文」。
たけるさんの「い〜や‼️」は全て拍手笑いをかっさらった。ショーゴさんが会場の雰囲気から汲み取って回文を作ると言い出し、たけるさんは「俺が出来るかぁ?!」と困惑。やってみるも、、
た「無理だぁ‼️」
シ「いつも即興じゃないの?」
た「練習の賜物だあ‼️」
言葉の全てが笑いを起こす。このシステムをいろんな芸人さんが褒められているのをラジオやYouTubeで聞いたが、テレビで見るものと本当の観客のいる中で見るものはこんなに違うのかと心が踊った。

インディアンス

引用:M-1グランプリ公式Twitter
左:田渕章裕さん 右:きむさん

一昨年は早口過ぎて着いていくのに必至だったのだが、去年の決勝は抜群に面白くて大好きになったコンビだ。

インディアンスのお2人は、名古屋に前乗りなさったようで、田渕さんはすでに手羽先、味噌煮込みうどん、そしてケータリングにひつまぶしを食べたと話し、お腹を指さして「ここが名古屋」と笑いも食べていた。きむさんはいつもと衣装が違く、緑っぽいすらっとした衣装を着ていた。

ネタは「結婚記念日」。
生で見るインディアンスは光の速度だった。誰よりも終わるのが早く感じた。でも満足感は凄かった。ネタ終わりに見せる決めポーズも見れて、胸元のひまわりがキラキラ見えてとても素敵だった。

オズワルド

引用:M-1グランプリ公式Twitter
左:畠中悠さん 右:伊藤俊介さん

ゆっくり出てきてゆっくり「伊藤と畠中でオズワルドです」と、伊藤さんによるいつもの自己紹介が見れて感激した。
「オズワルド大ファンだよって人✋」と、手を挙げてもらう件を行い、チラホラ手を挙げる人が見られ「オズワルド見たことあるよって人✋」と問うと全員が手を挙げた。

畠「見た上でファンにならなかったと。」

会場は大笑い。このくだり、他の会場でも話題になっていたので凄く嬉しかった...。

ネタは「夢」。
説明しようとしたら畠中さんが続行不可能なぐらい噛み、もう一度挙手のくだりからやり直そうとして伊藤さんが「そこはもういい」とツッコんだ。テレビか何処かで見かけたネタだったので、生で見られることに感激した。テレビで見るままの本当のオズワルドスタイル。「どうもありがとうございました」と静かに一礼する姿も見れて、本当にこんな静かなんだ。畠中さんほんとにやばい人だ。と感激した。サスペンダーの衣装もとてもかっこよかった。

錦鯉

引用:M-1グランプリ公式Twitter
左:長谷川雅紀さん 右:渡辺隆さん

昨年王者の錦鯉が大トリ。一昨年のENGEIグランドスラムで初めて見てから大好きなコンビ。

まさのりさんが大きく手を振って登場し、「こーんにちはー!!!」。会場はそれだけで拍手喝采。渡辺さんが「うるせぇな」となかなかひっぱたけず10秒ほどこんにちは状態。渡辺さんが「ひと仕事残ってるので...」と言ってから「うるせぇな」パチンとまさのりさんの頭を叩いた。

「4階席まであんの?凄いな〜」と見上げ手を振るまさのりさん。「4階席なんてハゲしか見えないでしょ」と渡辺さんが言うと、まさのりさんは「ずっとハゲてるよ!途中で生えたりしないよ!」と手で髪が生えるマイムをし、会場は笑いに包まれた。

ネタは「先生になりたい」。
生で聞く渡辺さんがまさのりさんを叩く「パチン!」という音は、マイクが拾ったのかってくらい、思ったよりおおきかった。本当に凄かった笑。

錦鯉のネタが終わると、緞帳が降り始めた。客席に手を振ってくださる2人。私も頑張って、顔が見えなくなるまで手を振った。

家の戸を開けると、そこには360度畑がある。歩いても歩いても、どこかには必ず畑がある。そんな、私の住む街。
背の高い名古屋の街は、何度来ても見上げてしまう。何度来ても慣れやしない。初めて一人で歩くあの街は、酷くつまらなかった。歩きながら、「本当に今日で合ってるのか」「本当に存在してるのか?」そんなことばかりが脳内を駆け巡る。会場に着いてからも、しばらくは疑いが消えなかった。

『マユリカのコンビ名の由来しってる?』
『二人の妹の名前から取ってるらしいよ!』

『ランジャタイがさ〜』

『サンドウィッチマンのツアー以来だなぁ』

そんな言葉が飛び交う開演前の会場。いつもは「ランジャタイ」と言って、身近な人が「?」を浮かべないことはまずなかった。ここでは私が口を動かさなくても、その名前が聞こえてくる。お笑いが好きじゃないと知らないような話題の会話が聞こてくる。

開場前に立ち寄った、アスナル金山のクルクルと回る飾り。ロングコートダディ堂前さんが「これが良かった!」と飾りを撮影した動画をツイートしていた。私も同じ物を見ていた。

「ケータリングにひつまぶしは最高!」と、私の県の郷土の物を嬉しそうに食べる芸人さんたちの写真。

全部に心が射抜かれた。


きっと、吉本の劇場やK-PROライブなどで味わえるものは、もっともっと凄いに違いない。

私の背の高い大きな街への憧れは、よりいっそう巨大なものになった。

あぁ、いいな。いいな。


この畑だらけの街には、私の望むものは無い。けれど、ここを出ていく立派な理由もない。

ただお笑いが生で見たい。本当にそれだけ。



素敵な体験だった。まだまだ夢心地だ。これは来年もきっと行くに違いない。本当の大人になったら、もっともっと、自分の好きなだけ、お笑いに触れたい。

春のこのツアーをやり切って、また夏から予選に挑み、決勝まで戻ってくる方もいると思うと、本当にお笑い芸人さんは凄い人達だ。この地に縛られている間も、できる限りの応援を届けたい。







この記事が参加している募集

#振り返りnote

84,703件

#推しの芸人

4,369件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?