塩も油も使わない野菜と肉のうまみだけで作るカレースープに挑戦
それは確信に似たものだったかもしれない。
フッと思いついてしまった。
「これなら簡単においしいカレーができるのではないか?」
「しかも油も塩も使わずに・・・・」
私が最近はまっている鶏めし。
この作り方は、至極単純なのだけれど、鶏のうま味をびっくりするくらいご飯につけてくれるという手法。
使う調味料は醤油のみといういたってシンプルなのだけれどマジで美味しい。
時々思う。
私たちは料理というものを学び始めてから、どんどん複雑な味付けを迷走しているのではないだろうか?
調味料を使いすぎているのではないだろうか?
そんな時、異常に美味しいカボチャスープに出会った。
味付けはカボチャだけ。そこにバターを少したらして終わり。
そんなスープ。だけどこれがなんとも美味しいのだ。
(先日の記事にしたスープです)
そして同じシェフが作ったカレーもいただく機会があった。
あっさりしているのだけれど、濃厚でおいしいカレー
胃もたれゼロ。
あのシェフの事だからきっととってもシンプルな方法で作っているのだろう。なにせ、キャベツをくたくたになるまで煮込んでスパイスをかけるだけで簡単カレーを作ってしまうくらいなのだから。
きっとそんな感覚を学び始めたからこそ思いついたのだろう。
ちなみに私のカレーつくり遍歴はおおよそ8年ほど前にさかのぼる
行きつけの整体の先生から教えてもらった南インドカレー。
スパイスのテンパリングやベーシックなカレーの作り方を学び、そこからは自分のアレンジも加えながら色々なカレーを作ってきた。
ある程度学んだところで、次はさんちゃんのスリランカカレーに出会う。温度とスパイスと旨味の関係を科学者の視点で分析したカレーはまた一つ私のカレーの新しい可能性を開いてくれた。
そして今回、山猫軒のカレーを頂くことで私にまた一つの発想がやってきたのだ。
「玉ねぎとトマトと鶏肉(もしくは豚バラ肉)とスパイスと醤油のみで、おいしいカレーつくれるんちゃうん?」
思い立ったらやってみたくなる私は雨の中スーパーへ買い出し。
近所では気に入る玉ねぎやトマトは皆無だけれど、なとなく輪郭をつかみたくて適当な玉ねぎとトマトと骨付き豚バラ肉を購入。
手法は簡単。
これら全部を圧力なべで加熱して、スパイスを入れるだけ。
どうせくたくたにするのだから、玉ねぎもみじん切りにする必要もない。
肉はちょっとだけ手間をかけて、醤油を少しスプレーしたあと、数分置いてから表面だけ焼いてあげる。
そんな材料をいれて、少し水を加え加熱。
えい!
とボタンを押す。
加熱時間は5分。
トマトと玉ねぎ程度なので、これで十分なのだ。
時間がたつとともに、部屋中に美味しい香りが充満し始める。
この時私は成功を確信していた。
この方法である程度方向は間違ってないはずだ。
ピーピーという音とともに圧力鍋が過熱を終える。
早く開けたい!
そんな衝動に駆られるが、圧力なべはそうはいかない。
圧力が下がるのを待ち遠しく構えた。
圧力を表す弁が下がる。
良し!今だ!
と蓋を開ける。
ぶわっと立ち上がる湯気の香りに「美味しい」を確信し始めた。
みごとなブイヨンができている。
これこのままいろいろな料理に応用できるな・・・
と思いながら、今回はカレーなので肉だけを別にして、残りをブレンダーでかき回す。
一瞬でスープと化したその液体を鍋に入れ火にかける。
コトコトとさせない程度の弱火で火を入れると、そこに適当なパウダースパイスを投入。
入れたスパイスは、チリ・ターメリック・クミン・コリアンダー・ガラムマサラと定番のもの。
(スパイスが切れていたので、こちらもスーパーで購入した適当なもの)
味を見る。
うん。そこそこカレーになっている。
でも今一つコクが足りない。
そんな時重宝するのが醤油。
私は三ツ星醤油が最強だと思っているのでこの醤油をスプレーで数振り。
味を見ながらもう少しと足していく。
味を見る。
いや、これ美味しい!
十分にカレーになっている。
テンパリングもシードスパイスも塩も一切使わないけれどカレーになっている。なんなら油も使わないけれどカレーになっている。
あっさりさっぱりしたカレー。
まぁもちろん、まだまだな部分もありますが、初回にしてこの出来は十分だろう!
もう少しコクを出したいのだけれど、やっぱりいい素材のが必要なのかな?水分の調整も必要かもね。
ちなみに、ナスも入れたり、ニンニクや生姜も使ってみたけれど、今のところ最初のシンプルなカレーが一番。あと一歩、もう少しコクが出ればと思いつつ、しばらくはカレーの毎日が続きそうです(笑)
とりあえず及第点にはなったので記事にしました。ご興味ある方はお試しください。
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