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新・パズルスクエア2022活動報告

この記事はペンシルパズルI Advent Calendar 2022の25日目の記事です。
特にパズル研究の話はしませんが、
研究系の記事はいくつか裏ペンシルパズル Advent Calendar 2022で書いてます

パズルスクエアについて

まずこの記事で書くパズルスクエアとは何かという話をすると。
ロジックパズル、ペンシルパズルと言われる、主に紙とペンを使って解くパズルについて、ツールを使って問題を公開する仕組みが既にあり、
その問題を利用者が投稿したり、解答を記録できるようにした、小説やイラストの投稿サイトのパズル版のようなサイトとなっています。

3年前、2019年5月に齋藤スバルさんによってオープンされ、今年2022年の7月26日にfffさんと共に管理人を引き継ぎ、新・Puzzle Square JPとして運営移管、リニューアルオープンして5ヶ月が経ちました。

▲命名の由来

▲前・副管理人によるオープンの動機

移転の経緯

前日に告知、突然の移管&サイトリニューアルし、今も現在進行形で久々にアクセスした以前からの利用者を驚かせ続けているのですが、
未だに挨拶や説明もあまりしていなかったので、この場を借りて話すことにします。

2022年2月、Twitter上でパズルスクエアの運営譲渡についての話が齋藤スバルさんからあり、
既にペンシルパズル界では影響力の高いサイトだったので、普及活動としては1から新しい企画を立てるより優先すべき、とfffさんも思ったのかはわからないですが、
Instructionless Grid, 年越し謎とたくさんのパズルや謎が解けるイベントを開いた自分とfffさんが直感的に手を上げました。

その後、サイトの移管が厳しそう、という話になったのですが、
後々の拡張性を考えても、理想を言えば作り直したかったので、
その旨をお伝えし、昨年fffさんと実装したInstructionlessGridのシステムをベースに新しいシステムを作ることにしました。

▲移管計画書

その後、fffさんの尽力で4月末にはほぼ出来上がっていたのですが、
その後ブラッシュアップ、UIの調整や、最初から入れておきたかった機能等を足し、齋藤スバルさんとの移行のスケジュール等も調整し、
7月25日夜にオープン予定が、DBの以降に手間取って日付を跨ぎ、7月26日にオープンしました。

リリース後

サイトがリニューアルして使い勝手が変わると、前の方が良かったかどうかなどありますが、上記の経緯より、パズルスクエアも以前の状態を続けることはできなかったので、「変化しない」という選択肢はありませんでした。
ただ、使い勝手が悪かったり要望があった時に(Twitterの空中リプでも)声を挙げてほしかったので、特にこの経緯については話していませんでした。
これも織り込み済みだったのですが、
「作り直し」という都合上、(ランダムパズルのようなリリース後実装を予定していた機能を除いても)見落としていた機能等がありそうだったので、
そういったものはリリース後優先的に対応していきました。

移管直前のパズルスクエアはかなり通信が重くなっていたので、(少々サーバー代は嵩んでいますが)移管したことで、その点がある程度解消できたのは使い勝手が良くなった点などはわかりやすく評価されました。

また、海外からのお問合せ対応でいきなり詰みかけたので、海外対応関連にゆずっこさん、ルール周りの整備ににしなんとかさんのご協力を仰ぎ、
共同管理人+何人かの運営協力という現在の体制となりました。

パズルスクエアが果たす役割

限られたリソースで運営するにあたって、実現する機能にも優先順位をつけていく、なにをやってなにをやらないかを決めていく必要があります。

それを決めるにあたっての軸となる考え方、現在のフェーズで投稿サイトとしてパズルスクエアが果たす役割は何かと考えると、
「パズルを解いてもらいたい作り手とパズルを解きたい解き手を繋げること」
と考えました。
体感ですが、今の10倍ぐらいの規模になればまたネットペンパ界が新しいフェーズに進みそうな気がしています。

作り手を増やす、解き手を増やす、解き手とパズルのマッチングを増やす、と色々やることはありますが、機能追加やイベントはこの軸に沿って進めています。

▲リクルートのリボン図がなんとなく近い (引用元)

機能追加

リニューアルオープン以来100回以上のアップデートを行なっていますが、
新しいパズルスクエアになってから入った機能として3つ取り上げます。

難易度投票

リリース時に追加していた機能です。お気に入り機能を拡張してボタンを増やせるようにしていたので、ブックマークなどと同じ仕組みで導入しています。

パズルスクエアの難易度の付け方について、大まかに
・作者ごとに独自にパズル難易度設定を1〜5で設定する、同じ作者の中では難易度比較が可能
・パズスク全体で、もしくはパズル種ごとに大体1〜5の難易度帯を設定、作者がそれに合わせた難易度設定をする。
の2種類のやりかたが考えられると思うのですが、
難易度投票を取り入れた時点で後者に寄せることになってしまいました。

前者も、個々の作者が自分の作る問題の難易度帯に合わせて設定できるため、難易度の解像度が上がるメリットがあるのですが、
全体の難易度としては作者情報に依存しない方がわかりやすさが増すかなと思います。

後者のメリットはハッシュタグやコメントで作者が独自の難易度を書くことでも解決できますし。

パズルスクエアの難易度基準はどうなっているのか?ニコリ難易度に準拠しているのか?という質問も受けることがありますが、

(一部名前を借りているというのはあるけれども)、ニコリ基準やトケタ基準といった、外部の情報に依存するのはそれを知らない人にやさしくないので、あくまでパズルスクエアの他の問題を参考にした「パズスク基準」と言えるような基準で難易度を設定してもらえたらとおもいます。

・ニコリにない手筋を使った問題や、ニコリに存在しないパズル種もある
・特に難易度のつけかたの明確な基準が公開されているわけではない
ことから、特に外部の基準を使うメリットもないように思います。

・「パズルスクエアはニコリ基準で難易度をつけてほしい」だったら明言の必要があると思うのですが、「パズルスクエアはパズスク基準で難易度をつけてほしい」は特に言及の必要があると思ってなかったので明言してなかったのですが、このタイミングで書いてしまいました。

というわけで、難易度投票については、

「★2と表記されているにも関わらず、周囲の平均的な★3の問題と比べても有意に難しいと感じる時に押すボタン」というのを意図しているのですが、警告がついてるパズルは直近投稿されたパズルの中だと現在5%未満のようです。
たった5%のパズルに警告をつけるだけの機能ですが、かなり全体として、とっつきやすくなった気がします。放置されていた割れ窓を見つけるようにすることで、全体として秩序が生まれた感じ。

そもそもペンシルパズルの難易度を客観的につけるのは難しく、正確に一つの値に定まるものでもないので、思わぬ地雷を防ぐ、くらいのゆるさで良いのかと思っています。
それ以上をやろうとすると、パズル種による差もでてきますし、既に投稿されている2万問以上のパズルに対して難易度投票をやりなおす?みたいな話にもなりますし。

一方で、有志によるハバネロ難易度表、難易度投票という企画は良い試みな気がしています。何かあれば力になります。

ハッシュタグ機能

一つの機能を色々な目的で使えるというのが使い手による創意工夫もみられて良い機能だなと思うのですが、ハッシュタグ機能もその一つだと思います。

現状ハッシュタグは作者のみが設定で追加できる機能となっていますが、
いろんなパズルを横断的にまとめる機能としては「リスト機能」を予定していますのでご期待ください。

後述する例題募集イベントを開くために追加したのですが、
ハッシュタグ自体が使われているというよりは、
特にイベントを開きやすくなったことが大きいです。
イベントについては次の章で説明します。

最近解かれた問題タブ

11月に追加したばかりの機能です。
フィルタを絞り込むか、(その前月に入った)ランダムパズル機能の生成ボタンを押すかという能動的な操作をしないと2万問以上ある過去パズルに触れられない、というのがもったいない、
という問題を解決するための方法をブレストしていたのですが、
最も効果的っぽいと感じたのが、この機能でした。

新着投稿だと1日20〜30件しか変化しませんが、
最近解かれた問題なら4000問以上解かれているので、サイトに動きが生まれるのが1ユーザーとしても嬉しい。
過去作埋めをしている人やランダムパズル機能で解いている人の恩恵を受ける形で新しいパズルと出会える機能として機能しています。
また、誰にも解かれていないパズルを解くために逆から辿るという使い方もあります。

ちなみにハッシュタグも過去の問題に着目してもらうための方法として用意しているのでぜひ投稿者の方こちらも使ってください。

イベント

例題募集

ペンシルパズルのルール文は例題ありきで書かれていることも多いので、
例題の必要性は常々感じていたのですが、
そんな中ふーなんとかさんのnoteがあがりました。

以前の機能を実現することに手一杯で、初心者向けの施策が間に合わない中、8月の1ヶ月間「はじめてのペンシルパズル」の名前で入門を出していた謎の人物がいました。

▲はじめてのペンシルパズルさん

「はじめてのペンシルパズルさん」が正体を明かした時、
その正体が、ペンシルパズルデビュー週間や7638などで、何度もパズルでインターネット上にムーブメントを起こしてきたふーなんとかさんで、

▲ペンシルパズルデビュー週間のインパクト、ニコリ公式に取り上げられる。

「もし例題を公募するとなった時にイベント慣れしている人が欲しい!」と思ったので、例題募集にかこつけて引き入れました。

ちなみにパズルスクエアの複垢ですが、管理人2人ともTwitterのアカウントをいくつも持っているので、アカウントをたくさん作るメリットを否定はできないよねーって感じです。1つのLogicpuzzleAppアカウントで5つまで複垢が作れるはてな形式、とかも良いかもしれません。


個人ではこういった人を巻き込むイベントをあまり打たないので、どれくらい集まるか不安でしたが、
例題募集は思ったより反響があり、最終的に169種類290問もの問題のご応募をいただきました。
目に見えて盛り上がったので、やっぱりイベントの力はすごいなと感じました。本業でかつてソシャゲの運営をやっていたのに。

こんな募集で人がくるのだろうか、と思っているけど、自分自身がペンシルパズルデビュー週間や7638イベントなどに乗っかって作るので、本来は需要としてあるのだな、と改めて実感しました。単に自由に作ってもらうだけではなく、イベントを用意することも必要なものだったのだと感じます。

審査委員長のfffさんに異常な負担を掛けるため、今後の開催について、何度も開けるかはわからないですし、イベント化せずに公募となるかもしれませんが。とりあえず128問の例題を設定することができました。
ふーなんとかさんやゆずっこさんに作ってもらったパズルと合わせると、およそ200のパズル種について例題が設定されていることとなりました。
また、すべてフリー化しているという点で外部での使用等含めパズル普及の一助となればとも考えています。

WSPC2022応援

WSPC2022に合わせてなにかできたらと考えていたところ、
白岡市民さんもパズスクを使ったイベントを考えていたため、
お誘いしてWSPC2022応援イベントを開催することになりました。

詳細は以下の記事が詳しいです。

このタイミングで、パズルスクエアの運営Discordの権限等を調整して、個々のイベント単位で人を追加していけるようにしたため、コラボイベント等が開きやすくなりました。
1イベントだけの協力とかもぜひぜひお声がけください。

白岡市民さんにはPuzconをはじめ、インターネットパズルの横の繋がりを加速するために、後に運営に入ってもらうのですが……。

アドベント2022

現在開催中のイベントです!
sakiさんによるペンパアドベント2022(この記事が参加しているアドベントカレンダーです)の開催が決まった時に、
昔あった問題を出題し合うアドベントカレンダーを思い出して、
「25人の作者に問題を作ってもらうのはどう?」と提案したところ、
fffさんに「25日分パズル種を決めて作ってもらう方が良いのでは?」
「それいいね!」となり、その日にふーなんとかさんに連絡、翌日の会議を抑え、開催が決定しました。

↑間2日

これもやっぱり不安で、運営メンバーに「集まらなかった日のためにパズル作ってね」とお願いしていたのですが、想像以上に盛り上がっており、現在最終日を待たずに436、30ページ分のパズルが投稿されています。
良いイベントだったので1週間ぐらいの規模でまたやりたいですね。
選定基準に迷いますが、クリスマス以外、もっというとモチーフ系パズル以外も選びたいところです。

イベントについてのご意見ご感想その他/協力希望等もDM(個人・公式)やお問い合わせフォームで受け付けてます。
良いアイデア、お待ちしてます。

ちなみに年明けにはパズスク・オブ・ザ・イヤー2022-2023を予定していますので、
自薦他薦共に「これは」というパズルを控えておいてもらえると助かります。しばらく実施されなかったので全パズルを対象とします。
ブックマーク機能もご利用ください。

活動報告

さて、色々な機能追加やイベントについてお話してきましたが、実際に利用者はどうなっているの?ということで、データを
毎日50以上のパラメータを見ているのですが、
解き手と作り手を繋げるという観点から、やっぱり投稿数/投稿人数と、解答登録数/人数が気になります。

登録者

ユーザー数推移

青が旧パズルスクエアからデータを引き継いだ人数、
赤が新規で登録した方の人数です。現在975人、年内に1000人いくかどうか、といったところです。

現在メールアドレスのみでデータを移行できるようになっているので、
まだ新パズスクになってから登録していない方はこの機会にぜひ

https://puzsq.logicpuzzle.app/

投稿数/投稿人数

青:投稿数、赤:投稿人数、七日間移動平均

パズル投稿数は割と波があり、
・リリース直後
・2020年と2022年の1/1周辺
・puzsq例題募集初日, 2日目
・パズスクアドベント初週
が特に尖っています。
例題募集のあとにパズル投稿/投稿人数が増えていることから、イベントが「投稿をする / 投稿を再開するきっかけ」にもなってそうです。

解答記録人数

1問以上解答記録を行っている人の人数です。
口コミやtwitter以上の宣伝活動を行っていないので、いきなり増えるものではないですが、
3年間かけてじわじわと利用者が増え続けてきたことがわかります。
そして、リニューアルで増え、今年の11月後半からアドベントでさらに増え方の勢いを増しています。
赤はパズスクリニューアル前後で傾きを5倍にしてみたトレンドライン

ちなみに月間解答人数はそこまで劇的に増えていないので、
「新パズスクになって利用者のアクセス頻度が高まった」という見方もできそうです。

その月に1回でも解答登録をした人の数


解答記録数

続いては解答記録数、

新パズルスクエアリニューアル後から増え続け、現在1日にのべ4600問、2000種類ほど解かれているようです。
例題募集のタイミングで簡単な問題が大量に投稿されたので一気に伸びていますが、12月現在で9月末当時の解答数に匹敵するぐらいの解答数となっています。
黄色をトレンドラインとして、パズスク以後の傾きをパズスク以前の傾きの10倍で書いてみましたが、それ以上に伸びています。

「目標として、まずは10倍の規模にする」と前の方で言ってしまいましたが、1日の解答登録数は既に2倍以上になっているし、夢ではないのかもしれない。

告知と今後の展開

ここからはこの場を借りて行う、初出の情報です。

グッズ販売

以前Twitterでチラ見せしたパズルスクエアTシャツの販売を開始します。


今後パズル好きな人に向けてのグッズを色々出していこうと考えているのでご期待ください。

https://suzuri.jp/logicpuzzle

メディア

前回記事

で軽く触れたのですが、国内外のパズル情報の発信を行っていくメディアを
主に白岡市民さんと作ろうと考えています。

サイトは準備中ですが、

Puzzle Times JPの名前で年明けより運営開始を予定しているので、
https://twitter.com/puzzletimesjp
↑こちらをフォローしてお待ちください。

コミュニティ

ペンシルパズルの話だけが流れてくる場所が欲しいという声を聞いたり自分でも思うことがあります。
例えばコンテストの感想トークなどもTwitterなどでは限度があり。
さらに最近Twitterの運営がイーロンマスクに変わったことで、
Twitter以外に発言の場を持っておくことの重要性が再認識されてきています。
そこで、ペンシルパズルの話を行う公開サーバーとして、PuzsqMeets(仮)を立ち上げました。

これを書いた時点で自分しかいないサーバですが、どなたでも大歓迎ですので、是非ご参加ください!

おわりに

書くことに迷って、実際に執筆を開始したのは24日の20時過ぎ、
事前に書くことを絞った割に難易度基準の話など筆が滑ってしまったところ
もありますが、なんとか書けました。

来年もインターネットを通していろんな方法でパズルを広めていけたらと考えているので、よろしくお願いします。


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