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一人も付けていなかったマスクが義務化されたミラノ【ミラネーゼルカのミラノレポート 10】

現在ミラノで語学学校を開いているルカに、ミラノの街の様子について聞きました。彼はクオルス・リストランテとは長〜い付き合い。1993年12月、東京にイタリア語学学校を設立したルカは、クオルスのスタッフたちにもイタリア語を教えていました。

ルカ・サッコーニャ Luca Saccogna
ミラノ生まれ、ミラノ在住。1993年来日、東京、代々木にイタリア語学校CLUB ITALIANO設立。2016年ミラノにEURASIA LANGUAGE ACADEMY語学学校を開校。東京在住時、ランチに行った青山店でクオルス代表、高波利幸と意気投合し、今も交遊が続く。

感染者と死者が一番多い町となったミラノ

北イタリア、大変な状態に陥っていると全世界の報道で流されているニュースをご覧になったと思いますけれども、実際にそうなんですよ。
4月上旬の時点で、イタリアでは、ミラノが感染者と死者が一番多い町になりました。こんな酷い実態になるとは誰もが思わなかったですね。2ヶ月の間にイタリア全国、特に北イタリアの状況がガラッと変わりました。
1月末に政府から最初の法令が出された時に、政治家や知事たち自身も国民に向かってちゃんと緊急な状況を伝えられなくて、あまりにも真面目に取らなかったことで、ウィルスは密かに広がり始めました。

誰一人、マスクをつけている人がいなかった

僕と家族は日本に住んだことがあるので、1月から出かける時にはマスクを付けていたけれども、見慣れていない人たちに変に見られたり、露骨に滑稽な顔をしたりされました。ある時、反対側の通りを歩いている南米人に声を掛けられて「何やってんの?」と聞かれました。僕が「予防だよ!」と答えたら、ニヤッと笑って去って行ったこともありました。

2月〜3月末までは、毎日、感染者と死者が増えていき、病院たち、医者、看護婦陣が人手不足で、必要な機械、そのうちマスクも足りなくなりました。感染者が135,000人で死者17,000人という数字にエスカレートしてしまいました。

その間に、また、家にいるように新しい法令ができました。全国の学校がビデオコールで授業を行なうことになりました。家で仕事が出来る人はスマートワーキングをすることになりました。

法令は一段と厳しくなり、先ず義務的にマスクを付けなければいけません。家を出るのは買い物だけか、仕事か不可欠な用事のためです。
自分の地域から違う県、市に勝手に移動することも禁止されています。国中に警察、パトロールカーが監視しています。外に出る理由や証拠が見せられれば移動が出来ますが、もしも嘘をついたと分かったら200€〜3000€までの罰金があります。

ゴーストタウンに見えるミラノの街

ミラノはテレビで流されている記者のルポの背景に無人街、ゴーストタウンに見えます。昼晩に道端に誰もいません。
スーパー以外は全部閉まっています。お店、レストラン、学校、銀行は9時から13時の間だけ行けます、窓口には前を持ってアポをとれば行けます。
言うまでもなくスーパーには長い列ができ、お互いに2、3メートルの間隔を保ちながら待っています。
うちの学校も現在は閉鎖し、出来る範囲でSkypeレッスンをやり続けているところです。

前向きに、新しい生活に慣れることが必要

この状況に本当に複雑な気持ちです。でも前向きでありながら、新しい生活方式に慣れるしかないですね。
ニュースも、情報が溢れていてどれが正しいか分からないので、最近はあまり見なくなりました。それは本当なのか、そうでないのか、半信半疑ですね。ネットでも流れている情報が様々だけど、テレビで言われていないニュースを見ていますね。

ウィルスのことを軽視しないように、体に気をつけて!

日本の状況はイタリアよりずっと安定しているように見えますが、どうでしょうか。何れにしても、このロックダンが国に本当に悪影響与えていると思います。
家にいるよりは外に出て日差しに照らされたり、空気を吸ったりするだけに元気になりそうですね。僕の場合は家、実家、オフィスやスーパーまで、徒歩5分で行ける距離なので、今はそこまで生活に困っていませんが、全世界は時代が完全に変わるんじゃないかと言われています。

国によってこのウィルスの定着の仕方も違っていて、挨拶する時にキスしたりハグしたりする国は感染しやすかったり、そういった習慣のないドイツ人や日本人は感染しにくいと言われていますが、日本の皆さんもウィルスのことを軽視しないようにオススメしたいですね。出来るだけ早く免疫が出来ると良いですね。
どうか体に気をつけて!

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