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判例学習の意義

法学を学ぶとき、判例が非常に重要だということをよく言われますが、なぜ重要なのか最近になってようやくわかってきた気がするので私の考えを書きます。

※学部の試験対策をするときの意識づけくらいにしか使えません。

法学の主な登場人物

  • 判例

  • 学説

  • 法令

判例とは

主に最高裁で争われた事件の中でも重要なものを指します。『判例百選』に掲載されているものはとりあえず大事です。

判例=事件概要+公式見解

大雑把に申し上げると、判例とは
①事件の概要と②争点、③それに対して裁判官が導いた結論から構成されます。

ここで注目すべきは③裁判官が出した結論部分(判決)です。
そもそも法学とは法令の文言の意味内容を解釈することです。「解釈」とは法令の目的を踏まえ法律を適用する事例の範囲をできる限り決めてしまおうという営みだと私は考えています。
こうすることで予測可能性が生まれ、法的安定性が向上します。
(訴訟などに発展するかどうかわからない状態を避けることができる!)

解釈をする必要があるのは、法律が現実世界で起こる事象を対象としているからでしょう。
文言のまま辞書的な意味で定義を受け取ってしまうと適用していいかどうかのグレーゾーンが発生しますし、判例となっている事件の概要を見てみるとグレーゾーンなものばかりに思えます。

例えば大昔には電気は盗めるのかという争いが発生してしまいました。すなわち、電気を盗んだ事件に窃盗罪(刑法235条)を適用できるのかという問題です。
ゆるい説明になりますが、電気は有体物として扱ってよいものかがポイントでした。盗むためには実体を有している必要がありました。(現在は刑法245条に窃盗罪の客体として電気が認められる旨の記載があり、問題は解決しています。

解釈の仕方のバリエーションは複数の学説として表れます。答案を書く場合はそのいずれを支持するかということがポイントになりますが、ここで判例は公式見解だと述べた意味が出てきます。公式ともいえる裁判所がどの学説を主に用いて結論の根拠とするかに注目するのです。
(公式なんだから信用していいよね……)

しかし忘れてはならないのは、判例とは事件と1対1対応のもので、判決内容は事件概要に依存します。事件概要によっては異説を採用して判例を変更する必要が出てくるかもしれません。そもそも事件概要が判例とは別物であって、判例の射程外と判断する場合もあります(この場合は判例変更ではない)。
そういう意味で、判例(=答案における安定択)だけでなく様々な学説を勉強する意味があるのではないかと思っています。


おわりに

課題をするモチベが全く上がらず、モチベを上げるために何かやろうと思って始めたのでこれから向き合わねばならない判例に思いを馳せてみました。

なんだか堅苦しい感じになってしまいましたね。
課題が終わったらゲームやります!


では、また。


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