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【過去記事】今年で5回目、東京代々木公園でラオスフェスティバル開催!

※本稿は、2015年5月に『ザイ・オンライン×橘玲 海外投資の歩き方サイト』に執筆した内容を、掲載元の許諾を得て掲載しています。
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日本で開催される海外フェスティバルのひとつ「ラオスフェスティバル」が、今年も東京・代々木公演で開催される。前週には同じアジアの国「タイフェスティバル」も開催された。年々来場者を増やしているラオフェスの内容は? とくに今年のラオフェスは日本ラオス外交樹立関係60周年などを記念して、例年にも増して力が入っているという。

 5月23日(土)・24日(日)の2日間、代々木公園でラオスフェスティバル(以下、ラオフェス)が行なわれる。実は、僕も縁あって実行委員会に参加させてもらった。ラオスのイベントと聞いて、大抵のアジア好きはこう思うだろう「タイフェスとどう違うの?」と。

 民族、文化、習慣、言語など多くの面でラオスとタイは近似し、両国は同じ国色と見られがちだ。東京で開催される両国のフェスの日程も1週間違いなので、タイフェスに行ったら「ラオフェスは、もういいや」と思うかもしれない。

 今回は、タイフェスとの比較も絡めながら、日本で最大のラオスイベントを紹介してみたい。

昨年は2日間で30万人の来場者を記録した「タイフェス」

 まずは歴史の長いタイフェスから。16年前に始まった「タイ・フードフェステバル」が来場者3万人(以下、人数は主催者発表)を集め「タイ米を日本に広める」イベントとしてスタートし、2014年には15周年を迎えた。同年の来場者は30万人(2日間)と大混雑した。食品ブースを手伝った知人は「1日中休む間がなかった」とこぼしていた。

 タイという国の認知度、ファンの多さを改めて知らしめる機会となったが、タイに行ったことのある日本人からは「あんなに混んでいたら、もう行きたくないなあ」というコメントも多かったという。過密しすぎた人。「のんびりとしたアジア」が好きな人たちにとっては、足が遠のいてしまうのだろう。

 一方、ラオフェスが始まったのは2007年。その年の来場者は7万人(2日間)で、それから徐々に動員数を増やし、10年に11万人、12年に15万人、14年に18万人となっている。早めに行けばブルーシートに座りながら食事も楽しめ、来場者からはゆったりと寛げるフェスティバルとして好評なようだ。

日本ラオス外交樹立関係60周年の「ラオフェス」は?

 5回目となる今年は、日本ラオス外交樹立関係60周年、ラオス建国40周年に加え、アセアン統合を迎える年でもあり、関係者は例年に増して力を入れている。

 今年の両フェスのブース種類と料金表はこちら。いずれも食が中心になっていることが分かる。

■タイフェス出店料
レストランブース:27万円
生鮮果物販売・生鮮果実飲料ブース:20万円
物産/サービス事業ブース:20万円
ドリンクブース:48万円

■ラオフェス出店料
飲食ブース:23万円
物販ブース:15万円
展示ブース:3万円
ケータリングカー:15万円

 来場者が外国のフェスに求めるものは、「食・聴・買・踊」の四つ。その中で最も手軽なのが「食」。

 タイフェスは前身がフードフェスだっただけに飲食カテゴリーが細分化されている。タイ料理は誰もが知る一大ブランドで、知名度の低いラオス料理 は、そのタイ国の東北地方イサーン料理にとても似ている。それはイサーン地方が19世紀までラオス領だったからなのだが、タイ料理が世界的に有名になって しまったので、ラオス料理はタイ・イサーン地方に似た料理として認知されることになる。

 タムマークフン(青パパイヤのサラダ。タイではソムタム)、ラープ(炒めた挽き肉の香草添え)、カオニャオ(主食もち米)、ナマズのスープ類など。ラオス、タイ東北部「イサーン地方」のいずれも海に面していないため、山河の食材がふんだんに使われている。独特の臭み消しのために、バラエティーに富んだ生の香草とともに食す。

 地勢的な条件もあるが、大人しいラオス人のPR力の弱さが故ともいえる。日本にあるラオス料理屋の看板の頭に、「タイ・ラオス料理」とついているのはそのためである。実はラオス人がシェフのタイ料理屋が日本に多いという情報もある。

2014年の飲食ブースの様子【写真提供/ラオスフェスティバル事務局】

 さて、ラオフェスの楽しみ方。例えば、タイ好きの知人がいた場合は、このような文句で誘っている。

「ラオフェスは、飲食ブースの半分以上が実はタイ料理屋で占められている。タイフェスほど混むことはなく、ゆっくりと料理が楽しめる。隣国ラオスの留学生たちとも触れ合える。モンドセレクションで金賞を獲得したラオス産『ビアラオ』は東南アジアでも人気のビール。アセアンで唯一の内陸国ラオスという、新しい発見があるはずだ」

 しかし、勝手にそんなことを言っては関係者から怒られてしまうので、ラオフェス主催者に話を聞いた。

「いやいや、今年は例年と違いますよ! 外国料理だけでは出店できないよう制限しています。出店条件はラオス料理を出すこと。ラオス風であること。看板にラオス料理と書くこと。実際、ケバブ屋が出るんですが、彼らは研究熱心で、なんとラオス風ケバブを開発中とのことなんです!」と力説してくれた。今年は過去最高のブース出店数を記録している。

 さらに、ラオス料理や飲み物のほかにも、ラオスのエンターテインメント、ラオスに関わる国際貢献・交流団体の活動紹介、ラオスゆかりのアーティストや企業によるショーや物産展、日ラオアーティストによる歌唱中心のメインステージとラオス語講座、ラオスダンスレクチャー、ラオスクッキングデモンストレーションなど文化紹介のサテライトステージなど盛りだくさんだという。今年から新設された情報案内ブースでは、現地発行のフリーペーパーやラオス関連の書籍・ガイドブックなどの立ち読みコーナーが設けられている。

本場ラオスからの歌手も登場(2014年)【写真提供/ラオスフェスティバル事務局】
締めは会場にいるみんなでラオスダンス(2014年)【写真提供/ラオスフェスティバル事務局】

 さて、ラオスの良さとは何だろう。メコン川の夕焼けを見ながら、炭火焼のピンガイ(焼き鳥)をほお張り、同国が誇るビアラオを流し込む。2時間も3時間もゆったりと、メコンの流れのように時の流れに身を任せる。そんなイメージを持つ人も少なくないはずだ。

 日本にいながらそんな“ラオス”に触れられるラオフェスが今年も代々木にやって来る。なんて書いていたらビアラオが無性に飲みたくなってきた。メコンの夕日は脳裏に焼き付いている。ラオフェスに行こう。ビアラオを飲もう。そして、ラオスを訪れよう。

 ラオフェスの公式サイトはこちらです。→http://www.laos-festival.info

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