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米の使い方

ラオスの主食はもち米(カオニャオ)です。一晩浸水したもち米を翌朝早くに独特な蒸し器(フアット&モー・ヌン・カオ)で蒸し上げ、平らな板の上に広げ蒸気を一度逃し、適度な保湿性のある竹編みの籠(ティップ・カオ)に入れて保存します。夕方に硬くなったもち米は、また蒸し直して食前に並びます。

加熱調理する前の、もち米の粒を煎り、乳鉢と乳棒で叩いてパウダー状にすると、カオ・クア(煎米粉)が出来ます。ラープなどの和え物に香ばしさを加味し、調味料と具材を絡ませる役目も担います。

食べ残ったもち米は、柔らかいうちにビール瓶の底で平らに潰し、乾燥させて油で揚げた味なしのオコシ(カオ・コープ)を作ります。古都ルアンパバーンなどでは、麺料理のオプション具材として、割って汁に放り込み、麺と一緒に食したりします。

蒸したもち米を、ココナッツミルクや砂糖と一緒に炊き含ませ、一度冷まし、バナナの葉で包み蒸し直すと、甘味ちまき(カオトム)が出来上がります。主に仏教行事に対して作られます。

早朝に行われる僧侶と信者による托鉢。ここで喜捨されるものは、汁気のないもち米が多く、信者の功徳を積み立てています。

托鉢や仏教行事の後に寺院境内の建物や植物に小さな一つまみのもち米が着いていることがあります。これは、仏教の普及以前に主流だった精霊信仰の名残で、精霊への供物とされます。

もち米のあれこれ、でした。

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