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ありがたい

上皇后様のお言葉で

今までできていたことは『授かって』いたもの
それができなくなったことは『お返し』したもの

というのをテレビで拝見した。なんて素晴らしい考え方なんだろう。
わたしも年齢なのか、うつなのか、学生時代と比べて衰えたと思う部分がいくつかあって、その度に自分を責めたり、情けなく思ったりしていた。
しかし、どうだろうか。
できていたことは、当たり前ではなく、授かったものなのだ。自分がすごいとかではなく、お借りしていたものなのだ。これを聞いて、今できていることの多さと、そのありがたさを感じた。そして、できなくなったことはお返ししたもの。今まで借り物で得ていた力だから、と思うとスッと手放すことができる気がする。

ジムに行き、ランニングマシンで10分ほど走った。ハムスターになった気分だった。足があって、走れること、ありがたい。

接骨院では、焼き魚の身がほぐされるようにぐりぐりとマッサージをしてもらった。魚になった気分ですと言ったら、そんなこと聞くのは初めてですと返された。動かせる肩があること、ありがたい。

鳥獣戯画についての本を読んでいる。甲乙丙丁と続いていたことを初めて知った。もっとも有名なのが甲巻で、動物がたくさん登場する。絵巻物特有の、右から左へと場面が動いていくのが面白い。うさぎやかえるが生き生きと描かれていて、じっくり見たくなる。
そして、驚いたことには、描かれた植物や動物を手掛かりに、「秋の月の綺麗な夜」に遊んでいたと考えられるのだ。見所がこんなにもあるのだな。知らなかったことを知ることはありがたい。

明日は就労支援の体験に行く。緊張している。しかしだ。できることは授かったもの。自分のものではないのだ。そう思えば自分の持っているものなどもともとないのだ。だから失うものもないのだ。大丈夫。

今日も生きれてよかった。

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