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【準備中】 老子の現代語訳と書き下し文をはじめ、老子の考え方を様々な形で発信していきま…

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【準備中】 老子の現代語訳と書き下し文をはじめ、老子の考え方を様々な形で発信していきます。特筆しない限り、出来る限り原典を重視し意訳を抑える事に努めています。

最近の記事

第四十三章:形の無いものはすき間に入る

世の中で最も柔らかいものが、世の中で最も堅いものを突き動かす。形の無いものが、すき間の無いところに入る。 私はこの事から、無為が有益である事を知った。不言の教えと無為の益とは、世の中でそれに匹敵するものは殆どない。

    • 第四十八章:何も為さないで全てを為す

      学問を修めると日々増えていくが、道を修めると日々減っていく。減らし、さらに減らして、何事も為さないところまで行きつく。何も為さないでいて、しかもすべてのことを為している。 天下を統治するには、いつでも何事も為さないようにする。なにか事を構えるのは、天下を統治するのに不十分である。 【書き下し文】 學を爲むれば日に益し、道を爲むれば日々に損す。これを損してまた損し、以て爲すなきに至る。爲すなくして而も爲さざることなきなり。故に、天下を取るには、常に事なきを以てす。事あるに及べ

      • 第四十九章:聖人は無心

        聖人はいつでも無心であり、万民の心を自分の心としている。善良なものについては、私も善良とし、善良でない者についてもまた、私は善良とする。こうして万民の徳は善良なものとなる。 誠実な者については、私も誠実であるとし、誠実で無い者についてもまた、わたしは誠実であるとする。こうして万民の徳は誠実なものとなる。 聖人が天下にのぞむときは、心穏やかにこだわりを持たず、万民のために自分の心から好悪の気持ちを無くしてしまう。万民は、みなその聡明さを働かせているが、聖人は、万民をすべて赤子の

        • 第五十七章:正を以て国を治める

          正しいやり方で国を治め、奇策によって戦い、事をおこさないことによって天下を統治する。私は何によってそれを知るかと言えば次の通りだ。 世の中に禁令が多くなるほど、人民はいよいよ貧しくなる。便利な道具が増えるほど、国家はますます混乱する。巧みな技術を持つほど、悪事はいよいよ盛んになる。法令が細かくなるほど、盗賊はたくさん現れる。 そこで聖人はいう。私が何もしないと、人民は、おのずとよく治まる。私が平静を好むと、人民は、おのずと正しくなる。私が事を起こさないと、人民はおのずと豊

        第四十三章:形の無いものはすき間に入る

          第六十一章:大国は下流

          大国は下流に位置すべきだ。世界の流れが集まるところであり、天下の女性的なるものである。女性はいつでも、静かである事で男性に勝つ。それは静かである事で、へりくだるからである。 だから、大国が小国にへりくだれば小国の服従が得られるし、小国が大国にへりくだれば大国の保護を得られる。つまり、へりくだる事は服従を得る事であり、容認を得ら事でもある。 大国は小国を養おうと望むだけであり、小国は大国の傘下で仕えようとするだけである。両者がそれを望むなら、大きい者がへりくだるべきである。

          第六十一章:大国は下流

          弱さは強さに勝る:世の真実を照らす老子のことば

          刃物を鍛えて鋭くすると長持ちしなくなる。金銀財宝を一杯持つと、それらを守り続ける事が出来ない。富や名声を手に入れて傲慢になれば、みずから災難を招く。(9章) 背伸びしようとつま先で立つ者は長く立っていられない。早く歩こうと大股で歩く者はうまく歩けない。自ら目立とうとする者は誰からも注目されない。自分が正しいと主張する者は人から認められない。自分の功績を自慢する者は人から称えられないし、自分の才能を自慢する者は長続きしない。(24章) 自ら目立とうとしないから誰もが気づく。

          弱さは強さに勝る:世の真実を照らす老子のことば

          第六十八章:うまく勝つ者は争わない

          優れた武士は猛々しくない。戦いが上手い者は怒りに任せない。うまく勝つ者は敵と争わない。うまく人を使う者は相手にへりくだる。これを「争わない徳」と言い、「人を活用する」と言い、「天に匹敵する」と言う。古くからの最高の道理である。

          第六十八章:うまく勝つ者は争わない

          真実は常識の逆にある。世を見極める老子の言葉

          本当に正しい言葉は本来と逆に聞こえるものだ。(78章) 信頼できる言葉は華やかではなく、華やかな言葉は信頼できない。善人は口が巧みではなく、弁舌が巧みな人は善人ではない。本当の知者は博識ではなく、博識な人は本当の知者ではない。(81章) 本当に知っている人はあれこれ喋らない、よく喋る人は知らない。(56章) 曲がって役立たずに見えるほうが、生をまっとうできる。かがむからこそ伸ばす事が出来る。窪んでいるからこそ満たす事が出来る。破れるからこそ新しいものに変えられる。少ない

          真実は常識の逆にある。世を見極める老子の言葉

          第七十六章:生まるるや柔弱󠄃に、死するや堅強

          人は生きている時は柔らかいが、死ぬと固くこわばる。草木や万物も生きている時は柔らかく水々しいが、死ぬと枯れて堅くなる。だから堅くこわばっているものは死の仲間、柔らかくしなやかなものは生の仲間。 従って武器が堅ければ勝てないし、木は堅ければ伐採されてしまう。強く大きなものは下にあり、弱く柔らかいものが上にあるのだ。

          第七十六章:生まるるや柔弱󠄃に、死するや堅強

          第五十三章:道は平坦なのに近道を好む

          もし私にしっかりした知恵があるなら、大きな道を歩き、脇道に入り込む事を恐れる。大きな道はとても平坦なのに、世の人は近道を進みたがる。 官邸は綺麗に掃き清められているのに、田畑は荒れほうだい、米倉はすっかり空っぽなのに、きらびやかな衣服を身にまとい、立派な剣を腰に帯びて、飽きるほど飲食し、有り余る財産を持っている。これを盗賊の親玉という。道から外れている。 書き下し文 我をして介然として知どることありて、大道󠄃を行はしめんとするも、ただ施なるをこれ畏る。大道󠄃は甚だ夷かなるも

          第五十三章:道は平坦なのに近道を好む

          第四十一章:大器は晩成す

          優れた人間が道の事を聞くと、努力して実践する。普通の人間が道の事を聞くと、実践したり、また忘れてしまう。くだらない人間が道の事を聞くと大笑いする。笑われないようでは「道」とは言えないものだ。 故にこんな格言がある。本当に明るい道は暗く見える。本当に進む道は後退するように見える。本当に平らな道はでこぼこしてるように見える。最高の徳は谷のように低く見え、真に潔白なものは汚れているように見え、広大な徳は物足りなく感じる。 しっかりした徳を持つ人は怠けてるように見え、純粋なものほど

          第四十一章:大器は晩成す

          第三十三章:足るを知る

          人の事がわかる者は賢いが、自分の事がわかる者はさらに賢い。人に勝つ者は単に力のおかげだが、自分に勝つ者は真の強さを持つ。 満足する事を知っている人は豊かで、努力を続ける人はそれだけで既に目的を果たしている。自分本来のあり方を忘れない人は長続きする。たとえ死んでも、滅びる事は無い。

          第三十三章:足るを知る

          第八十一章:信言は美ならず

          真実の言葉は華やかではなく、華やかな言葉は真実ではない。善人は口下手であり、弁が巧みなものは善人ではない。本当の知者は博識ではなく、博識な者は本当の知者では無い。 聖人はものをため込まない。人々のために尽くしながら自分はますます充実する。人々に何もかも与えながら、自分はますます豊かになる。天は万物に利を与えて、害を与えることはない。聖人は何かを為しても争うことはない。 書き下し文 信言は美ならず。美言は信ならず。善者󠄃は辯ならず。辯者󠄃は善ならず。知者󠄃は博󠄄からず。博󠄄き

          第八十一章:信言は美ならず

          頑張らなくていい。競争社会に疲れた人へ送る老子の言葉

          曲がって役立たずに見えるほうが、生をまっとうできる。かがむからこそ伸ばす事が出来る。窪んでいるからこそ満ちる事が出来る。破れるからこそ新しいものに変えられる。少ないから得る事が出来る、多ければ迷ってしまう。(第二十二章) 自ら目立とうとしないから誰もが気づく。自らを肯定しないから誰もが認める。自ら功績を誇らないから誰もが称える。自ら自慢しないからこそ長続きする。(第二十二章) 背伸びしようとつま先で立つ者は長く立っていられない。早く歩こうと大股で歩く者はうまく歩けない。目

          頑張らなくていい。競争社会に疲れた人へ送る老子の言葉

          第六十四章:千里の道も一歩から

          物事は安定しているうちは維持しやすく、兆しが無いうちは手を打ちやすい。脆いうちは溶かしやすく、細かなうちは散らしやすい。ことが生じないうちに対処し、乱れないうちに収めるのである。 一抱えもある大木も毛先ほどの芽から成長し、高い建物も土台を盛る事から始め、千里の道も一歩から始まる。 何かについてことさらな事をする者は壊してしまうし、捕らえようとするものはそれを失ってしまう。聖人は余計な事をしないので失敗する事が無いし、捕らえようとしないから失うこともない。 人々が何か事を行う時

          第六十四章:千里の道も一歩から

          第六十三章:怨みには徳をもって報いる

          何もしないという事をして、なにも無いことを事とし、味がないことを味とする。小さなものをおおきいものとして扱い、少ないものを多いものとして扱う。怨みには徳をもって報いる。難しい事はそれが簡単なうちに手掛け、大き問題はそれが小さいうちに処理する。世の中の難しい事は必ず簡単な事から始まり、大きな問題は必ず小さな事から始まるのだ。だから聖人は大きな事は行わない。だから大きな物事を成し遂げる。 安請け合いをすれば信用は少なくなり、簡単に考えていると必ず難しい事が多くなる。聖人は些細な事

          第六十三章:怨みには徳をもって報いる