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PCR検査数が分かれば、本当に正しい感染状況が分かるのか | 外資コンサルが考えてみた

0.はじめに

こんにちは。コロナウイルスの感染が拡大し、7都道府県に緊急事態宣言が発令されてから一ヶ月と少しが経ちました。自宅での仕事もだいぶ慣れてきました。
最近では、感染者数が減っているとは言っても、PCR検査数が分からないと感染率が分からないのだから、意味がないという声をよく聞きます。本当にそうでしょうか?

1.なぜPCR検査数が重要な数字なのか

4月末時点での東京都の新規感染者数は毎日100人を超える状態でしたが、5月初旬には新規感染者数は100人を下回る日が続いています。一見すると、外出自粛の効果が表れてきたように思えます。

しかし、ここで頭の良い国民はPCR検査を受けた人数によって新規感染者数に幅があるのではないかと考えます。PCR検査をした結果、陽性である人/陰性である人を判別することを考えると、母数のPCR検査数が公表されるべきではないかという主張をしているのです。陽性率(=新規感染者数/PCR検査数)をコロナ収束判断の重要指標とするべきということだと思います。

コロナ収束判断の重要指標:陽性率=新規感染者数/PCR検査数

2.陽性率を重要指標にするべきか

確かに、陽性率をコロナ収束判断の指標に用いることはそれらしく聞こえます。「その通り、検査数が重要だ」と言う人が多数いると思います。私もたしかに検査数は分かった方がよいと思います。一方で、数字の意味合いは理解した上で判断したいとも思いますので、このPCR検査数が何によって決まる数字なのかを一度考えてみようと思います。

PCR検査を受けることができる人は、コロナウイルスに感染したかもしれないと疑いを持った人のうち、実際に保健所に行き、検査受け入れが可能となった人だと思います。そのうち陽性と判定された人が新規感染者となります。

PCR検査を受けることができる人は、コロナウイルスに感染したかもしれないと疑いを持った人のうち、実際に保健所に行き、検査受け入れが可能となった人だと思います。そのうち陽性と判定された人が新規感染者となります。 検査受け入れがあった人の数字の背景には、考えなくてはいけない数字がいくつかあるのがわかります。

最近でいえば、LINEが厚生労働省の代理で実施しているユーザー調査によって、「コロナかもしれない」と思う人の数を集計することにより、「コロナかもしれない」人のうちの陽性患者数を指標にしてみるのもよいかもしれません。

もちろん保健所にPCR検査の受け入れのキャパシティに限界があるという意味で、検査数が限定されているという考え方もありますが、多数の病院が点在している東京都でいえば、必ずしも毎日の検査数が東京都の限界検査数とは言い切れない為、背景にある数字を考えることは重要でないかと思います。

情報の背景にある意味合いを考えることが重要である

3.まとめ

今回はメディアの情報を見ていて、「この数字って本当に正しい判断をする材料になるのか」という疑問から、コラム記事として書いてみました。

普段リサーチ作業などをしていても、情報の裏にある意味合いを抽出することが重要になったりします。日常でも、情報の持つ意味合いを考えてみると、ひとつ客観的な視点で物事を見ることができるかもしれません。

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