心療内科に行ってみた①
自分と最も遠い場所にあると思っていた心療内科。体調が悪いのに、内科でも脳神経内科でも異常なしの診断を受け、ついに心療内科の門をくぐることになった。行ってみたら・・・すごく良い先生に出会えた。
これまでの検査
■過呼吸からの偏頭痛になったので、脳神経外科でMRIを取った。結果は異常なし。漢方を出してくれるということで、昨年10月~今年7月下旬までT先生の元に通った。
■カンピロバクターで腸炎になった際、せっかくなので血液検査をした。結果は異常なし。この時、空腹感(もはや飢餓感)があって食べ物を口にしても食事を受け付けないという話を先生にして、インスリンの検査もした。
その結果も異常なし。「ストレスかな?体をゆっくり休めてあげてくださいね」と言われた。
■7月に全身の力が抜けて卒倒した。脳神経内科を受診して検査をした。結果は異常なし。車いすの高齢者が多い病院で、先生から「あなたみたいに頭痛薬を飲んで寝られる人はまだ大丈夫」と言われた。
T先生のところに通っていることを話すと、「あの先生は信者さんが多いからね~」と。確かに、T先生は「気」の治療をよくする。「僕のところで直してあげられることはないから、T先生のところに通ってください」とまで言われた。
■新しい先生に会う度に症状の話をして、お金を出して検査するのに、結果はいつも「異常なし」。だんだんと、「体調悪いのは気のせいでは」「甘えてるんだ」と思うようになった。卒倒した後、T先生に漢方を出してもらおうと訪ねたら、ベッドに寝かされた。
「あなた、眉間に赤い点があるね」
「え?寝てる間についたのでしょうか」
「いやいや。僕には見える。これは悪霊やね。最近、事件の現場とか行った?」
いや、怖い怖い怖い怖い。ちょっととんでもない先生に当たってしまったと思った。夫に話すと、爆笑からの「ほんまに心療内科行きな」。
こうして、3週間待ちの末、会社の制度を使って心療内科に行くことになった。
40分も自分の話をしていた
記者の仕事柄、聞くことが多くて、今までに自分の話なんてしっかりしたことがなかった。
初めて心療内科に行った日。初老の男性、H先生が出迎えてくれた。
「どうぞ、よく来てくれました。何から聞いていきましょうか」
H先生は私に基本的に敬語で、とっても優しい口調で話しかけてくれる。心が折れそうだった私はこれまでの体調不良の話をして泣いてしまった。
「毎朝、4時台には起きてて、お巡りさんのところに行って・・・」
「本当にご苦労さまです」
「いろんな病院に行ったんですけど、検査はいつも異常なしなんです」
「そうですか。たくさん病院に行って本当にお疲れ様でした」
何を言っても肯定してくれる。結局、私は40分間、自分の話をしていた。
「先生、私は精神的に参っている状態なのでしょうか」
「今のあなたの体は実は正常に作動しているんです。価格が頭に入ってこなかったり、物を見てもよく分からなかったりするのは、脳がこれ以上はキャパオーバーだよーって言って、動きを抑えているんですね。
それから、体のあらゆる不調はあなたに出された赤信号です。こんなに赤信号が出ているのに、まだ働くんですか、というのが率直な感想ですね」
先生が続ける。
「実は今日はね、会社の制度をお使いでしょう。だからメンタル相談なんです。今日は診断名がつかないし、薬もあげられません。だけど、今の治療方法は少々あなたと合っていない気がします」
「じゃあ、先生のところに来させてください。明日には産業医の面談があるんです」
「産業医には、心療内科の先生からは休職を勧められたと言ってください。あなたの体には赤信号が出ている。今以上に無理をすると、うつになりかねませんよ」
そう脅されてハッとした。私の置かれている状況は今そんなに深刻なんだと自覚した。
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